矢崎源九郎のレビュー一覧

  • 人形の家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    イプセンはウェルメイド・プレイの構成生かし、自己認識と独立を現実的に反映するために劇という象徴を用いて理想主義のもろさを明らかにしている。

    観客が、この戯曲が女性の解放を表している作品であるという先入観に縛られ続けているため、ウェルメイド・プレイであるという構成が、同じ結末を保証するものではないということを忘れていることを暗示している。
    作品の大半ではノラが完璧であろうという家族像にしがみついている様子が描かれている。従って、観客はこの戯曲の理想的な結末がどのようなものであるべきかを振り返り、結局ノラの家出がこの戯曲の山場、すなわちクログスタッドとの対立・衝突を解決しているか否か、その判断が

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    2024年01月04日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    一気に読み終えた思わぬ結末に愕然とした。ノラは恰好いいのか?酷いのか?
    私は、張り倒してやりたくなる。女性は人形で居てほしい。
    私は世間を敵に回してしまったのだろうか?
    イプセン:江戸末期生誕に驚く。 尊王攘夷と騒いでいる日本 鎖国で平和を得たが
    大きな何かを失った

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    2020年05月15日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    戯曲という変わった文体にも関わらず、内容に引き込まれて一気に読み切る。夫婦関係に何の疑問も持たず幸せに過ごしていた女性が、ある事をきっかけに、違和感、息苦しさを感じ、本来の自分を取り戻していく。爽快感さえ感じるほど、共感できた。

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    2020年04月30日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    1879年に描かれた女性と夫の物語
    主人公の「極端とも思える」行動は
    女性解放あるいは男女同権というとりかたはもちろん
    今日現代現在においても夫婦のありかたに続いている
    男性は主人公の立場になって
    女性は夫の立場になってわが身に思うことが今でもできるだろうか
    誰しも自身だけで判断する正しさからは逃れられないものであり
    優れた作品は異なる他者というものを思い出させてくれる

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    2018年11月13日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    全然イプセンなんか興味なかったのに、なぜか産休の時に買っていた。それから4回くらい読んでるけど、毎回、途中の『夫に秘密がばれてしまう』というところだけ覚えていて、結末を全く思い出さないで再読している。今回は3年ぶりくらいかな。また、『なんとなく』手に取った。

    イプセンはノルウエーの戯曲家で、板垣退助張りの髭のおじさん。かのおじさんが、ここまで女性の真髄を表現しているとは!私も女として年を取るたび、『女』がいかなる生き物であるか、自分を含めて解ってきているはず。読むたびに新しい発見をする。一般的には、婦人解放の思想と解釈されているようだけど、今回は、ヒロインのノラが、女の持つ多面性の平面でなく

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    2017年06月17日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    妻は夫の人形であり、子どもは妻の人形である。
    ノラは語らなかったが、結局、夫たるヘルメルもまた、妻の人形でしかなかったのではないだろうか。
    そう考えると、人間でも、人間の人形でもない、人形の人形が最初に「人間」に目覚めるのは、なんとも皮肉にも思える。
    そんな遊戯の欺瞞に気づいてしまったからには耐えられず出て行くのも、納得がいくというものだ。

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    2014年09月24日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    あの時代に近代劇を描いたイプセンはすごい。

    あの時代の男尊女卑は正常という認識だったはず。
    それはきっとどこの本屋さんに行っても、それを推奨する本が山ほどあったはずだ。

    それを、妻ノラは自分の心の声、本当の気持ちにやっと向きあった。

    フィクションとは言え、あの時代に本当の正しさを再確認し発信することはとてつもない勇気だと思う。

    私がきっとあの時代に生きていて、この本を読んでいたらボロボロ泣いていたに違いない。

    ノラは、あの時代の苦しい思いをした女性たちの代弁者だから。

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    2024年11月03日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    イプセンが目の前で見た女性の参政権関連の運動へのインパクトが伝わってくる。今考えるとまずい表現は多々あるけど、やっぱり本作が書かれた時代を考えるとすごいなと思います。

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    2022年10月02日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    私は最後まで面白く読んだけど、母は「あまり良い話じゃなかったような気がする」と言ったときに、世代のような気もしたけど、母も伊達に子どもを育てたわけじゃないよなと思った。

    ノラのように人形を演じなければならなかった女性はどのくらい居たんだろう、どのくらい居るんだろう。私も彼女のように突然ふっと目が覚めて、あるいは夢を見て、それまでと正反対の行動を取ることがあります。いつも人並み以上に感情的なようで突然無情になってしまうことがあります。人形の家は、私にとって身近な物語だった。

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    2022年04月15日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    相手の思い通りになる「人形」である限りにおいて愛されてただけなんだと気がついたときのあの絶望感。思い出して苦しくなり、終盤は奥歯を噛み締めながら読んだ。
    ノラの台詞に父から夫へ受け渡された、みたいな言葉があり、「あの子は貴族」にも似たような台詞があったので思い出した。もしかしたらあの子は家族はこの作品にも影響受けている?シスターフッドがある分あの子は貴族のラストの方が爽やかだけど、併せて読むと面白いのかも。
    中盤までの主人公ノラはあまりにお馬鹿に見えるんだけど、「目が覚めた」後は教育がないなりにものすごく聡明で、こういう面を父や夫に抑圧されていたんだな、本来の彼女はこっちなんだな、と分かる。

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    2022年02月20日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読みやす〜い!
    ノラの態度が最後で劇的に豹変したように見えるが、彼女が言う通りそれまでの彼女は演じていただけなんだろう。
    「あたしは何よりも先に、あなたと同じように人間であると信じています、ーーいいえ、むしろ人間になろうとしているところだといったほうがいいかもしれません。」

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    2021年11月26日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    セリフ本だから少しばかり読むのが面倒だが、ふわふわ生きているノラが最後はしっかり自分の意思を持っていることが印象に残った

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    2021年04月09日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    「人形の家」は1879年にノルウェーの劇作家イプセンが書いた戯曲だ。雑に言うとモラハラ夫の偽善に気付いて主人公の女性(ノラ)が家を出るというストーリーである。タイトルにある「人形」はバービーのような実際の人形のことではなく、あたかも人形のように愛でられ、家庭に縛られていたノラ自身のことを指している。

    例えヨーロッパといえども、140年も昔には女性の立場は今よりも弱かったと思うのだが、しっかりと自分の言葉で夫に別れを告げ、自分の足で立ちたいと言って人生をリスタートするさまは爽快感がある。

    最後に家を出る直前、ノラは初めて夫に向き合い、自分の考えをぶつける。ここで語られた思いが時代を飛び越えた

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    2020年11月23日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    夫は妻を自分の所有物の如く思い込んでしまう。主人公のノラは、ある事件への夫の対応から、自分の立ち位置、自分がいかにそのことに盲目であったかに気づく。人生にどう接するか。ノラの態度に賞賛を贈るか、夫のみならず三人の子どもまでを見捨てていくのは自分勝手と非難するか。強烈な投げかけが、短編ゆえに効いているようだ。2020.3.22

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    2020年03月22日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    女性の自立への目覚めを描いた戯曲。
    古さを感じさせず面白かった。

    ノラは父からも夫からも人形のように可愛がられ、お嬢様育ちの世間知らずのまま大人になってしまった女性だ。専業主婦といえるが、女中や乳母がいるので家事や子育てでもそれほど苦労していない。傍から見るとなかなか「いいご身分」なのである。

    世間知らずゆえに犯した過ちによってノラは窮地に陥る。そして自分の無知や、周囲の人々に影響されて自立へと目覚めてゆく。

    「あたしがこんな何一つできない女になったのも、みんなあなた方の責任です」

    ノラが言い放ったこの言葉は、戯曲が発表された19世紀後半にかなり物議を醸したのではなかろうか。社会によっ

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    2015年01月20日
  • 人形の家(新潮文庫)

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     フェミニズム事始め。賛否いずれの立場にあっても、女性差別・女性解放論の基本的な枠組みを提示した出発点として、何より演劇史上の歴史的・記念碑的古典として今後も顧みられるべき作品。

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    2014年08月02日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    史上最高小説100の一冊。シェイクスピア以後、最大の劇作家といわれるイプセン。その代表作であるのが「人形の家」である。まだ戯曲といえばソポクレスの「オイディプス王」「アンティゴネ」、エウリピデスの「王女メディア」、そしてゲーテの「ファウスト」しか読んでいないので、近代劇となると初めてということになる。舞台は100年と少し前ぐらいのヨーロッパ。資本家の夫を持つノラは、銀行の頭取に夫が就き、今後の生活の華やかさに心躍らせる女性である。しかしそんな地に足がつかないような半妄想的な生活の最中、過去の金銭の貸借についての不手際が持ち上がり、またそれが夫の名誉を地に落とすような類のものであったので、すべて

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    2014年05月27日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    裏のあらすじを引用すると…
    小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の署名を偽装して借金をしたのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラを愛するが、ノラは人形のように生きるより人間として生きたいと願い、三人の子供も捨てて家を出る。


    ヘルメルがノラを愛していることは分かるが、女はバカで可愛ければ良い…というか。そういうのが現れてたのかな、なんて。
    ノラが夫婦なのに、今まで真剣に話しをしたことがなかったと言う場面があるが、彼ら二人は夫婦ではなく、ノラの言うように人形ごっこをしていたんだな、と思

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    2013年08月22日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    母親なのに子供置いていくのはどうなの?と思ったが、そもそもこの考え方が女性に特定の役割を期待するものであったことに気がついた。知らず知らずのうちに差別意識を抱いていた。

    子供を置いていくなんて、などと反発が出ることも織り込み済みでこんな展開にしたのだろう。

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    2024年11月26日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なぜ家族の中で人形として扱われていたのに旦那の病気に 騙してまでお金を使ったのかが よくわからなかった。 気楽だからそのまま 演技し続けたかったのだろうか。 そこのところがうまく飲み込めなかった 。女性解放の 書とは 必ずしも 言い切れないと思う。それに過去のヨーロッパの話だが 現代日本でも実際にこういう話は多いんじゃないかと私は思う。 世間体でだけ存在して実際には腹を割って話し合ったことがない 夫婦のこと。

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    2024年02月06日