木村靖二のレビュー一覧

  • 第一次世界大戦

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    第一次世界大戦の発生、戦況の他、大戦が、国民国家生成、ヨーロッパ中心主義から多元的世界への転換、福祉国家・積極国家化などを生み出すに至り、近代から現代への転換点になったことを、戦況の推移等にも絡め本文中に散りばめられて解説されている。

    帝国主義、ナショナリズムについては佐藤優の「世界史の極意」(NHK出版新書)を、EU統合への過程をざっくりと知りたければ明石和康「ヨーロッパがわかる~起源から統合への道のり」(岩波ジュニア新書)を併せて読めばヨーロッパについての理解が多元的に深まる。

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    2024年08月24日
  • 第一次世界大戦

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    第一次大戦については、勉強する機会がほとんどない。
    高校の世界史でも、さらっと取り上げられる程度。
    しかし、現在の世界情勢の元になったのは第一次世界大戦であり、
    戦勝国と敗戦国との歴史だけでなく、
    植民地や周辺地域までをも巻き込んだ歴史の転換点であるといえる。
    当時の社会情勢や経済情勢までも、1冊で簡易に学べる良書であると思う。

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    2021年08月18日
  • 第一次世界大戦

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    第一次世界大戦が行われた期間について、年代順に状況を追って説明する概説書。30年近く前に学んだステレオタイプな大戦史とは現在の研究は大きく異なり、まったく違う捉え方が存在していることが、よく分かった。

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    2020年09月03日
  • 第一次世界大戦

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    [一変の戦]主にヨーロッパを中心として甚大な人的・物的損害をもたらし、その後の世界の在り方を一変させることにつながった第一次世界大戦。一つの暗殺事件がどのようにこの歴史的災厄につながっていったのか、そして戦争の過程で国際社会や各国の国内体制がどのように変化していったのかを、最新の研究を基にまとめあげた作品です。著者は、西欧ヨーロッパ、特にドイツを専門とされている木村靖二。


    日本の歴史の教科書ではどうしても小さく扱われてしまいがちな第一次世界大戦ですが、それがもたらした今日にまで続く影響の大きさに驚かされます。また、従来の見方とは異なる見解も紹介されており、第一次世界大戦そのもののみならず、

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    2016年02月19日
  • 第一次世界大戦

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    200数ページと分量は少ないがWW1の経緯と歴史の中での位置づけなど最新の学説を紹介しつつ、丁寧に抑えられていて、分かりやすかったです。

    せっかくなので新書ではなく、分量の多いハードカバーで読んでみたかったかなと思いました。

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    2015年04月02日
  • 第一次世界大戦

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    あまり日本では取り上げられることのない「第一次世界大戦」。本書のまえがきにあるように、歴史の教科書で、おおまかなことしか学んでいない。
    しかし、本書では丁寧に、戦争の発端、経過、あるいは、各国の政治・経済状況などをふまえながら解説している。
    2014年は、第一次世界大戦から、ちょうど100年ということもあり、この本が出版された(と思う)。
    巻末には、参考文献や略年表も掲載されており、好感が持てる。
    良書。

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    2015年01月29日
  • 第一次世界大戦

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    当たり。政治、軍事戦略、現場などに偏りすぎることもなく、噛み砕きすぎず学術的すぎずもちろんイデオロギー色もなく、各戦線もバランス良く。日本における第一次世界大戦と第二次世界大戦の関心のバランスは、まあ当然ではあるものの非常に偏っておる。

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    2014年08月02日
  • 第一次世界大戦

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    馴染みの薄い事実が多く大変興味がそそられる。
    開戦のきっかけは第三次バルカン戦争だったこと。多民族国家の帝国であるトルコとオーストリアの衰退、そしてネーションステートへの欲求を前提に理解しないと「火薬庫」を語ることができない。
    ベルサイユ条約が語られるほどドイツに極端に不利ではなく、とっても不利…程度だったこと。後のヒトラーの台頭が極端に不利説を後押ししたのかもしれない。
    そして、第一次大戦を近代と現代の結節点として捉えること。日本では1945年を政治的変化をもとに現代の始点としていることが多いと思うが、それはイデオロギー的に過ぎるのではないか。世界史的には本書で述べる通り第一次大戦が現代への

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    2014年07月31日
  • 第一次世界大戦

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    近現代西欧史、とくにドイツ史の大御所による待望の第一次世界大戦論。学界の研究水準に目配りしながら、第一次大戦の全体像とその歴史的意義について書かれたレベルの高い啓蒙書と言えるであろう。日本人にとっては馴染みの薄い第一次世界大戦がある意味で現代社会の起点でもあり、それゆえ「第一次世界大戦はなお歴史にはなっていない」という最後の言葉は重い。

    各国の外交的思惑、各作戦の意味、最前線の兵士たちや銃後の様子などバランス良く叙述され、大変勉強になった。オススメである。

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    2014年07月16日
  • もういちど読む 山川世界史 PLUS ヨーロッパ・アメリカ編

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    前作や教科書より一歩踏み込んだ詳しさで、なかなか素晴らしい。参考文献が載っているのも良い。また、相変わらず読みやすい。

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    2022年12月14日
  • もういちど読む山川世界史 PLUSアジア編

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    メソポタミア文明から習近平まで、アジアの歴史をまるっと一冊にまとめた本。
    学生時代は暗記→テストのための山川の世界史だったが、大人になって、いろんな知識を得て、かつ、いろんな国に訪れてから読む、「テストのためではない」山川の世界史は、とても面白かった。

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    2022年03月10日
  • 第一次世界大戦

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    歴史の授業で少し習った程度だけど100年前にあった日本も勝利国になった大戦争なので関心がありました。
    戦記物ではないので戦闘の詳しい推移は無いものの、開戦の経緯からその後の各国の総力戦体制のことなど戦中の体制のことを学べたし、ドイツ帝国やオーストリア·ハンガリー帝国のことも個別に興味がわくようなった。

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    2021年05月09日
  • 第一次世界大戦

    購入済み

    わかりやすい?

    地図がもう少しあればなおよい

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    2020年11月23日
  • 第一次世界大戦

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    ・同盟国―ドイツ帝国、オーストリア帝国、オスマン帝国、ブルガリア。連合国―イギリス、フランス、ロシア帝国、ベルギー、セルビア、日本、イタリア、ルーマニア、ポルトガル、ギリシア、アメリカ、中南米諸国

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    2018年11月04日
  • 第一次世界大戦

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    アメリカのコメディを観ていて、以下のようなやりとりがありました。

    俳優「行かなきゃ!第1次世界大戦の兵士の役なんだ!ナチスと戦ってくるよ!」

    友人「待てよ!ナチスは第2次世界大戦だよ!第1次は違うよ!」

    俳優「そうなの?第1次は誰と戦ったの?」

    友人「・・・。早くいけよ!時間がないよ!」

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    大いに笑ったのですが、実は自分もあまり笑えないなあ、と思いました。

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    と、言うわけで、ちくま新書の「第1次世界大戦」。227頁。お手軽です。

    2014年、第一次世界大戦開戦100年記念の年に出版されています。
    著者の木村さんという方は、1943生。歴史学者で、専攻は西洋近現代史、ドイツ

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    2016年12月28日
  • 第一次世界大戦

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    第一次世界大戦開戦から100年にあたる2014年に多く出た関連本の一冊。軍事的な動向を中心に、大戦の概要がコンパクトにまとめられている。

    「おわりに」によれば大戦がもたらしたものは以下のようである。
    ・列強中心の国際関係は否定され、対等な国家からなる国際関係(国際連盟)へと移行した。
    ・多民族帝国が崩壊し(ロシア、オーストリア、オスマントルコ)、国民国家への移行が進んだ(民族自決権の承認)。
    ・戦争に動員され、多大な負担を求められた国民は、義務に見合うだけの権利を求め、国家もそれに応じざるを得なかったため、ここに国民参加型の国家が成立し、福祉国家への道が拓かれる。また、戦時下においては戦場に

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    2016年12月24日
  • 第一次世界大戦

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     第一次世界大戦についての日本語による手頃な入門書がこれまで皆無だったので、本書はその点だけも価値がある。もう少し社会経済史的な叙述が欲しい感はあるが、新書の制約上やむないところか。

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    2015年06月06日
  • 第一次世界大戦

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    第一次世界大戦についての、どちらかといえばミクロ視点の入門書。
    第一次大戦は何故勃発したのかという起源についての学説を序章で概観し、以下、1914年以降の時系列に沿って大戦の戦史、政治史、時に社会史にも目を配りながら、明快に記述されている。

    第一次大戦についての膨大な先行研究に立脚した論述の厚みや、学会や社会での大戦の受容のされ方の推移についてもコンパクトに述べられているのが特徴。
    深みにはまりすぎずも、大戦の幅広い面についての理解をしっかり深めてくれる、一般向け図書としては大変良くできた一冊。
    教科書執筆に携わっている著者だけあり、文章がこなれている。

    欲を言えば、後の歴史に与えた影響や

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    2015年04月11日
  • 第一次世界大戦

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    よく知らなかった第一次世界大戦について、背景、人物、意義など様々な観点から知ることができた。戦闘そのものだけでなく、政治的側面や銃後の面にも言及、多面的に理解できた。関連書も読んでみたい。

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    2015年01月28日
  • 第一次世界大戦

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    第一次世界大戦の概要とそれが世界に与えた影響。
    日本ではあまりよく知られていない第一次世界大戦について百年後に書かれた本。
    緒戦に今までにない量の砲撃と大殺戮が行われていたことや物量戦に移行してどう戦時経済体制、総力戦体制が構築されたかや、戦前から戦争終結に至るまでの各国の外交や、前線での兵士の話なんかも抑えてます。
    また、第一次世界大戦の後に社会が変わり、列強体制から対等な国家から成る国際関係が生まれ、国際社会の構成単位が帝国から国民国家に移行。総力戦体制で国民各層に国家への協力を強制したことから、公的領域へ国民が参加するようになったと。

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    2014年10月10日