細川義洋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は各章でよく起こりそうな問題をストーリ仕立てで紹介しており、解決に導くにはどうしたらよいか?を考えさせる内容になっている。とはいうものの所々に「Hint」が記載されており、理解の助けとなっている。読み物としてみればなかなか面白いが、よくある一般的な管理手法等を体系的に学びたい人には不向きである。
また合間合間にチェックリストの付録があり、自分が使用しているひな形と比べる事が出来た。
開発側としてはプロジェクトスタート時には無関心でいられ、出来上がってから文句を言われるのが一番困る。システム開発はあくまでも協調作業という事がこれを読んで広まればうれしい。 -
Posted by ブクログ
興味本位で買ってみたけど登場人物の会話で展開していくのでとても読みやすくて良かった!!!
自分は要件定義、プロジェクト管理、契約関連、プロマネが行うことなどは、「言われてみれば行ってたかもれないけどあまり意識してなかった」ことばかりでためになった。
CASE44での彩音と一郎の会話の中の、
一郎「自分の管理で人より早く危険を発見したり、その対策が奏功してプロジェクトが成功するのは傍目で見るより面白く達成感もある」
の言葉が、いいね(^◇^)
希望が湧く。笑
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・定期的に要件変更に関する会議を開く
・実際の業務に当てはめてのシュ -
Posted by ブクログ
システム屋あがりの地裁民事調停員が書いたシステム開発におけるトラブル集。
W/F型開発を例に、各工程で起こりがちなトラブルが実際にあった判例と共に紹介されておりイチイチ恐ろしい。
例えば、ユーザに「直接」DBを更新させるなんてシステム屋からしたらアリエナイと思っていたが、某業界では不可欠の機能であり、「要件に無くとも」実装されていないのは業界常識を知らなかったベンダに非がある、との判決があったそうな。怖すぎ。
また、裁判所は杓子定規に契約書の記載内容だけで判断するのではなく、それ以上にベンダ・ユーザとも「如何に誠意があったか」に重きを置くということも知った。
どの工程においても組織間でセクシ -
Posted by ブクログ
この類の本は一般論や理想論に終始しがちだが、本書は改善の具体策も書かれていて実践に向けてのヒントが満載である。「オーダメイドのシステム作りはベンダと顧客との協同作業である」という判決文はまさに金言。
私はユーザ側のシステム担当者であるから、(ユーザ側の視点に立ちながらも)どこかではベンダとユーザの双方が合意できる落とし所を模索しなければならない。
そういう意味では、協同作業が出来なくなり、裁判まで行き着いてしまった泥沼プロジェクトに対して、裁判所という第三者がどういう視点でジャッジし、または調停でどういう落とし所に持って行っているかを知ることが重要である。
本書に書かれていることは、プロジェク -
Posted by ブクログ
私は前職がIT関係の会社だったこともあり、今の会社では一応IT担当者のような役割を担っているのだが、働き方改革における業務の効率化や人材不足への対応、台頭するAIの活用なども含めて、今後自分の会社でも大規模なIT改革が必要であろうということを鑑みて、IT担当者とはいうものの実際のシステム開発におけるプロジェクト管理などにはまったく精通していない自信があったのでネットで検索して目についたこの本を読んでみた。
小説仕立てになっており、会社のシステム開発にITの知識がまったくない若手社員が携わって、発生したトラブルから様々な示唆を得るというものだ。小説風なので非常に読みやすく、1日で読んでしまった -
Posted by ブクログ
ネタバレストーリー仕立てで、システム導入時の注意点が学べる本。
いまだに世間ではシステム導入は博打であり、当たるも八卦、当たらぬも八卦といった風潮が見られる。
しかし実際はベンダ側にknowledgeが蓄積されつつも、肝心の導入企業側の理解が高まっておらず、いまだに下請けを扱うかのような高慢な態度でシステム導入を進める結果、失敗しているケースが多い。
本書で書かれているような、業務フローの作成方法、そもそもの業務理解、ベンダ選定やその後のリスク管理、ベンダとの連携、社内協力、情報漏洩への対処、などを理解しておけば、大きな失敗は防げるのではなかろうか。