蓮行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
副題に演劇ワークショップのすすめとある。 平田オリザと連行(れんぎょう)の共著。どちらも劇作家、演出家です。 題名からも推察できるように、この本では”コミュニケーション能力が仕事に役立つというノンキな時代ではなくなり、コミュニケーション能力が高くないと仕事にならない時代になっている”と述べています。 そのためには、コミュニケーションの集積である演劇という力を仕事に生かして、コミュニケーション能力の向上を図ろうというもの。 劇作家であるだけに、演劇ワークショップの具体例が戯曲で掲載されています。また研修などで使えるゲーム感覚のワークも紹介されています1。 実際、これらを読んでみたが、正直しろうと
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Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
ほんとうのコミュニケーション力とは、その場の空気を読む力などではなく、お互いの差異を摺り合わせる能力のことだ。
その力を根本から訓練する「演劇ワークショップ」の理論と理念を、現代演劇の旗手平田オリザが平易に語る。
そして全国的にも珍しい「プロ劇団」の代表である蓮行が、そのプロセスをドラマチックに開陳する。
さらに、世界中から注目を集めているフィンランドの教育メソッドにも演劇が取り入れられているといった興味深い事例や、「あくび卵発声」などの具体的なノウハウも満載。
[ 目次 ]
第1章 コミュニケーション力と演劇
第2章 K社を変えた劇的セミナー
第3章 仕事に役立つ演劇力
第4 -
Posted by ブクログ
急に演劇的なワークショップができるようになるわけではありませんが、
(たぶん)
演劇がグループをチームにするそのわけや
具体的な事例をリアリティーを持って体感できる一冊。
ワークショップでは、
「これってなんのため?」なんて感じるワークがあったりしますが、
その目的がわかって、すっきりします。
また、やっぱり「コミュニケーション力って何?」と思う。
それは、
コミュニケーションスキルを効果的に使うことではなく、、
心地よい関係を作るためのエネルギーを正しく使うことなんだなぁ~ということがわかります。
そこに誰にでも万能なやり方があるのではなく、
その人にしかないやり方がそのチームごとにある -
Posted by ブクログ
<要約>
役割を演じる体験を通じて、自己と他者が違うことを知り、違うからこと対話と合意形成が重要だと学ぶのだ。
<感想>
同質の人間で構成された共同体では議論が発展しない。本来共同体とは、他者理解と合意形成を経て共通のルールを共有する集団である。その前段をすっ飛ばしてルールのみが存在する共同体にコミュニケーション能力は必要なくなる。それが日本の旧い会社組織である。これから国際化が始まる日本において必要とされるのはコミュニケーション能力であり、役割を演じるという体験が重要になるはずだ。
同じ価値観の人間の中に「異文化=フィクション」を持ち込むことが有効なのだ。
<アンダーライン>
・合意を形 -
Posted by ブクログ
学校でも、会社でも、学生の就職活動でも、どこへ行っても「コミュニケーション力」が問われる時代、そもそもコミュニケーション力とは一体どういうものか。
単に、他人と簡単に打ち解けられるとか、人前で上手にプレゼンをして人の心を掴めるとか、むろん空気を読むのが上手いとかそういうことではなく、意思の疎通が上手くいかない場面で「どうにかする力」であり、それを身につける(あるいは、そもそも持っている力を引き出す)ための訓練として演劇ワークショップが使えるよ、というのが本書の趣旨。
『インプット、感じ方は人それぞれでいい。バラバラなほうがいい。でも、それだけでは社会生活が営めない。何らかの形で集団で共有で