大胡田誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
テレビ番組で大胡田誠さんの特集をみて本書を拝読。
「健常者と同じにように障害者と接して」と度々言われるが、それは無理なことだと私は思う。批判や誤解はあるかもしれないが。健常者と同じように接するということは我々が健常者にするのと同じように性格を批判したり欠点を揶揄したりしないといけない。「弱者を労われ」と教育されてきた我々にとって逆差別が足枷となりそれは心理的ハードルが物凄く高い。本当に自然にそういうことができる人々は極一部だと思う。それを認めたうえで我々に何が出来て何が出来ないか、一つの答えが本書のなかにある。
先天緑内障で視力を失う恐怖を味わい、無謀とも思える司法試験に挑戦し、絶望のなか -
Posted by ブクログ
会社の上長に薦められて読んだ一冊。
全盲というハンデを持ちながら、弁護士という最難関の資格・職業を目指した方の、想像もつかない努力や背景に興味を惹かれて読みました。
努力の仕方やノウハウを記したものではなく、
著者やその周りの方々との今までの経緯を綴った一冊でした。
【内容の抜粋】
・全盲の子を授かった両親の覚悟と愛情
・人は無意識のうちに「自分にできるのはここまで」と限界を線引きしている
・障がい者が社会に出て自立するチャンス、努力の機会すら与えてもらえない人間が、現実として存在する
・人間はいろいろな人との関わりを通じて自分の立ち位置を確認する生き物。だから、閉じられた -
Posted by ブクログ
読む前から想像はついていたけど、溢れる涙は抑えられなかった。
拘置所で「所持金が底をついて、世話になった知人に出す葉書も買えない」とため息をつく万引きの常習犯の言葉を聞いた帰り際、財布にあったなけなしの2千円を係官に託す著者。
被告人が派遣切りを恨んで無言電話を続けた相手の男性社員に代わりに謝罪に赴き、「本当に申し訳ないと思っているなら、土下座でもしてみろ!」と言われて土下座する著者。
「この訴状の書き方は何だ! お前それでも弁護士か!」と、健常者と差別なく厳しく指導するボス弁。
何かお願いすると「はいっ。分かりました。先生、これでいいでしょうか!」と、依頼者の前ではさも著者が大先生で -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本で三人目の全盲の弁護士の著者。
弁護士の仕事、小さい頃の話、司法試験合格までの道のり、そして最後の章では全盲のパートナーと子供さんの話が書かれていました。
著者は夫の高校時代のクラスメイトなので、私はお会いしたことないけど、すごく親近感を持って読みました。
作中に、ものすごく大変なことを自分で必死でやるよりも、ちょっと手を貸してあげよう、そう思ってもらえる自分になりたい、と言った記述があります。
これ、まさに私が本を読んでいて感じたことでした。
見えないハンディを必死に努力でカバーしてる様子が描かれていて、こんな素敵な人ならきっと周りに協力してくれる仲間がたくさんいるんだろうなと思った -
Posted by ブクログ
全盲の弁護士 大胡田誠さんのドキュメント
「見える」人でも難しい資格に挑戦し、結果を出したこと。
そしてその後も弁護士として健常者と同様に
「普通に」勤務されていること、どちらにも驚きがあった。
見えない人を考えて試験問題を作るわけでは無い事
多くのボランティアが翻訳すること、
誰かに協力してもらわなければ難しいこともあるようだが
大胡田さんの前向きな姿勢に皆彼を助けたくなるんだろう。
「一人で何でもできる力を身に付けるよりも、
周りの人に「力を貸そう」と思ってもらえるような自分になろう」
「同じ努力ならそちらの方が大きなことができる」
人に頼むより自分でやることの方が、「らく」なこ