折口真喜子のレビュー一覧

  • 踊る猫

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    与謝蕪村を狂言回しに据えた9つの短編とデビュー作が収録されており、そのうち3回ほど泣かされました。たまにはスマホ弄りの手をちょいと休めて、江戸時代の幻想奇譚に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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    2020年04月05日
  • 恋する狐

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    前作「踊る猫」で与謝蕪村の人柄の良さにほれ込み、単行本化されるのをずっと心待ちにしていました。前作ほど前面に出てくることはないものの、より一層魅かれました。悲劇的な終わりが想起されるエピソードが意外な形に収まるのがとりわけ印象的でした。

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    2020年04月05日
  • 月虹の夜市

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    ネタバレ

    匂いとか音色とか気配とか、不確かで目には見えないものなのに、忘れ去られた遠い記憶を蘇らせるものに人は弱い。
    何故かは分からないけれど、心の奥を揺さぶり自然と涙してしまう。

    見えないモノが見えてしまう、不思議な力を持つお涼の周りで起こる摩訶不思議な連作短編の続編。
    この世とあの世を行き来する妖しいモノ達がお涼の元に引き寄せられるようにやって来る。
    第2弾も前回に負けず劣らず、ほのぼのとしたり切なくなったり。
    チャキチャキの江戸っ子のお涼の気っ風の良さがとても心地好い。
    お涼の父親・甚八の話にも泣ける。

    折口さんの描く「あやかし奇譚」はいつも優しい気持ちにさせてくれて外れなし。
    第3弾もぜひ書

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    2019年03月24日
  • 恋する狐

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    シリーズ2作目。9編の短編集。
    今回も蕪村が関わるちょっと不思議なお話がずらり。
    前作同様とっても面白かった。全てを受け入れる蕪村の懐の深さと朗らかさが際立つ。9作目の表題作は、してやられたり感が何とも小気味好い。
    それが解説によると夢幻能に長けているともっと楽しめるのだとか。
    調べてみたいものである。

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    2018年03月05日
  • 踊る猫

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    ネタバレ

    江戸時代の俳人にして絵師の与謝蕪村。
    蕪村の見聞きした摩訶不思議の出来事を綴った幻想奇譚。

    蕪村の怪異に対する目線がとても柔らかいから、どれも優しく温かな気持ちになれる。
    切なく泣けるものも多かったけど、読後は爽やかで清々しい。
    不思議を不思議と真っ正面から受け入れて愛おしむ。
    蕪村の案内で素敵な時間を過ごせた。
    続編の『恋する狐』も是非読みたい。

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    2017年08月17日
  • 踊る猫

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    ネタバレ

    短編集。与謝蕪村とその旅先で出会った人・もののけについて。鷲と烏がいい。蕪村シリーズではない、受賞作もすごくいい。

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    2017年06月01日
  • 踊る猫

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    句や詩を創る旅の途中やら京に戻った後やら与謝蕪村が見聞きした不思議な物語の連続短編集。
    面白かった。
    河童、雪女、月の兎にウブメ。妖達のお話なれど人情味が溢れていてあたたかな雰囲気が漂う歴史ファンタジー。自然の描写も美しく、最後の梅と鶯はなんとも切ないなかにも梅香り立つ艶やかさはお見事でした。
    あの句の背景にこんな事があったのかなどと蕪村に詳しかったらもっと楽しめただろうに無知が故に損をしているのかもしれない。それでも小難しい事は全然なくゆっくりじっくり楽しめた。
    きっとこの先何度となく読み返すであろう一冊に出逢えた喜びは大きい。

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    2017年03月21日
  • 恋する狐

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    バイト先の方が貸してくれた本にこの本があって、普段読まない分野だったけど読んでみました。
    1話1話が夢中になって読んでしまう話で、ほっこりしたり、なにかしら気持ちが動かされた気がします。

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    2023年07月14日
  • 月虹の夜市

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    書き下ろし

    不思議系の人情話8話が、前後して繋がっていく。

    日本橋の船宿の女主お涼は、神やあやかしが見える不思議な力があり、いろんな不思議が寄って来る。この力は祖母の志乃、父の甚八から受け継いだもの。
    お涼は猿田彦命という神様から「嫁にする」と言われているのだが、猿田彦は嫉妬深く、お涼が寺子屋で一緒だった吉弥に会っていると邪魔しに来る。
    田の神様が伐られた木を探すためにやって来たり、蹴鞠の神が捕らえられた蹴鞠の精を救い出させようとしたり、古い笛の音に乗って出てくる精と話したりする。
    父甚八も、亡くなって常世にいる母を会い、今は船宿の船頭になっている銀次が萱原を見に来ると、萱の穂のうえで女神

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    2019年03月01日
  • 恋する狐

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    ほぼ表紙買いだったけれど、
    求めていた、不思議系のお話!
    蕪村さんがいるのだけ共通した短編集で、
    電車ですいすいーっと読める本。

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    2018年01月29日
  • 踊る猫

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    江戸時代の俳人にして絵師の与謝蕪村が出会う不思議で人情味あふれる物語を集めた短編集。
    それぞれ妖怪や怪異が絡む話だけど恐ろしさはなく、優しいもしくは切ない物語。
    『雪』と『夜の鵺』は特に切なくてホロッときてしまう。

    ほんのり暖かい気持ちになれる本。

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    2023年08月09日
  • 月虹の夜市

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    船宿あやかし第二弾です。
    前作は女将・お涼が見えないものが見えてしまう
    不思議な者を呼び寄せる…という短編で、あまり
    お涼の事を深く掘り下げず何故?というモヤモヤが残って今一つかなぁと思った。

    今作はお涼や父親の過去を振り返る短編で、色々な疑問が解消された一冊でした_φ(・_・

    なるほどスッキリ♪
    ちょっと面白くなってきました!

    続きあるのかなぁ?

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    2023年02月08日
  • 月虹の夜市

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    シリーズ第二弾。
    船宿〈若狭屋〉を舞台に描くちょっぴり不思議な人情噺・八話が収録されています。

    前作同様、“連作”ではあるのですが、時系列ではなくて、第四話までは〈若狭屋〉の女将・お涼メインの話。第五話以降は過去の話という構成になっております。
    イメージ的には第四話までが本編、第五話以降はスピンオフみたいな感じですかね。
    今回は、お涼の父・甚八の両親の話まで遡っており、家族のルーツを辿るように、本編との繋がりを楽しむことができました。
    第六話「痣」は、甚八の育ての親的な存在だったお慶さんの人柄にジーンとくる話で、甚八と小春の馴れ初めも良かったです。
    そして、第二話「約束」ではお涼と吉弥との甘

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    2023年02月04日
  • 踊る猫

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    画家で俳人の与謝蕪村が見聞きした“奇譚”九話と、著者のデビュー作である独立短編一話が収録されています(計十話)。

    「日本昔ばなし」が大好きだった私には、本書のような妖かしだったり、現世と異界との狭間が感じられる話はどれも好物なので素直に楽しめました。
    中には第五話「雪」のような切ない話もありましたが、蕪村さんの柔らかで優しい物腰もあってか、全体的に温かな雰囲気です。
    第七話「鳶と烏」には、妖怪は出てこないのですが、偏屈な遣り手婆の心を開いていく蕪村さんは、さながらカウンセラーのようで、爽やかな読後感のお話でした。
    独立短編の第十話「梅と鶯」は、切ない幽霊の話なのですが、哀しい中にも優しさや美

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    2021年08月14日
  • 月虹の夜市

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    江戸は浅草川に浮かぶ島、箱崎。多くの船や荷が行き交うこの地の川辺で、お涼は女将として小さな船宿を切り盛りしている。父親譲りの見えてしまうたちのせいか、面倒見の良い人柄からか、お涼はいつのまにか集まってくるあやかしたちの世話をつい焼いてしまうのだった。探し物をしている片目片足の小僧、小さな蹴鞠の神様たち……。あちらとこちらの世界をつなぐ不思議な船宿を舞台に贈る、愛おしいあやかし譚。

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    2019年05月30日
  • 踊る猫

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    Tさんのお勧め。

    あまり面白くなかった。
    妖怪物は嫌いじゃないのに、与謝蕪村に興味がないからか。

    最後の「梅と鶯」は悲しい話だけど良かったな、
    と思ったら蕪村が出てきてなかった。

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    2018年03月03日