【感想・ネタバレ】なぜ、男子は突然、草食化したのか 統計データが解き明かす日本の変化のレビュー

あらすじ

エドガー・アラン・ポーを師に「統計探偵」が真実に迫る!
統計データが浮かび上がらせる日本社会のナゾと不思議。統計データは人々の認識のズレや固定観念の落とし穴も明らかにする。
日本の女性はなぜ、どんどんキレイになっているのか? 貧しい時代の代名詞、「エンゲル係数」はなぜいま上昇? 「日本階級社会化」説はなぜ間違いなのか?――などなど、統計探偵が日本社会の変化を統計データをもとに明らかにする。
統計リテラシーがグッと上がる21のエピソード。思いがけない日本社会の本当の姿が浮かび上がってくる知的エンターテインメント。

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Posted by ブクログ

本を手に取る前は「どうせ作者の主観やら妄想で書かれた本だろ( ´_ゝ`)フッ」
と思ってましたが「え?データを駆使して分析してる?何それ面白いじゃん!科学じゃん!買う!」
となって買ってしまった本。
データの正誤や見方は別の本「FACTFULNESS」を読んで個人で検討したらいいと思う。

0
2019年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

データを駆使して、社会の実像を解明する。答えの出ないものも、載せているところが正直でよろしい。
・男子の草食化は、タンパク質の摂取量減少と関係があるのではないか。
・世界の多くの国では、女子高校生より男子高校生のほうが生活満足度が高いのに、唯一日本では、女子高校生の生活満足度が高い。これは、日本の女子高生が、他国に比べて、体型や生活態度に関する強迫観念から自由だからではないか。
・日本の通信料金そのものは他国よりそれほど高くないのに、通信費が家計に占める割合は高い。これは、高齢者が高い通信量を支払う傾向があり、日本は高齢者が多いからではないか。
・ネット時代の到来により営業職従事者の総数が減り続けている。これに対して、営業のバックオフィス職は増えている。
・国内の人口移動数が減少し、失業率の地域格差も減ってきている。これは、人口に比例して必要なサービス業従事者の割合が増えてきていることと関係があるか。
・日本の男性は肥満者が増えてきているが、女性の肥満者は増えていない。
・近年、日本ではエンゲル係数が増えてきている。しかし、これは日本だけではなく、欧米主要国の多くに共通する現象(米を除く)。
・特殊な都市:金沢は、和菓子も洋菓子も消費量トップ。山形は、豚肉も牛肉も消費量が多い。
・醤油の消費の多い山形、ソースの消費が多い広島。
・日本は、1964年には高齢化率最低レベルから、2020年の高齢化率ダントツトップまで、非常に早く高齢化が進行した。
・日本のIT活用力が低いと話題になったが、それは、ITを使っている人の割合が低いということであって、ITを使う人の中の活用の力は世界トップクラス。これは、ITを使わなくてもうまくいきていける社会が構築されているから。
・日本は、困っている人を助ける人が少ない冷たい社会だと言われるが、これは質問が、先月困っている人を助けましたか、という問いなので、実際に困っている人が少なければ、助けた経験者が少ないのは当然。困窮者が少ない(少なくとも目立たない)社会になっているということではないか。ロシア、中国、ブラジルなども、近年、経済発展に伴って、困窮者を助けた経験者の割合は減少してきている。
・精神的なショックの程度で比べると、うつ病が最悪、パーキンソン病がそれに継ぎ、更年期障害と認知症と神経痛が同じ程度、かなり下って、がん、脳卒中、骨粗鬆症、風などが位置し、糖尿病、高血圧、痛風などは軽い。
・日本の老人は、すでにかなり多くの人が働いている。したがって、今後の労働力増強のソースとしては期待できない。
・日本の所得格差は、近年それほど拡大していない。主要各国で生じている所得格差拡大傾向に比べると、日本はむしろ横ばい。これは、年功序列金銀が2000年ころから次第に平準化されてきていることと関係があるのではないか。日本人の中流意識(中の上から中の中と答えた人の割合)は、1960年代よりも、2010年代のほうがむしろ増えている。
・日本人の労働時間は、長期的に減少してきている。しかし、それに反して仕事のストレスは増えている。
・高齢化によって日本の医療費は増えているが、主要各国に比べると、その増加割合は緩やか。

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2019年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

webサイト「社会実情データ図録」

親しい異性と一緒にいるとき、一番幸せを感じるという割合が減った。
肉食女子が現れたのはボディコンギャルのあたり。
草食化とたんぱく質の摂取量に因果関係がある。

日本の女子高生が楽しそうなのは、古い道徳も新しい規範も自由なため。

県民のんき度は沖縄が一位、福島がボトム。

家計における通信費は、通信料のレベルは高くはないが負担は重い。高齢者が過分に通信量を負担している。

作れば売れるの時代が終わると、営業マンが躍進職業になった。バブル崩壊で急速に人数が減った。営業は事務的に販売する仕事にシフト。

県を超えた引っ越しは減少しているが、東京一極集中は続いている。
あらかじめ、引っ越し先の状況がわかるようになり移動が減った。
失業率の地域間格差は減少している。

民意は、自然発生的に発生した場合、直観と酷似していて正しい可能性がある=民意は天才の直観。
格差は拡大していると報道しているが、下層と認識している国民は減り続けている。医療サービスが他国より劣っていると報道されていても、日本人は医療サービスを信頼している。

中高年の身の回り用事時間が増えて、きれいになっている。
世界の傾向は、高所得ほど肥満、低所得ほど痩せ。
日本の特徴は、男の肥満化、女性の痩身化。

ずっと低下してきたエンゲル係数が上昇しだしたのはなぜか。
短期的には収入減少、長期的には一人世帯増加、グルメ志向、共働き、高齢者世帯の増加。
パソコンや携帯電話の普及時期に、エンゲル係数が下がった。それがひと段落したため、上昇した。世界的にも同じ傾向。
アメリカだけ異様に低い。食に対する執着のなさ。
食べる時間はアメリカ74分、日本117分、フランス135分。これに比例する。

たんぱく質の摂取量は、西高東低。出生率と同じ。
城下町には和菓子、港町には洋菓子。
牛肉は西日本、豚肉は東日本。
醤油は山形、松江、ソースは広島、岡山。
山形市は、食の特異性が際立つ。

高齢化率は日本が27.7%でダントツに高い。
死のピークは、男が84歳、女が91歳。

日本は、ITを活用しない割合は多いが、使用している人のレベルは高い。
ITに依存しない生活が可能。ITを使わなくても、便利な社会が確立しているので、使う層と使わない層が二分化している。

現金取引が多い理由も同じ。日本では現金を使うインフラが充実している。スウェーデンでは、銀行が現金を受け入れ拒否するので、店舗もそれに倣うことになる。

日本人は困っている人に冷淡=日本には困っている人が少ない。政府や公共機関が助ける仕組みが出来上がっている。

貯蓄率が下がる理由=高齢化、社会保障に期待できるか、消費性向が高くなったか、景気が良くなっているか、成長力が下がっているか、など。
日本海側で貯蓄率が高い。

もっとも心穏やかなのは60代こどもの頃。

85歳でも1割の人が働いている。100歳でも1%。
60歳では9割、65歳では65%、70歳では5割以下。
高齢者はすでに働いているので、高齢者の労働力化は、労働力不足を補えない。むしろ女性に余地がある。

ジニ係数によれば、日本の格差は横ばい。
もともとジニ係数では、バブル経済の前から格差はある程度あった。

長時間労働は減少傾向になる。現在のほうが同じ時間でもストレスがたまりやすい。人間関係などが原因。

高齢化の程度を考えると、日本の医療費は低コスト。
医療費はGDPお10%を超えると抑制に転じる。

1
2020年09月03日

Posted by ブクログ

巷で流される偏った(?)情報に対し、統計を元に実態に迫った秀逸本と思います。
男子の草食化とタンパク質との関係性の章は、日頃から統計に関わり続けた人でないとたどり着けない内容。
ニュースはマスコミの都合のいいように切り取られている点も多々見受けられました。数字や解釈は原典にあたって自分で判断する習慣の大切さを学ぶことが出来る一冊でした。

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2025年08月17日

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