大野茂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
1950年代終わり、高度成長の入り口に立った時代の空気を察知した小学館、講談社は週刊少年誌創刊に向けて始動。
早くも激しい先陣争いを展開した結果、サンデー、マガジン2誌同時創刊に至る。
線の太く丸いメジャー漫画家の獲得、“さわやか”イメージ戦略、正統派ギャグ漫画路線を掲げるサンデー。
他方、マガジンは、原作と作画の分業体制、情熱的な“劇画”路線と巻頭グラビア大図解を展開―それぞれ独自の方針を掲げ、熾烈な読者獲得競争を繰り広げた。
本書は、両誌の黄金時代を現場で支えた男たちの人間ドラマに迫る。
元編集者の証言は、私たちにスリルと多くの知恵を与えてくれる。
懐かしい名作やブームの裏話 -
-
-
Posted by ブクログ
少年サンデーと少年マガジンの創刊からの15年間を、漫画文化の隆盛と共に振り返る。高度成長期の熱気を週刊漫画誌を舞台に追いかけており、当時の不安定ながらも希望と熱気に満ちていた社会の様子が伺える。
「結果的に成功した」話を題材にしているとは言え、関係者達がいずれも「必ず読者の心を掴む」と信念を持って仕事に取り組み、それが時に激しい賛否を生みながらも漫画雑誌を世に広めていっている。
人気漫画家の囲い込み、その逆に新人(現在では大御所)達を発掘したり粘り強く談判して作品を仕上げてもらったり。そして、今より遥かに規制が緩やかだったはずの当時でも、旧世代や保守派との軋轢を乗り越えて作品を世に出し続け