本川裕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレデータを駆使して、社会の実像を解明する。答えの出ないものも、載せているところが正直でよろしい。
・男子の草食化は、タンパク質の摂取量減少と関係があるのではないか。
・世界の多くの国では、女子高校生より男子高校生のほうが生活満足度が高いのに、唯一日本では、女子高校生の生活満足度が高い。これは、日本の女子高生が、他国に比べて、体型や生活態度に関する強迫観念から自由だからではないか。
・日本の通信料金そのものは他国よりそれほど高くないのに、通信費が家計に占める割合は高い。これは、高齢者が高い通信量を支払う傾向があり、日本は高齢者が多いからではないか。
・ネット時代の到来により営業職従事者の総数が減り -
Posted by ブクログ
新聞をみると毎日のように日本に関する様々なニュースがデータとともに報道されていますが、そのデータが表現されたグラフは基本的にはその記事の主張をサポートするものです。つまり、書き手によって不都合なデータは載せられることはありません。
ある出来事を私なりに理解するためには、それらのデータをより長いスパンで見てみる、また比較対象をできる限り多くして、その中での日本の位置づけを見ることが大事だと思います。
この本では様々な内容がデータとともに示されていて、いわゆる通説と本当の姿はどの程度異なっているかが示されています。更に最終章では、誤解をしないための「正しい統計データの使い方」についても解説され -
Posted by ブクログ
ネタバレwebサイト「社会実情データ図録」
親しい異性と一緒にいるとき、一番幸せを感じるという割合が減った。
肉食女子が現れたのはボディコンギャルのあたり。
草食化とたんぱく質の摂取量に因果関係がある。
日本の女子高生が楽しそうなのは、古い道徳も新しい規範も自由なため。
県民のんき度は沖縄が一位、福島がボトム。
家計における通信費は、通信料のレベルは高くはないが負担は重い。高齢者が過分に通信量を負担している。
作れば売れるの時代が終わると、営業マンが躍進職業になった。バブル崩壊で急速に人数が減った。営業は事務的に販売する仕事にシフト。
県を超えた引っ越しは減少しているが、東京一極集中は続い -
Posted by ブクログ
著者はウェブサイト社会実情データ図録を開設している方。本書では、様々な統計を人口比や年齢調整などの比較可能な形でデータを提供し、丁寧な分析をしているが、解釈にはまだ議論が残る部分も感じた。
日本の相対的貧困率は14.9%(2005年)で、OECDではアメリカに次いで2番目に高い。長期的にも上昇している。日本は年齢別の賃金格差が大きく、年金収入のみの低所得高齢者が増えていることが原因であるとしている。ただ、年齢別や世帯数別のデータがないため、分析が不十分との印象が残る。上位1%の高額所得者の所得シェアは、1980年代後半以降の欧米各国の上昇率の高さが目立つが、日本でも2000年頃から少しずつ上 -
Posted by ブクログ
日本は本当に公務員天国なのか、経済格差は拡大しているのか、仕事は本当に多忙でストレスが多いのか?著者は統計データ上はそれがいずれも間違いであると主張する。
日本人の睡眠時間減少はむしろ趣味・娯楽に時間を割くため!そして女性の化粧時間も!また世界各国に比べた自殺率の低さも意外なデータである。統計学の結論と感覚的な結論の食い違いは実に面白い。日本人は他に比較し、神、死後の存在を分からないとする人が極めて多いという統計は楽しかった。また疲れにくい体質の日本人、米食が最もバランスよく、肥満になりづらいなど、父親を超えたと答える比率の最も少ない民族、男女の幸せ感の推移・・その他実に楽しい主張の数々。著者