杉坂圭介のレビュー一覧
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今に生きる赤線地帯、遊郭の風情と隠微さを醸す歓楽の秘境・飛田新地。本書は第三者によるルポルタージュではなく飛田の「住人」である筆者がその内部事情を赤裸々につづった貴重な記録でございます。
飛田―僕がこの界隈のことを知ったきっかけは作家、黒岩重吾の小説がきっかけでした。株で失敗し、原因不明の奇病に全身を冒され、西成で息を潜めるようにして生きていたころに飛田に勤める「おねいちゃん」たちと交流があったのだそうです。
本書は「遊郭」を10年経営し、現在はスカウトマンとして「飛田に生きる」住人が書いた「裡側」の赤裸々なまでの記録です。以前、ここでも紹介した「さいごの色街・飛田」では遊郭を経営す -
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皆さんは飛田新地をご存知でしょうか。
戦後未だに現存する大阪市西成区にある日本最大級の歓楽街で、かつての遊廓街としての歴史が今だに残っている地域です。現在も多くのいやーんなお店が「料亭」として軒を連ね、独特の雰囲気を残しています。
有名なのでご存知の方は多いと思うのですが、女性は非常に歩きにくい通りでして、男女共に写真撮影は禁止。
スマホを取り出しても注意されるらしいです(真偽不明)
とにかく冷やかしはお断りなのです。
しかし、この通りの奥に女性もウエルカムの遊郭をそのまま流用した『鯛よし百番』という真の料亭がございまして、こちらの内部は写真撮り放題です。
元大阪市長の橋本徹さんの飛田に -
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ネタバレ実際に親方として経営をしていた方が書いた本
勝手な想像で親方業はほとんど何もしなくても儲かりそうと思っていたが、本書を読んだことで思った以上に精神的にしんどそうだなと思った。
オバちゃんとお店の子が共謀してお店のお金を持ち逃げしたり
オバちゃんが贔屓をしたせいで看板の稼ぎ頭が辞めてしまったり
普通に経営者として働いた方が心身ともに安らかなのではと思ってしまった
タワーマンションの件はそうなっていないけど、
後から参入してきた人たちが、自分たちに都合いいように外観を綺麗にしていくのはどうなのかなーと思った
外観を整えたとしても内に籠るだけで語弊があるが根本的な問題は消えないと思う
買売春 -
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著者の杉坂圭介氏は、30歳を少し過ぎた頃にリストラに遭い、深夜のファミレスでアルバイトをしながら就職活動。そんなとき、高校時代の不良先輩から何年かぶりに連絡があります。どこで聞きつけたのか、杉坂氏のお父様が亡くなって、保険金数千万円を杉坂氏が受け取ったことを先輩は知っていました。それを元手に遊郭のオーナーにならへんかと。
オイシイ話には罠がある。そう警戒はしながらも、甘い言葉に乗ってオーナーに。2002年に店を持ち、10年続け、現在はスカウトマンとして関わる杉坂氏。飛田では、中のことを外の者が触るべきではないと、写真撮影はいっさい禁止、マスコミの取材に応じることもほぼ皆無だそうです。だけど、 -
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著者の飛田シリーズ第三弾。今回は飛田から引退していた著者が「料亭」の共同管理者として復活し、また引退するまでの模様を描いている。
今回の話の中心は、売り上げが落ち込んでいる飛田を外国人観光客(主として中国人)を取り込むことによって上向きにできないかと著者があれこれ模索するところである。
あと、元国際線CAが自分で事業を始めるための資金稼ぎとして飛田で働くようになった、という話も元CAの頭の良さと目的のためにはどんな手段も厭わない、ある種の冷徹さが感じられ、大層面白かった。
ところで、本書には飛田もNHKの番組で紹介されたとの記述があったが、その件は全く知らなかったので見逃していた。残念。
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ネタバレ中々興味深い。
筆者は意図していないのかもしれないが、経済学や経営目線で飛田という風俗街を切り取っていて面白い。
著名な学者や教授と組んで、風俗経営を真面目に書いたらもっと面白いと思う。単純な経営では〜という策を取るのが定石、しかし飛田の伝統では〜。なんて面白そう。本書では単純なルポになってるのでもったいない。
しかし最後の最後に明かされた筆者の家族関係も含めて、本書は編集の力量次第ではもう一段上の情緒深い作品になり得たと思う。
性風俗業界という必要悪の取り扱いに対しても筆者の視点は真摯に感じた。もっと視点を鋭くしてルポではない、社会学、経済学としてリパッケージして世に問いかけたい内容だっ -
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中の人の、それも使用者側からのエッセイというだけで
ちょっと希少価値はある。
中身はそんなにセンセーショナルではないし、
目を引くところはなかった。
しかしそれは率直な記述であろうと
著者が配慮した結果ではあるだろう。
特にこの手の事業を立ち上げた人のエッセイには
「自分はこの件に関して一通り見渡せている」という
鼻持ちならない感じがプンプンする人もいるので、
分をわきまえてる感じ好感が持てる。
ぶっちゃけもうちょっと
コミュニケーションとったほうがいいんじゃないの
とか思うとこもあるけど、
距離感を間違えると怖いので
近寄れないとかもあるんだろうなぁ。