飛田新地の料亭の元親方による『飛田で生きる』に次ぐいで、飛田新地に生きる女性たちを描いた第二作。柳の下にドジョウが二匹とは行かなかったようだ。
前作は飛田新地に生きる人びとの息遣いが伝わってくるような佳作だったが、本作は色街で働く五人の女性にスポットを当てた週刊誌のコラムドキュメントのような作品で、あまり面白くはなかった。
非合法と合法の狭間で日本経済の波に翻弄されながらも、何とか生き延びている最後の色街。こうした作品が次々と上梓されている現状を考えると、近い将来、必ずや消え失せる運命にあるのだろう。