坂本桂一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ第一章/社内新規事業公募はうまくいかない
社内新規事業公募はうまくいかない。案が集まらない、集まったが年々数が減りてこ入れが必要、どれを選べばいいかわからない、アイデアを出すのが苦痛。
では事業開発部制は。よくあるパターンは、社内での位置づけや自分達の権限も曖昧なまま、新規事業に関する本を読んだり、時にはビジネススクールに通ったり、社内や社外の環境分析や新規事業のネタとなりそうなアイデアを考え始めるといった流れ。その際の社内の暗黙的な合意としては「よいアイデアが出たらおそらく自分たち事業開発部が立ち上げ自体をやることになるだろうな」という程度です。このパターンはありがちな(そして大きな)間違いであるといえます。
「新規事業部」ではなく「事業開発部(或いは新規事業開発部)」になったのは、そもそも成功確率の低い新規事業は、成功事業を生み出すために継続的に複数個を立ち上げていくことが必要になってくる。事業開発部メンバーが1個の立ち上げにかかり切りになってしまうと、1つは事業が立ち上がるかもしれないが、事業開発部に本来蓄積されるはずの新規事業企画に関するノウハウやスキルが蓄積されない。
実際には事業開発部が支援の枠を超えて積極的に新規事業を作る側に関わってもかまわないし、外から見たら事業開発部メンバーが新規事業をやっているように見えてもかまわない。ですが考え方としては、基本的には自分達が新規事業を立ち上げる主体ではないということをはっきりとしておくべき。
よくあるパターンでは、事業開発部メンバーが1個新規事業を立ち上げるが、新規事業の本来の性質としてかなりの確率で数年後に失敗。結果、「新規事業失敗」という結果しか残らず、次に続く企画も無し。あったとしても、1個目のノウハウが直接的に生かされることはない。つまり、新規事業を連続的に立ち上げていくには、事業開発部はプランニング及びプロデュースに専念し、立上げフェイズ以降は事業開発部から基本的に切り出し、別チームに任せることが重要である。
まったく新規事業の経験のないメンバーも、まず1個新規事業を企画しプロデュースすることで、新規事業ならではおのビジネスへの原理への理解は深まるし、それに対応したノウハウやスキルも多く蓄積するでしょう。そのメンバーを、プランニング、プロデュースの専門職として特化させ、それを繰り返していくことで、さらに企画の精度は高まっていくし、社内に新規事業の実構成員に伝達することができる。
プランニングを行う事業開発部メンバーは、どうしても必要に迫られて立上げフェイズにおいて1時的に社長をやるというのはあるかもしれないが、それくらいを限度としてそれ以上立上げに関与していくべきではない。事業開発部は新規事業立上げの母体となり続ける組織であるべきである。
そう考えると、メンバーの人選も変ってくる。極論すれば自分で事業を作るのが苦手な人でもいい。プランニングやプロデュースに徹するなら、社長じゃなくて、事業開発部メンバーとして、新規事業の芽を集めたり、外部から持ってきたり出来ればよい。その割り切りが必要。
事業開発部のあるべき姿は、器としての新規事業のプランニングとプロデュースに集中し、成功体験も失敗体験もそこに蓄積し、そのメンバーが社内において新規事業を指導できるようにしていくのがようでしょう。そうすると新規事業が起こり易くなり、ノウハウを社内に蓄積することができます。
会社によっては、新規事業を別会社で行う事は困難社内の既存の事業部に任せたいというケースもある。その時は、新規事業を既存事業部内に設置、事業開発部から既存事業部に発注するという形。社内取引となり、既存事業部の売上げへの影響がなくなる。
第二章/新規事業をうまくいかせるための考え方とは
新規事業を検討する際は、複数の事業の可能性を並行して模索するが、それをれどの程度の深さまで議論するべきか。全てについてビジネスプランまで作成し議論していたのでは効率が悪い。しかし単なるビジネスアイデアや要素技術レベルの議論では、それがビジネスに繋がるかを検討することすら困難。
著者の場合は、まず「ビジネスシード(種)」を選びだし、それをもとに「ビジネススキーム」を1枚、シートにまとめて議論していく形を進めている。「ビジネスシード」とは「将来的に、継続した仕組みとして収益を生み出し続けることが想定できるビジネスの種」のこと。シャンプーは継続した購入が想定されるが、ぶらさがり健康器は1家に1個あればそれでおわり。
実際にそれらのビジネスシードを評価し議論するには、一度ビジネススキーム(ビジネスの構造)を作ってみる必要があります。ビジネススキームは立上げのイメージや競争環境なども意識したロジックの塊。
ユーザーニーズという言葉もネガティブな影響を与えることがよくある。ターゲットに対してインタビューや調査を行うが、あれもこれもとなりわけのわからにものになる=オバケプロダクト。トヨタプリウスにしてもアップルのiPhoneにしても、実際にはたくさんの消費者調査をしているが、ユーザーの声を過度に意識した形跡はない。企業側が消費者に提案する形で、世の中にそれを受入れさせている。ニーズの過度の偏重、採用の最たるケースが、メーカが製品ではくサービスビジネスに進出しようとする場合。
第三章/組織階層視点から見た新規事業
第四章/「事業開発システム」を活用した新規事業立上げまでの流れ
ビジネス選定基準の中に市場特性があるが、ビジネスシードを選定する際は、市場視点から見た成功しやすさも考慮するべき。「成長市場であること」「競合の参入障壁が低すぎないこと」「自社が競争ルールをつくれる」などは一般的な条件となる。一般には、参入する市場自体が成長状態にある場合の方が、何らかの形でその成長の恩恵を受ける可能性が高い。競合参入障壁についても、今までにない新技術で新しい市場を創造し優位性を築いても、そのうま味を見た他社や他業界の競合がすぐ模倣できるようなものなら、長く維持することは困難。逆に例えば自社で農場をもっていて、安くてクオリティの高い農作物を一定規模、かつ安定的に手に入れられるならば、レストランビジネスにおける価格決定権を持つことができ、参入障壁となり得る。
市場視点も含め良いビジネスシードの条件を一括りで語るのは困難。しかし、インキュベーションチームは、おおむねリターンの期待値が「絶対規模」と投資に対する割合の企業が新規事業をやるのだから、脱サラレベルではなく、1の投資をして千のリターンが期待できるものを選ぶべき。
それから、自社の現業のビジネスから遠すぎるもの、土地勘のないものは極力避けるべき。自社の既存ビジネスが衰退している場合でも、近い領域では成長市場や大規模市場がある場合はよくある。ただし、こうした「今までにない市場」はなかなかマーケティング調査などで確認することは難しい。その「これから生まれる市場」を見つけられるかどうかが大きい。また、市場を創造するのが上手な企業は、市場を見つける力だけでなく、市場を創造する力を持っている企業であるともいえる。
ブルーオーシャン戦略ではないが、期待値の高いビジネスを目指すなら、ルールが自社に新たにつくれるもしくは変えられる市場にはいっていくべき。ルールを変えられない市場に入っていくということは、ある意味自社がその市場に勝ち負けを支配されているようである。逆に、ルールを変えられる市場で、自社が自らの新しいルールを適用しようとしている時は、自力で勝とうとしている瞬間といえる。
実際には、「ルールを変えやすい市場」と「ルールを変えにくい市場」がある。しかしこれは従来の分析手法からは導き出せない。新しいゲームなのです。そしてそのためには、「新しい技術」よりも「新しいコンセプト」を生み出す事。これは、個別マーケットと自社のリソースを見ながら、個別に思考実験で判断していくしかない。
(その他、事業計画書のフォーマットの添付あり) -
Posted by ブクログ
p.56 撤退の理由を明確にする
売上500億規模の市場を5年以内にはつくらないというなら、
最初は赤字でもいい。そこに到達できないならやめる。
p.78 目的を決める:何のための新規事業ぁ
何をやるか決める:
p.88 ビジネスプランの決定:
文章とキャッシュベースのP/L
p.92 ビジネスプラン、実態の把握、成功率をあげる
p.94 評価基準
1.何のための新規ビジネスか
2.自社にあったビジネスか
3.そのビジネスを実施するリソースが社内にあるのか
4.失敗しても本業まで傾くことはないか
5.本業の手助けになる成長スピードがあるか
6.進出するマーケットは成長しているか
7.参入障壁がひくすぎないか
8.付加価値の高いビジネスか
9.誇りをもって実施できるビジネスか
10.全員が「炎の集団」でなくても成功できるか -
Posted by ブクログ
<あし>
(企業内で)新規事業をつくる際に、はまりがちな罠や
行動を筆者の経験をもとにまとめたもの。
・まず、失敗のルールを設定すること
・成功を前提にしないこと
・事業計画は完璧なものはない。常にブラッシュアップすることを意識すること など
<千>
■仕事に参考になる点
・調べるな考えろ:新規ビジネスは過去になかったビジネス、過去の知識や常識は不要。
・落ち込むな前に進め:こうすればうまくいく正解などない、試行錯誤を繰り返す。
・社内向けにアピールする資料づくりに追われるな:泥臭かろうが、まず事業コンセプトを明確にした上で、1つの分野にリソースを集中投下し、確実な成功実績を作る。
・売上や成長率を上げるよりも成功確率を上げることに尽力し、その部分を評価する:数字を眺めて一喜一憂する前に、あらゆる手をつくして第一号の成功を生み出す。そこから好循環につなげる。
・目的によってゴールは変わることを肝に銘じる:利益が出れば成功か?たとえば、リース会社が立ち上げた子会社が、利益トントンな状態であったとしても、その子会社は決済手段として親会社のリースを利用するため親会社が潤う、ということを当初から狙っていたのであれば、それは成功といえる。
立ち上げ中の事業のこと以上に、立ち上げて運用中の事業について、この本を読みながら想いを馳せた。後で振り返ったほうが、痛みは大きい。改めて、落ち込んでいる場合ではない、と奮起させられた。あし、1年後にもう1回読んでね。(千) -
Posted by ブクログ
ネタバレこの辺りの話は経営者だけでなく、例えば組織や売り上げが拡大している部署・チームにおけるリーダーやマネージャーも同様。
そういった観点では読んでよかった一冊。
一言でいえば自分がいつまでもプレイヤーでいるなよ、気持ちも思考も切り換えろよ、という事が書かれている。
よく言われていることと言えばそうなのだが、こういう本がなくならない=まだまだ社長がスター営業で頑張っている中小が絶えないから、という事なのでしょうか。
ガーバーメソッドなんかと組み合わせて読んでみたら面白そうな気がします。
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年商1億円の時のやり方が通用するのは、せいぜい年商5億円まで。
そこからは会社の性質が変わってしまうので同様に10億円、100億円は達成できない。
仮に一時的に勢いで達成したとしても、その経営スタイルでは会社が長続きしない。
■今日に目をつぶり、未来を考えられるか
今日の売り上げを最優先するのを辞めて、
その分の時間とお金とエネルギーを将来50~100億円にする"必要なこと"に投資していく
目先の売り上げなら"頭のキレる社長が案を出し、社員が実行"が一番合理的
今後の規模拡大を考えるなら"社員以外からアイディアや企画が上がってくる仕組み"が必要
※Googleの20%ルールがまさにその良い典型例
■自ら限界をつくらない
トヨタだってパナソニックだって社内に必要なすべてのリソースがある訳ではない
どんな大企業だって足りない物はある→それをどう知恵で補うかが勝負の分かれ目
■組織図を最初につくってはいけない
組織の基本はハブ&スポーク
→社員10人くらいなら社長が中心のハブになれる
→拡大してきたら、"自分の分身"をつくる
(自分のビジョンと概念を共有し、匹敵する能力やスキルをもつ人を置く)
→その分身がさらにハブとなり、組織が広がっていく
※分身が3人なら×10人で30人の拡大、など
■権限移譲は100%しない方が最も高い成果が出る
権限が集中していたら当然、社長のキャパ以上の成長はない
かといって移譲し、かつ関知しないと部下は張り切るが、数字が付いてくるかは別問題
*部下の能力や会社の成長段階、社長の仕事量などから
"どこまでやるか"を総合的に判断していく必要がある
■ベクトルの方向を一致させる
「この会社はなんのために存在しているのか」
これを社長が自信をもってはっきり言えること、そして社員に共有していること
ここがブレている会社は大きく成長するのは不可能
社長が「お金儲けをしたい!」
営業部長が「サービスを世の中に広めたい!」
開発部長が「世の中の役に立つ商品を!」
これではベクトルがズレているので、力が分散してしまう
■タフな文化をつくる
ユニクロの柳井さん、ヤマダ電機の山田さん、
それぞれ2人の手腕で一気に事業拡大したが、
両社の共通点は「現場を非常に重視していること」
「会社をもっと良くしたい」「隅から隅まで完璧にしたいからつい口を出してしまう」
というトップのこの姿勢が会社の急成長の要因
日々社長のそんな姿を見ているから、
"これは自分の仕事じゃないから関係ない"
"他部署の事だから見て見ぬふりをする"というケースが無くなっていく
守備と守備の間に落ちる「テキサスヒット」を許さない組織体制づくり
■マンネリ化の原因はコミュニケーション不足
刀鍛冶や漆塗りの職人の世界で名人と呼ばれるような人は、
それこそ子供のころから同じことを何千・何万回と繰り返している
それでも「モチベーションの維持ができない」とか「マンネリしてきた」という言葉はまず出てこない
これは彼らの"志が高い"から
一生をかけて技術を磨いても届かないところに目標を置いているので、
たとえ日常の風景がそれほど変化しなくてもモチベーションが下がらない
※創業社長は同じレベルの"志"を持っている
→さまざまな手法で社員に伝えていく必要がある
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■IPOのメリット・デメリット
<デメリット>
1)赤字が出せなくなる
2)情報を開示しなければならなくなる
3)事前にリスクを明らかにしなければいけない
4)公開維持コストがかかる
5)社長の時間が奪われる
<メリット>
1)株式交換で企業買収が出来る
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■それまでのやり方をすべて見直す
「今までこうやってうまくやってきた」という意識を敢えて切り捨てる
ex)ハドソン
商品の点数が増えすぎて営業が自社のゲーム名すべてを言えなくなった
→社長の英断で3ヶ月業務を停止し、合宿研修を行った
→全社員で会社の存在意義を確認し、組織をもう一度つくり直した
→その後リスタートして快進撃を
■競争の水準を示せる
人はただ"頑張れ"と言われただけでは、頑張ることはできない
投手に「300球投げ込め!」という指示を出す監督は三流。
「お前は球威は有るが制球が悪い」
「甲子園に行くには10球中7球は狙ったところに投げられないとダメだ」
「その為には正しいフォームが必要だ」
「予選まで毎日正しいフォームで300球投げ込め」
……と、"根拠"と"水準"を一流の監督は具体的に示している。
■自分より能力がある人を使える
年商5億円の会社なら社長=スタープレイヤーが引っ張れば良い
その後の壁を破るには自分と同等か、それ以上の人を集めて、
彼らに気持ちよく働いてもらわないといけない
ex)織田信長
明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康、といった優秀なリーダーが配下に居た。
もちろん信長自身も強かったが彼らが屈したと言う事ではなく、
「この人のためになら」という気持ちを起こさせるメタ・リーダーとしての才能があった