奥武則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
明治時代初頭の1879年にコレラが大流行した。当時の「コレラ騒動」を中心に、日本のコレラ体験を綴った一冊。コレラや医療に関して、知識も情報も少なかった当時、風聞やら思い込みやらで、数多くの暴動が起こったようだ。
さすがに現代では、大掛かりな暴動(当時は医師の殺害も起こっている)が起きるとは考えにくい。しかし、コロナに関連したネットニュースのコメント欄を読んだり、狭いコミュニティの中で医療関係者が差別されている状況をみていると、人間はあんまり進化してないんじゃないかと感じてしまう。
戦後すぐの引揚船ではコレラの集団感染がおこり、「コレラ船」と呼ばれたそうだが、当時の教訓はコロナ禍が始まるまで -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
明治十年代―高橋お伝や花井お梅の毒婦物語。明治二、三十年代―まむしの周六こと黒岩涙香の「万朝報」が報じた明治三大スキャンダル。
すなわち、「相馬家毒殺騒動」「淫祠蓮門教会」「蓄妾の実例」。
しかしそのセンセーショナルな記事の奥に、実は隠された「意図」を読みとることができないだろうか?
明治国家という「想像の共同体」を創る制度として、その共通の関心を担う国民を創る制度として、スキャンダル報道は機能していたのではなかったか?
「赤新聞」の報道にもうひとつの国民文化の形成を読みとる、スリリングな明治文化史。
[ 目次 ]
第1章 江戸の情報空間
第2章 毒婦たちのいた場所
第3章 「