吉田満のレビュー一覧

  • 戦艦大和ノ最期
    戦記物して書かれた体験文学の傑作。全部が文語体で書かれているのがかえって迫力になっています。悲壮感、戦場の不合理がビンビン伝わる。古文勉強の導入として音読してもいいんじゃないかなと思います。
  • 戦艦大和ノ最期
    筆者の吉田満は、学徒動員の一環として応召され、副電測士(電測士というのは、レーダー要員と理解した)として、沖縄特攻作戦に参加する戦艦大和に乗り込む。1945年春、終戦まであと4ヶ月の時である。
    既に米軍は、沖縄を勢力圏に置いており、そこを本拠地とした本土攻撃を遅らせるために、日本軍は本土防衛作戦の一...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    著者のご遺族に知り合ったこともあり、大学生の頃読んで感動した、戦後文学の名著。
    戦争中、出征していった若者がなにを考え、なんで戦い死んでいったのか。
    最近多い単なるナショナリズムとその反発のような軽薄な議論するの暇があれば、一読することをお勧めする。
    自分たちは、彼らが犠牲を払って託したものを本当に...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    呉の大和ミュージアムにて購入。
    こういうのは最高評価以外につけようがない。

    確か再読だったなぁ。子供の頃読んだ時はこういうのの捉え方がわからなかったしカタカナ読みづらいしで困ったけど、今はすんなり読めるね。ミュージアムで駆逐艦等の知識得てからだから余計面白い。
    臼淵少佐の言葉は至言。国や時代が違っ...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    凄かった。泣いた。「永遠のゼロ」で感動しているヒマがあったら是非この名著を。一読して(他の批判を待つまでもなく)これは「小説」であり「記録」ではない。余計な修飾や後付け、伝聞は目立つ。しかしそれを差し引いても圧倒的。僅か二時間の戦闘の如何に凄惨なことか。その後の脱出行の如何に無常なことか。僕はこの小...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    「大和轟沈 一四二三」

    昭和20年4月7日12:20
    「目標捕捉 イズレモ大編隊 接近シテクル」
    戦闘開始から2時間後のことである。

    カタカナの文語調の文体には緊張感が漂う。
    時系列、日記的な記載により臨場感が増す。
    基点(大和)から、話題がぶれないために、時局の把握は容易にできる。(時代背景や...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    学徒動員で海軍に入隊した著者が、大和の特効出撃と自らの生還を描いたのが本書です。

    慣れるまでは全編文語体であり、読みにくいことこの上ありませんでした。しかし読んでいくうちに、文章から異常な緊張感と迫力が伝わってくるようになりました。出撃を命ぜられた時の著者の心情。出撃前夜の若手士官たちの論争。激戦...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    Kodama's review
    凄まじいの一言に尽きます。
    「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ…
    …俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」(臼淵大尉)
    コメントも出来ません。
    (06.11.30)
    お勧め度
    ★★★★★

    Kodam...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    昭和20年、必敗の特攻作戦のために呉港を出港した戦艦大和。
    海軍少尉として大和に乗艦した吉田満が、出港から沈没、漂流までを綴った。

    死を目前にした乗組員たちのエピソードは、「涙なくしては読めない」との評判通り。
    中でも自分の死に意味を持たせたい士官たちの議論は、我々にあらゆる問いを突きつける。
  • 戦艦大和ノ最期
    副電測士の少尉であった著者による、戦艦大和の最後の出撃をえがいた記録文学です。

    太平洋戦争の敗色が濃厚になっていくなかで、大和は片道の燃料だけを積んで、生還を期することのない「天一号作戦」の実行をおこないます。「日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」と語る臼淵大尉と、それでもなお戦いの...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    吉田満 「戦艦大和ノ最期」 戦艦大和の電測員であった著者が、天一号作戦における戦艦大和の出撃から自爆までを記録した本。


    戦争の不条理、悲哀、残酷さ、昂揚感など戦争の全てを再現している感じ。カタカタ文語体の文章が 軍隊を象徴しているように感じる〜規律的というか、ガラパゴス的というか。


    天一号作...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    文語体

    特攻部隊。自分が死ぬとわかりつつも、戦いに一部興奮、やりがいを求める部分もあり。

    大和と米軍機動部隊の攻防。波状攻撃。
    大和沈没後の誘爆、駆逐艦で救助されるまでの出来事。ここが一番生々しかった。
    生きているのが苦しい、死んでやろうか。

    駆逐艦のスクリューで巻き込まれて、、
  • 戦艦大和ノ最期
    本文は文語体で、馴染みがない文章なので難しかったが、その後の著者の解説を読むとなぜ文語体が用いられたのかが分かる。大和の特攻、必敗の作戦に赴き、援護もなく立ち向かっていくがやられ放題、最後には沈んでいく様がなんとも悲しい。生き残ってもまた苦悩、、、
  • 戦艦大和ノ最期
     吉田満は1923年に生まれた。1945年に22歳。九死に一生を得て戦後を迎えるが、1979年、高度経済成長の最中、56歳という若さで亡くなっている。
     20代に、初めて読んでい以来、沈没寸前の大和艦上の凄惨な描写が忘れられない。臼淵大尉はじめ、少壮の将校たちの特攻に対する議論が、戦後日本の浮かれた...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    映画「男たちのYAMATO」を見て、この有名な本のことを思いだし、読んでみました。

    著者は21歳の海軍少尉として戦艦大和に乗りこみ、その撃沈を生き延び、終戦直後、わずか1日でこの小説の初稿を書き上げたということです。

    大和の最後を描いたこの作品、映画の幾つかの印象的なシーンは、この小説からそのま...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    よくもまあ,当時のことをこれだけ詳しく書けるものだ…と感心した。こういう本があることは知っていたが,「今さら読んでもなあ」と思い,敬遠してきた。が,最近,政治の動向がきな臭くなってきたので,なんとなく,こういうものにも触手が動くようになったのだ。

    最後の解説は鶴見俊輔氏が書いている。

    大和の特攻...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    先年,呉の大和ミュージアムに行ったとき以来,読もうと思っていた本を読む.

    大和の最後の出撃となった沖縄特攻に学徒出身士官として乗り組んだ著者の経験を基にした小説.短い文を重ねた明晰な文語での記述に,必ず負ける,生きては帰れないと知りながら出撃し,まさしく懸命に戦う人たちの姿がうかびあがる.戦後70...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    軍部は、駆逐艦30隻相当の重油を食らう巨艦大和の維持に困ったために、数千人の命と共に、大和を見殺しにしたわけですね。
    何万人の社員を維持しかねている巨艦、とならないようにしなければいけません。。。
  • 戦艦大和ノ最期
    乗組員達が愚かな作戦と分かりながら予定調和的、いやそれ以上に脆く沈んで行く大和の姿に激しい哀しみを感じる。空気と言ってしまえばそれまでの理不尽さとその中で自分自身を生きるしかない人々はスケールこそ違えどいわゆる人生というものか。伊藤長官の最後の作戦中止の決断はその空気の中でこそ思い切ったものであるけ...続きを読む
  • 戦艦大和ノ最期
    戦争関連の本を読むようになったきっかけの本。
    戦艦大和最後の出撃から大和が沈み乗組員が助かるまで、一般の小説に比べたらそう長くはない時間を丁寧に書かれている。
    カナ混じりの文語体に慣れず読みにくかったが、それでも一気に読んでしまった。