重信メイのレビュー一覧

  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    とくにチュニジアでは、高い教育を受けても、コネがなければ路上で野菜を売ることでしかお金を得る手だてがありません。しかも、そのささやかな仕事も国から取り上げられてしまう。その一方で、私腹をこやしている政治家や官僚、その家族がいるのです。  不満がたまっていたところに、爆発するきっかけがあって、大きな運動に盛り上がっていきまし

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    2023年07月18日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    アラブの春

    チュニジアに端を発するアラブの春のきっかけから、周辺国での波及の様子をまとめた本。鍵はメディアだ。
    フェイスブックがあったからこそ、1人の青年のアクションが同志へ波及したし、インターネットの力が認められることで、政府が政治の道具としても使うようになってきた。
    チュニジア、エジプトの革命は市民によるものだが、シリアやリビアは周辺国の代理戦争の場となってしまった。
    アラブの問題は単なる宗派の対立ではない。貧困、差別、弾圧といった生きることすら危うい人たちが必要に迫られて起こしたデモがアラブの春である。そしてそれを、伝えるメディアが良くも悪くも使われた。
    私たちは、メディアの報道を注意

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    2018年10月22日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    アラブの世界はとてつもなく広く、とてもひとくくりには議論できないことが良く分かった。

    アラブから遠く離れた日本では、アルジャジーラの様な大手メディアを通じての情報が主になる。しかし、著者はアルジャジーラが決して正しい報道をしていないと指摘する。

    宗派、族、敵対関係etc. アラブ世界の複雑さをしる入門書として本書を捉えるならば、良書である。
    今なお続いているアラブ世界の混迷。様々な立場から数多くの情報が入って来ることに期待したい。情報の母集団が多くなれば、きっと真の姿が浮き上がってくるはずだ。

    また、数奇な人生を歩んでいる著者の今後の活動にも注目していきたい。

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    2015年05月17日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    面白かった
    目次がうまい
    若干、穿った見方をすれば陰謀論を語っていると言えなくもない感じだが、読みやすかった

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    2014年10月21日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    その混乱は独裁者のためではなく、まして宗教や、その宗派のためでもない。そこには自分たちとそう変わりない人たちの、いたってありふれた生活があり、ごく当たり前の怒りと悲しみがある。実は、その混乱は、どちらかといえば、外側の、つまり自分たちの無知、偏見によるところが大きいのではないか。メディアの発達により、自分たちは遠く離れた多くのことを見ることが出来るようになったが、一方で、見ることによって、知らず知らず加担してしまっている。戦渦のいよいよ拡がる中、自分たちにまずできること、それがこの一冊を手に取ることである。

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    2013年03月02日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    著者は、重信メイ。赤軍リーダーの重信房子がパレスチナに亡命し、現地パレスチナ人との間に生まれた娘らしい。

    頭のいい人の書いた文章は、分かりやすい。中東情勢の報道に、自分なりの考えをもって臨めるようになるのが楽しい。カダフィやアサドの実情が触れられる。カタール政府から援助を受けるアルジャジーラの報道の真偽、よく考えた方がいいようだ。アサド政権やカダフィ政権は悪、なぜ早く降伏しないのだろう、と思わされていた。中国やロシアが国連で異を唱えるのも、欧米主体のメディア戦争に、自国の立場、国益がそぐわないためだった。

    大切なのは、アラブの人たちだって、人間らしく住みやすい社会で生きたい、という思いに変

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    2013年02月24日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    サッカー仲間のアシシ氏が推薦していたので読んでみた。
    昨年秋にはじめて中東に行き、中東(アラブ)という文化に衝撃を受けた後に、この本を読んで更に中東(アラブ)の文化が知りたくなったし、また中東に行きたくなった。

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    2013年02月18日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    チュニジア、エジプト、リビアで起こった民主化革命について、それぞれの国がどのように独裁政権が崩壊していったか、黒幕がどこで、どうやって情報操作が行われていたのか、現在進行形のシリア情勢が、なぜ「革命」ではなく「内戦」と評されるのか、などを正確に知りたい人は必読。
    この本には、マスメディアでは絶対に語られない真実が記されています。
    サウジやカタールという「金満諸国」がこの「アラブの春」にどのように関わっているのか、等についても説明されており、アラブ諸国の今を網羅的に知ることができます。
    著者が中東生まれで、ここ数カ月取材で中東に滞在してたジャーナリストなので、かなり説得力ある本です。中東に行った

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    2013年02月13日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    中東に長らく在住していた方の視点という意味で、従来にない価値観を期待して読んでみました。日本に蔓延る"イスラム原理主義者イコールテロリスト""イスラムイコール男尊女卑"などのステレオタイプの打破、アラブ諸国の詳細解説など、今までサッカーワールドカップアジア予選くらいでしか知り得なかった情報の肉付けができました。しかし、ますますサウジアラビアという国に興味をそそられてしまいました。

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    2017年05月07日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    「アラブの春」が何をもたらしたか・・ 西欧の論理によるアラブ社会への干渉の結果が、イラクであり、シリアであり、リビアでもある。歴史的な評価はこれからだが、現状はかなり悲惨な状況ではないのだろうか。

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    2015年12月28日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    アラブの紛争はイスラム教の宗派の対立として図式化されて報道されている。そうなってくると日々のニュースでもついていけない。
    本書を読むとその発端は生活できるか否かといった問題であることがわかる。宗派どうこうの前に貧困や差別や人権に端を発する。
    そういった争いの火に油を注いでいる存在がいること。アメリカは罪な国だと思った。アルジャジーラの報道も鵜呑みにしてはいけない。

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    2014年09月16日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    ネタバレ

    【砂漠をさすらう国籍のない人々】p155
    「ビドゥーン」とは、アラビア語では「持っていない」「なし」という意味。
    湾岸諸国の国に住んでいた人はもとは遊牧民だった。ヨーロッパによって国境に線が引かれるまで砂漠を自由に行き来していた。

    【アルジャジーラのタブー】p212
    カタール政府批判

    【メディア戦争だったアラブの春】p222
    チュニジアやエジプトでは主役が市民だったが、リビアやシリアではメディアが偏った報道をすることで、内戦をあおりたてた。

    【SNSの裏の側面】p227
    ソーシャルメディアは国家権力が個人情報を収集するツールになる危険性をはらんでいる。例えば、フェイスブックはプロフィール

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    2013年06月28日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    自分の狭い視野を改めて認識させられました。
    アラブの情勢やメディアについて新たな視点から覗くことができるという点では良書かと。
    アルジャジーラの成り立ちや、メディアによる各国の内戦への影響など、
    結構知らなかったことも多く、もちろん1ジャーナリストの私見ではあると思いますのでそれを鵜呑みにするわけではないけど、改めて日本のメディアからの情報にとらわれず、多角的な視点で事実を見ていこうと思えたことはよかった。

    私のように無知な人間にとってはよい入門書となりました。

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    2013年04月27日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    マニアックなイスラームの歴史や伝統でもなく、一つの町の限定された個人的な悲劇の現在でもなく、中東の今を理解できる。アラブに住む人にとっては常識なのではないだろうか。そういう基本をまず、知りたい。包括的で勉強になった。

    ・儲けたお金は毎年ある一定の割合(財産の2.5%)で、社会に還元しなくてはならない。それが「ザカート(喜捨)」。「ラマダン(断食)」にもセルフコントロールを学び、貧しい人の気持ちを理解できるようにという意味がある。イスラム教では一生に一度はメッカに巡礼することが好まれているが、巡礼では真っ白いシーツのみを身体に巻く。神の前では皆同じ、という考えを元にしており、社会主義的な平等精

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    2013年12月29日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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     著者の重信メイ氏は、日本赤軍の重信房子とパレスチナ人の父の間に生まれたレバノン出身のジャーナリストです。日本赤軍の強烈なイメージがありますが、本書は左に大きく傾いたようなスタンスはまったくとっておらず、中東の民主化を「アラブの春」と手放しで賞賛するムードの陰に潜む政治的プロパガンダやメディアの姿などが批判的に描かれており、とても興味深い内容です。エジプト・リビア・チュニジア・イラン・イラクなどアラブ各国の動向も網羅されているので、知識をつける意味でも非常に参考になりました。
     われわれは一般的にシリアのカダフィ大佐について、横暴な独裁者との報道に接し、その通り私自身も受け取っていましたが、カ

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    2013年02月19日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    メディアとはなんなのだろうと考えさせられる一冊。結局信じられるのは自分で見聞きして納得したものなんだなと思える。

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    2013年02月09日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    著者については他のレビューでも書かれているだろうからとくには書かない。「アラブの春」の「その後」についてのルポルタージュ。地域の状況,チリ,いろいろな名前について基礎知識がないので,一度読んだだけではわからないところもあるのだけど,一読してもっとも印象に残っているのは,各地の状況の伝えられ方,つまり,マスメディアのバイアス,ということだ。何の気なしにテレビニュースや新聞で「そうかそうか」と納得してしまうのではなく,メディア・リテラシーを鍛えなくては,とつくづく思った。

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    2013年01月24日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    アラブの春。言葉だけ聞くと、そしてたまにメディアで読み聞きする浅い知識から考えると、「おお、良く分からんアラブにも民主化の波が来てるのか、ふんふん」と考えてしまう。
    だがこの本は、そんな浅薄な知識を思いっきりぶち壊してくれる。
    そうだ、そもそも我々は西側の、というよりアメリカの同盟国である日本の、メディアからしか情報を得て無く、そしてそのことが如何に無知と偏見を助長しているかが良く分かる。
    今内戦状態に陥っているシリアのことにも触れてあるが、より良く知りたい人には元シリア大使であった国枝氏の「シリア」という本を読むことをお勧めします。

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    2013年01月03日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    ネタバレ

    著者は日本赤軍の重信房子の娘だそうだ。

    エジプト革命が話題になったが、「アラブの春」の中では、チュニジアやエジプトと、リビアでは「革命」の性質がまったく違うと。
    リビアのカダフィには「アフリカ合衆国構想」があり、金本位の地域通貨(ディナール)をつくる動きがあった。それを阻止しようとした米国・欧州によるNATO軍はインフラを空爆し、政権崩壊後の外国資本参入の素地をつくったというのだ。(カダフィのリビアは、世界最大級の福祉国家だった)

    ここでもアメリカのご都合主義が見え隠れしている。

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    2012年12月28日
  • 「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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    ネタバレ

    ベイルート生まれのジャーナリスト重信メイによる中東革命の裏側。日本や欧米のマスコミは勿論、アルジャジーラですらかなり偏ったバイアスを掛けた報道をしているようです。「ジャスミン革命」に代表される、"FacebookやTwitterによって民衆が革命を起こした"という分かりやすいストーリーが様々な政治目的に利用されているのが現実。リビアやシリアのクーデターはジャスミン革命とは程遠く、内戦を煽る事でその地域での戦略的優位を確保したい欧米と露中の駆け引きにすぎないと。またバーレーン、カタール、イエメン、モロッコなどで起きた出来事はほぼ無視され続けている事も、私達がいかにアラブ世界か

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    2012年10月19日