山本有三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山本有三文学忌、一一一忌。
いちいちいち忌。
長い間、私の本棚にあった一冊。
当然ですが、昭和発刊でこの新装版ではありません。m(_ _)m
ですので、読んでいるはずですが、
ストーリーはすっかり忘れていました。
それでも、いくつかの場面
枕木にぶら下がる吾一、
父親が小遣いを溜めた貯金までも使ってしまうくだりなど
時折、記憶が残る場面もありました。
今回読み返して、何より驚いたのは、
この作品が未完であるということです。
1937(昭和12)年、『中央公論』にて連載開始。
作者はこの作品を「少年の成長を通して、新しい日本人の人間形成」を描こうとしたということです。
しかし1938年、日中戦争が本格化。
国内では「挙国一致」「忠君愛国」が叫ばれ、
文芸にも国家主義的な検閲が強まっていきました。
山本有三の作品は、
「人間として正しく生きること」を書き
「国家よりも個人の良心」を重んじていました。
それが当時の統制下では非国民的と見なされやすかったようです。
1938年末から翌年にかけて、
『中央公論』編集部からも「時局にそぐわない」として連載は中断され、
作品は未完のまま。
その後、有三は戦中は書く事をしなかったようです。
子どもの頃かな?カバーを破ってしまったけれど、いつか再読するだろうと保管していた一冊。
「努力すれば報われる」と信じていた作者の物語が、
「努力しても報われない現実」の前で途切れている。
それでも、人はその道を歩み続ける。路傍の石のように、黙ってそこに在り続ける人生でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ数年前,三鷹の山本有三記念館に立ち寄る機会があり,それ以来,いつか読もうと思っていた本.やはり中学,高校生のうちに読みたかったというのが正直なところ.実際,子供の学校の推薦図書リストに入ったりしている.このような貧しさとほとんど無縁に育った世代がこの本を読んでどう思うのだろう..
付録として掲載されている青年期の物語は,改訂されたあとの本編とはその目指すものが違ってしまっているようにも思われた.もしこの方向に進んでいくのなら,道徳の教科書か,自己啓発本になってしまったのではないか.そういう意味では未完で良かったのかもしれない.