あらすじ
47都道府県の魅力度ランキングで常時最下位争いをしている佐賀県。そんな佐賀のご当地アニメが企画されたのは2014年。一つの県全体を舞台に、しかもその県内だけでストーリーが進むという酔狂なご当地アニメは前例がない。その上、ゾンビでアイドルという、二律背反にも程がある設定だ。この勝負、どこから見ても、勝ち筋が見えてこない。“ご当地もの”が乱立し、死屍累々となった中から、なぜ『ゾンサガ』だけが全国レベルでの、それも一過性でなく、2025年には劇場版公開に至るという持続可能なコンテンツとなったのか? メディア論の第一人者が徹底した現場取材と関係者のインタビューを踏まえて説く。
【著者プロフィール】
大野茂(おおの・しげる)
阪南大学教授(放送・広告・キャラクター・音楽産業)。
1965年、東京都生まれ。慶応義塾大学卒。電通のラジオ・テレビ部門、スペースシャワーTV/スカパー!出向、NHKを経て現職。番組に『どーも』くんシリーズ、『スタジオパーク』、『magねっと』、『AR三兄弟の野望』、ETV特集『日本SFの50年』、米ドラマ『Pan Am/パンナム』日本語版の制作など。
著書に、『サンデーとマガジン 創刊と死闘の15念』(光文社)、『2時間ドラマ40年の軌跡・増補版』(東京ニュース通信社)など。
発行:ワニ・プラス
発売:ワニブックス
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Posted by ブクログ
佐久間大介の聖地巡礼ツアーの話まで入っててびっくりした。これを読んだあとにアニメを観ると一時停止しまくって細かいところまでじっとりと観てしまう。大好きなゾンビランドサガをまた違う視点で楽しめて嬉しい!
Posted by ブクログ
佐賀を舞台にしたゾンビ×アイドルアニメ『ゾンビランドサガ』の制作舞台裏を取材した本。
2018年にアイドルアニメが飽和しきった環境の中で放映され、異例の設定・展開と異様な熱量とで話題をさらい、その後も何やかんやで生き延びて遂に2025年には劇場版公開までこぎつけた、ご当地アニメ・しかもオリジナルアニメとしては珍しいロングランコンテンツ。
この風変わりな作品はどのように作られたのか。
制作会社のMAPPA、企画のサイゲームス、音楽のエイベックス、原画家の深川氏、佐賀県庁職員、唐津市職員、そして地元の人々・・・・と制作に関わった多彩な面々のインタビューを積み重ねることで、その制作の歴史を追った一冊である。
ファンなら間違いなく読んで損はない。
「ああ、やっぱりね」と頷けるところも、「えっ、そうだったの?!」と驚くところもたくさんあった(特に声優陣が2名を除いて仕事での音楽活動経験がほぼゼロだったという話)。
また、私自身はあまりアニメを見ないほうなので、そもそもアニメの制作過程や現場の流れ自体を初めて知れたのも楽しかった。(めちゃくちゃハードな仕事の仕方だ・・・)
良いものを作りたい。ありきたりではないものを作りたい。でも、子どもを含む視聴者や佐賀の人たちに愛される作品であってほしい・・・。そんな熱量が、色々な偶然にも助けられながら関係者の間にどんどん伝播していき、現場に渦巻いた「本気」が、作品の登場人物にリアリティを生み、見る人に共感を生み、特に地元佐賀で長く愛されるに至ったのだと思えた。
ゾンビランドサガのファン向けの本としても、良い作品をチームで作る一つのモデルケースとしてビジネスに生かす視点で読んでも面白い一冊だった。
Posted by ブクログ
アニメ「ゾンビランドサガ」の誕生から現在までを、関係者のインタビューで構成したオーラルヒストリー。作品がどのように企画・制作され、そして地域に受け入れられていったかを、演出家やキャラクターデザイナー、制作設定、制作進行、声優、音楽担当者、佐賀県庁や唐津市の職員など大勢の生の声で生き生きと描き出している。こんなにも多くの人の努力と願いから「ゾンビランドサガ」が生み出されたのかと思うと、一段とテレビ番組や映画が愛おしくなった。