須藤彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろそうだと思って買ってあったのですが、ちょっと堅そうな題名が障害になって読むのが今まで延び延びになっていました。
ところが読んでびっくり。作者は現役の防衛省キャリア官僚なのですが、文章は非常に平易で読みやすく、ユーモアもあって、抜群のおもしろさでした。
もちろん、舞台になっているのは東日本大震災直後から1ヶ月間の文字通り「戦場」だったすさまじいばかりの被災現場ですから、想像を絶する大変さだったことは、文章だけからもひしひしと伝わってきます。しかしそれを深刻に書きすぎるのではなく、時に柔らかいユーモアも交えつつ、しかし押さえるべきところはしっかりと押さえて読み手にすんなりと受け入れられるよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ●科学博士の書評指数:
楽しみ度:★☆☆☆☆
共感度 :★★★★☆
学び度 :★★★★★
話題度 :★★☆☆☆
お薦め度:★★★★☆
●概要:
2011年3月11日に発生した東日本大震災における自衛隊の災害派遣活動を記録した実録です.著者の須藤彰氏が,政策補佐官として災害派遣期間中に現場での活動を日誌にまとめたものです.この本では,被災者救援の現場で隊員が何を思い,何をしていたのかが詳細に描かれています.統合部隊の生きた日々の活動の記録であり,防衛省で政策に携わった経験を有し,かつ自衛隊の活動の現場を経験した著者ならではの視点が特徴だと感じます.この日誌は、災害対応における自衛隊の役割とその -
Posted by ブクログ
この本は被災者救援の現場で、隊員が何を思い、何をしているのか、政策補佐官が、災害派遣間に書いた日誌です。現場を知った人間に仕掛けない生々しい記録のオンパレードで、これは将来、ドラマ化して欲しいです。
この日記の執筆者は防衛省のいわゆる「背広組」のトップエリートで、彼が東日本大震災のときに、現地でも救助活動や自衛隊員の様子を記した生々しい記録となっております。
ここに収録されているのは3月16日から4月24日の間の期間で、その間に現地でいったいどんなことがあって、自衛隊は何を決断し、どのように動いたのか?現場では一人ひとりの自衛隊員たちが半身を泥に漬かって犠牲者の遺体を探したり、缶詰ばかり -
Posted by ブクログ
それなりに秩序だって、Under Control な暮らしが突然なくなったとき、失ったものすべてを「そのまま」取り戻そうとして、心身を消耗させるのではなく、いかに、「サバイバルモード」を働かせることができるのか、その重要性を本書は教えてくれる。
そして、サバイバルモードとは、目の前にある困難・危機を、自分で解決しようとする自立と、お互いに助け合おうとする人と人とのつながり、理屈よりも人の気持ちに寄り添う人間らしさ、なのだと気づかされる。
自分自身、これまでいかに「サバイバルモード」の感覚がなかったのか、未熟だったのかということを痛切に感じた。
東日本大震災の犠牲者への哀悼と被災者の方へのお -
Posted by ブクログ
防衛省内局と部隊との橋渡し役として、東日本大震災の自衛隊の救援活動の現場に立ちあった防衛官僚の日誌。
自衛官の震災での活躍を描く本は幾つかあるけど、防衛事務官から見た、震災時の被災地や自衛隊の行政的な動きや問題点みたいなのがみえてくるのが良かった。
不謹慎ではないユーモアが散りばめられてたり、率直な思いとかが綴られていて、人間味があるのがよい。あとは指揮をとる将官を真近で観察しての、名将とは、みたいなのも面白かった。
行政官として、自衛隊員として、そして父親として、一人の人間があの震災を見つめた記録。誰が読んでも、何かしら得るものがある本だと思った。