「ハングルの誕生」のあの野間さんの本だから、と新刊時から気になっていた。
ハングルから日本語を見ると、共通点も、それぞれの特質も見えてくる、というのだ。
文字と音声、語彙、文法、文体、そして最後に談話分析。言語学の主な領域をカバーする内容。
知らないことがたくさんあった。
ハングル(韓国、朝鮮語と
...続きを読むいう意味ね)での漢語は、固有語を駆逐して代わりに居座っていく入り方をしているとのこと。
日本の音読みと訓読みとは違うけど、固有語と共存していると思っていたので、びっくり。
韓国語の「の」にあたる助詞は、エと発音するあれ(文字が入力できない...)だけど、日本語ほど使わないこととか。
文法論になって、面白くなった。
主語なのか、主体なのか、主格補語か、はたまた別の言い方かという問題も、整理されていて、すっきり。
文の成分としての主語、言語外の存在を示す主体。で、文の成分としての主語を表すかどうかの選択ができるところが日本語や韓国語の特質だとか。
「…は~だ」の「だ」はコピュラと習ったけれど、「…は」の部分がなければ、それはコピュラとは言えないというのも勉強になった。ヨーロッパ文法の枠組みがそのまんま適用できないところがここにもあったってことだ。
で、それを指定詞文と名付け、名詞で終わる名詞文と区別するよう書いてあった。
最後の談話分析。
今までどんなものか今一つつかみきれなかったせいもあったけれど、これが色々新しい視座を与えてくれるものらしい。
日本語も韓国語も、文末が術後で統合されない「非述語文」が半数以上占めるという話も面白い。
日本語話者は談話時、相手の言葉に重ねて発話することが多いというのも。
ここは韓国人とは違うらしい。
相手が話し終わるまできっちり待つという。
うっかり相手の話に口を出したら失礼に当たるかもしれないのかな?
なるほど、談話分析、面白い。