J.C.カールソンのレビュー一覧
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【私が伝えたいのは、世界で最も嘘をつく必要に迫られているであろうCIAの諜報員でさえ、なるべく嘘をつかないようにしているという事実だ。真実をいっても問題ないときに、わざわざ嘘をいって状況を複雑にするのは危険だからである】(文中より引用)
CIAで用いられる諜報や組織運営の手法が、ビジネスの分野にも応用できるとして紹介していく作品。一見すると共通項がないように思える二つの分野をつなぐ架け橋とは......。著者は、スターバックスなどの民間企業でのキャリアも有するJ・C・カールソン。訳者は、システムエンジニアとしての経験を持つ夏目大。原題は、『Work Like a Spy: Business -
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本書はCIAの情報入手方法や危機管理について記されています。
しかし最大の特長は、日本の物書きでインテリジェンスに1番詳しいか1番有名な佐藤優氏が本書の解説などでベタ褒めしていることにあります。
氏曰く
「間違いなく日本語で読める最高の一冊だ。これ以上わかりやすく書かれた本を私は知らない。」
「本書に記されているノウハウは、いずれも実行可能である」
「インテリジェンスの世界に共通する普遍的な技法が、一般のビジネスパーソンが再現可能なレベルにまで落とし込んで書かれている」
金を貰って褒めるのは当たり前でしょうが、彼の得意分野で誤ったことを書くと、きっと次の仕事は無くなるでしょう。
著者は -
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CIAを含めて、インテリジェンスには「芸術」と「技術」のいずれか、あるいはその両方が求められる。たしかに、インテリジェンスは理性や論理だけでなく、直観が時には必要となる。しかし、本書で提供されるスキルにはそのような才能は不要である。言い換えると、一定の訓練さえすれば、誰でも技術的に再現可能なのである。したがって、どのような組織に所属した人でも十二分に使える。
現在、インターネットの発展で、おおよその情報は得られる。とはいえ、なかには情報が一般的には公開されない、秘密裏のものもある。では、これらの情報をいかにしてする収集のか、それは直接的に人間から情報を得るのである。これはある特定の人物との -
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第二章について(スパイの基本テクニック)
・相手から情報を聞き出す時は、
①知りたい情報を特定②その情報を知るための質問を考える(直接聞くことはできないので質問を複数に設定する)③その質問に会話を誘導する。
第五章について(CIA諜報員は不要な嘘をつかない)
・必要な時しか嘘はつかない。それ以外では倫理的に振る舞う。信頼は資本であり、蓄積可能なもの。ただし、ただやみくもに善行を重ねるのではなく、目標の達成の役立つ善行を戦略的に行う。
(裏の顔があるのがカッコいいとか感じるているうちは論外)
・自分を不当に優位にするための嘘、誰かを不当に排除するための嘘はついてはいけない。これらの嘘は信頼に -
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第Ⅰ部は読む価値なし。CIAを騙った当たり前のことしか書かれていない。
ところが第Ⅱ部から有益な情報が盛り沢山で一気に面白くなる。それは危機管理や人材戦略の話に及んでいるからだ。この分野は民間企業が意識とノウハウともに弱い部分であり、CIAが異様に強みを持つ部分だからであろう。騙し騙されつつのイメージがある、現に嘘も時に必要と公言する筆者が、協力者に正直で誠実にを口酸っぱく説いているのは面白い。むしろビジネス以上に真摯な態度は徹底しているのかもしれない。
もちろんCIAという組織は特殊過ぎて全てがすべて応用できるテクニックではないが、情報技術が発達し国境がなくなった今、CIAの持つ技術は適 -
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当たり前の事が、書かれている。
なぜそう感じるかと言うと、常に自らを有利な立場に置こうと、日頃から意識しているからだ。その意味で、本著にはあまり目新しい事はない。自己啓発本や、技術指南書は、このような傾向がある。だからといって、全く無駄だと言うわけではない。そもそも、啓発本を読む目的は、1,新たな視点の獲得 のみならず、 2,既存認識の強化 にもあるからだ。知っているからといって、実行することは難しい。従い、認識を強化することは非常に重要である。
本著に既視感を感じるのは、恐らく佐藤優をよく読む事も関係している。インテリジェンスと言う仕事で重要な事は、かなり共通しているからだ。 -
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・対策が立てられないような深刻なミスの場合、それについて報告するような馬鹿正直なことはしないほうがいい
・情報を引き出すためには、相手に「いま自分は重要なことを話した」と意識させないことが大切だ。そのためには、会話の流れをどうするか、事前によく考えておく。無難なことから話はじめ、少しずつ話題を移していく
・組織内の注意や行動を外向きに保つ方法?いいことも悪いことも、何もかも正直に話す?現実的で達成可能な目標を提示する?できる範囲で現実的な対策を講じ、仕事に集中してもらう
・社内でどれほど異常なことがおきたとしても、危機に伴って社内に生じる混乱に現場で働く社員が巻き込まれないよう、守らなければな