奥武則のレビュー一覧

  • 幕末明治 新聞ことはじめ ジャーナリズムをつくった人びと

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    幕末から明治初期にかけて、日本で始めに新聞を作った、あるいは新聞作成に関わった人々の評伝。1冊で、9人程の人を取り上げているので内容は薄め。明治に入ってすぐ終わるので、万朝報なんか影も形も無い。

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    2021年02月15日
  • 感染症と民衆

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    明治時代初頭の1879年にコレラが大流行した。当時の「コレラ騒動」を中心に、日本のコレラ体験を綴った一冊。コレラや医療に関して、知識も情報も少なかった当時、風聞やら思い込みやらで、数多くの暴動が起こったようだ。

    さすがに現代では、大掛かりな暴動(当時は医師の殺害も起こっている)が起きるとは考えにくい。しかし、コロナに関連したネットニュースのコメント欄を読んだり、狭いコミュニティの中で医療関係者が差別されている状況をみていると、人間はあんまり進化してないんじゃないかと感じてしまう。

    戦後すぐの引揚船ではコレラの集団感染がおこり、「コレラ船」と呼ばれたそうだが、当時の教訓はコロナ禍が始まるまで

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    2021年01月12日
  • 幕末明治 新聞ことはじめ ジャーナリズムをつくった人びと

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     幕末維新期の日本で新聞の草創に関わった人々の小伝集。ジョセフ・ヒコ(浜田彦蔵)、アルバート・ハンサード、池田長発、柳河春三、岸田吟香、成島柳北、福地桜痴、本木昌造、ジョン・レディ・ブラック。事実報道の重視と多元的な視点という意味でのジャーナリズムの萌芽として『中外新聞』の柳河春三の評価が高い一方、その反権力性が賛美されがちな成島柳北に対しては江戸の文人趣味の範疇を超えられなかったと手厳しい。新聞の印刷形態(手書き、木版、木活字、鉛活字)の違いに常に注意を払っているのは、新聞社の現場出身の著者ならでは視点であろう。

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    2017年09月13日
  • スキャンダルの明治 ――国民を創るためのレッスン

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    [ 内容 ]
    明治十年代―高橋お伝や花井お梅の毒婦物語。明治二、三十年代―まむしの周六こと黒岩涙香の「万朝報」が報じた明治三大スキャンダル。
    すなわち、「相馬家毒殺騒動」「淫祠蓮門教会」「蓄妾の実例」。
    しかしそのセンセーショナルな記事の奥に、実は隠された「意図」を読みとることができないだろうか?
    明治国家という「想像の共同体」を創る制度として、その共通の関心を担う国民を創る制度として、スキャンダル報道は機能していたのではなかったか?
    「赤新聞」の報道にもうひとつの国民文化の形成を読みとる、スリリングな明治文化史。

    [ 目次 ]
    第1章 江戸の情報空間
    第2章 毒婦たちのいた場所
    第3章 「

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    2014年10月27日