赤染晶子のレビュー一覧

  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    まずは本が薄くてびっくり。それはどうでもいいか。
    芥川賞受賞のときはけっこう話題になっていておもしろそうと思った記憶があったので即買い。
    うーん、さすが芥川賞っぽい純文っぽい不思議な感じ。わかるようなわからないような。おもしろいようなおもしろくないような。エンタメじゃあないからな。
    たぶん、ささっと読んでおしまいにするのではなく、じっくり何度も読むとよく意味がわかって発見もあるような気がするけれど。
    京都弁が印象的。ユーモアがあって文章は好きかも。

    1
    2012年12月27日
  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    女というのはつくづく面倒くさい生き物だなあ、と実感できる作品。それはもう怖ろしささえ感じるくらい。そのことをとても深い洞察で描かれた小説です。

    1
    2019年09月13日
  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    学生たちから「麗子様」と呼ばれている女子学生が「ほな!」とか関西弁使うところや、
    バッハーマン教授が、誘拐された人形にモーツァルトを聞かせてほしいと懇願するところなど、
    ユーモラスな場面がある一方、
    バッハーマン教授のアンネの日記考は考えさせられた。

    確かに、日本での「アンネの日記」の扱い方は、かわいそうな乙女の物語、というもの。
    この本で、アンネ自身のアイデンティティに関する記述もあったと知り、2年間もの潜伏生活を送る中で、よほど自分の心と向き合ったんだろうなぁ・・・と想像しました。

    1
    2019年08月30日
  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    2017.11.08

    「アンネの日記」が大好きだった女子学生が、大学のスピーチの授業と先生の指導を通じて、「アンネの日記」を再発見する物語。


    いつ読んだか忘れてしまった「アンネの日記」。学生の頃だったと思う。
    今思えば、歴史上の出来事というより、1つの物語として読み流してしまったように思う。

    ユダヤ人であること。アイデンティティ。
    そういうものを自分自身の問題として考えたことがない。
    日本人であること。
    自分は日本人なんだなって、改めて感じた経験がない。

    いつかまた、アンネの日記を読んでみようと思った。

    1
    2017年11月08日
  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    解釈の余地の多いお話という印象。高校などでこの本を題材に議論をしたら、きっと色々な意見が出て、面白いのではないかと思った。
    自己が確立されてきているけれど、まだ揺らいでいる、20歳前後の少女 …作中では「乙女」という呼称になっている…達が主人公。作者の出身校でもあるらしい京都外語大学のドイツ語学科に通う彼女達は「アンネの日記」を題材に、スピーチコンテストの練習に余念が無い。スピーチコンテストを主導する個性的なドイツ人教授や、スピーチコンテストに人生を掛けているかの如き女学生を巡る噂。
    色々なテーマが読み取れるが、やはり一番強く考えさせられたのは、自己…アイデンティティ…ということについて。アン

    1
    2014年03月14日
  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    外国語大学に通う「乙女」たちは『アンネの日記』の一部をスピーチコンテストで暗唱することとなっていた。
    『アンネの日記』の決まった一節を必ず忘れてしまうみか子、スピーチを生きがいとしているような麗子、帰国子女の貴代、そして風変りなバッハマン教授。「乙女」たちが見つけるアンネ・フランクとは、そして「自己」とは。

    うーむ…なんというか…とても勿体ない!!という感じの作品だった。
    試みていることもわかる、伝えんとしていることもわかる、でも何もハッキリとは見えてこない。

    思うに、『アンネの日記』の中でもとりわけ彼女のエスニック・アイデンティティが揺らいでいる部分を取り上げて、それを自分は日本人である

    1
    2013年05月14日
  • 乙女の密告

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞当時も気になっていたけれどなんだかずるずるとここへきて、たまたま文庫として発売されていたので読んでみました。本が薄いです。力を入れて書いているのは伝わってきたのと、畳み掛けがすごいです。気持ちによってはすごく嵌りそうな作品でした。

    0
    2013年02月02日