荒木博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こちらでの評価が高かったので手に取ってみました。努力を四段階の階層に、努力と報酬の相関関係を九つの神話に分けて分析した内容になっています。
九つの相関関係に各々「自動販売機型」や「ホッケースティック型」と名付けて本や漫画、現実世界での出来事含めながら分かりやすく解説してくれて面白かったですが、わたし的にはこの部分をもうちょっとサッパリ目に書いてもらって、その分、最後の「認知の多様化」の部分をもっと厚めに書いてもらった方がよかったかな…と思いました。我々はこの「努力は報われるのか」という古来より数知れず問われ続けた問いに自分の中で結論を出さないとなので。
と少々ネガティブなことを書きましたが面白かったです。時々ヤマトタケルみたいな人物の絵が出てくるので何かな?と思ったら著者先生ご自身が描かれたものだったんですね。可愛かったです。
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Posted by ブクログ
本との付き合い方について書かれた本。
本書の「はじめに」には、以下のように書かれている。
「まあ、読書法は究極的にはケースバイケースですね」(p2)
この本は、あるべき読書法のようなものを一切示しておりません。(中略) 「本とどう付き合っていくのか?」ということに対するコンポーネント(※部品)をまとめたものです。(p6より。※は評者による補足)
また、「『必殺読書法』のような奥義は存在しない」という小見出しの部分には、こう書かれている。
自然体に読みたいように読む。これしか答えはありません。(p143-144)
以上のことから次の2点がわかる。
1.細切れの読書論の寄せ集め。
2.具体的な読書法は書かれていない。
1について。
全体を眺めて見ると、部品をきちんと組み立てて製品をつくるのではなく、単に部品を集めただけという印象を受ける。これは、著者が意図したことである。「はじめに」でも書かれていた通りだ。著者はこれを「庭師的なものの書き方」とも書いている。建築物のように設計書ありきで書くのではなく、自分の内側から育ってきた言葉を頼りに、外側からハサミを入れていくようなイメージ(p210)とのことだ。何とも抽象的な表現だが、その方が、"自分の頭で考える"ことを促進するのかもしれない。
2について。
まったく読書法が書かれていないわけではない。アウトプットファーストの読書法「アムロ読書法」(p113)は読書法と名付けているし、具体を抽象化してから再度具体化するという「具体と抽象の三角跳び」(p135-140)も、問い育てる読書法といえるだろう。
いま、「具体」と「抽象」という言葉が出てきた。本書は「具体と抽象」がキーワードとなっており、頻繁に出てくる。これが本書のキモである。目の前にある具体的なものを抽象化し、思考の次元を上げるというのが、著者の考え方の根底にある。
著者は、どんな本でも抽象化して考えれば、自分にあてはまるものになるという。本書の言葉を引用しよう。
どれだけ異なるカテゴリーの本であっても、抽象度を上げれば自分と「航路」がつながる。その意味で、自分と関係ない本は存在しないのです。(p123)
たしかに理論上はそうかもしれない。しかし、それは理想論であり、やや強引な理論に感じる。実際には、そう上手くいだろうかという疑念が残る。
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読書において重要な要素の筆頭に挙げられるのは、どの本を選ぶか、つまり選書の方法である。本書における選書法は、本を以下の3種類に分類するものである。
1.新たな問いに対する新たな答え=「問いの発見」
2.既存の問いに対する新たな答え=「答えの発見」
3.既存の問いに対する既存の答え=「既知のリマインド」
この3つを今の自分の状況に合わせて、バランスよく組むことを提案している。
読書論の本では、読む本を「既知」と「未知」の2つに分類している本はわりとよく見かける。本書では「未知」が2つに分けられているが、概念自体は新しいものではない。
私は読書をテーマにした本を何十冊も読んでいるので、本書は「既知のリマインド」に該当した。ただ、ここで考えたいのは、本書を選んだのは、知っていることを確認する目的で読んだわけではないということだ。まだ知らないことも書かれているかもしれない。そう思って読んだのだ。
つまり、選書の時点では「答えの発見」の本だと思って選んだが、結果としては「既知のリマインド」の本だったのだ。
3つをバランスよく読むのは、本を選ぶ時点では揺らぎがあるため選書法としては不完全だ。
ここまで書いたことをまとめつつ、結論めいたことを書いて終わりにしたい。
「具体と抽象」及び「問い」が本書の核になっている。掘り下げて考えるというスタイルではないため、踏み込みが浅いと感じる部分もある。その代わり、自分で考えるきっかけは多いともいえる。読書について、何かヒントを探している人であれば、何かしら得るものがあるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
以前同じ筆者による、古今東西の製品の失敗例の本を読んだ。本書はさらにスケールアップし、会社自体の失敗例を集めている。絶頂期を迎えた後に急坂を転げ落ちるように破綻した例も多い。
度々本書で言及されているように、後から振り返って「あれが分岐点だった」「あの判断が間違いだった」と言うのはたやすい。それぞれの事例で本が一冊以上書けるくらい、その分岐点では様々な葛藤があったことは想像に難しくない。
市場の変化や戦争など抗いようが無い原因も多々あるが、やはり倒産に至るには「必然」があるようだ。倒産に至らないまでも日々大小の失敗がある我々に教訓を与えてくれる。 -
Posted by ブクログ
古今東西(20世紀中心)の大きな期待を背負いながら巨額の損失を出して失敗した製品の背景とその後の顛末を紹介している。事例はいずれも世界的な大企業で尚且つ「攻めた」製品のため、失敗のスケールも数百億、数千億円単位だ。
失敗の原因は様々。トップの判断ミス、製品の不具合、顧客とのコミュニケーションミスから、国家レベルの経済危機で抗いようのないものまで。失敗の結果、会社自体がなくなってしまった悲惨な例もあるが、失敗を糧に次のプロジェクトで成功した事例も多い。
自分個人の仕事や携わったプロジェクトでの失敗経験を思い出しながら読んだ。スケールは違えど、やはりそれぞれに「あれが原因だった」と思い当たる要素がある。同じ失敗をしないだけでなく、本書にある事例のように後の成功に繋げたいものだ。