山口意友のレビュー一覧

  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    最近,世の歯の浮くような「きれいごと」を聞くたびに虫唾の走るような思いがしていたので,久々にすっきりする主張を呼んだ気がする。

    ただ,著者はいくつかの社会問題に対する主張を例に取りつつ世の「きれいごと」を切り捨てていくのであるが,道徳教育における現実的なスタンスの必要性を,社会問題に対する自己の主張と絡めて書く書き方に少し疑問を感じた。

    わたしはそのそれぞれの意義を認めるが,一緒に語ることによって,本人のその社会問題に対する主張を述べているのか,道徳教育のあり方に対して投じた一石であるのか,かえって混乱するのではないかと感じた。

    むしろ「きいれごと」という名の過剰な平等主義に偏ることがおかしいように,過剰な現実主義や格差肯定に偏ることも本来おかしいわけで(現実には後者への傾斜が,前者方向への傾斜に較べて少ないので筆者の気持ちはわからなくなはないが。),これがもしも末尾にあるように本来教育者向けの主張であるならば,むしろ反論を提示しつつ,最終的には偏らないことへの価値,ないしは両価値をきちんと提示することの価値ということについて記載すべきではないかとおもう。

    「美学」という名で主張されている「信念」「信条」みたいな「思い」に対する見解も基本的に同意するが,繰り返しになるが,「美学」の必要性ということと,筆者自身が持つ美学の正当性の主張とは,別に主張されることが望ましいと感じた。

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    2010年02月25日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    現代に蔓延る「キレイゴト」を批判し、「己の美学」を持つことの重要性を語った書。

    これを読んで、いかに自分の考えが浅いか分かった。それにしても鋭い語り口で、今話題の「夫婦別姓」や「死刑廃止」問題では、筆者は立場を鮮明にして肯定派を切り捨てている。

    自分自身の「美学」=行動の規範を持つということはきわめて重要なことであると考えるし、現在の学校教育の場での「道徳」は形骸化したものになっているということも、事実であると思う(教育実習などの拙い経験ではあるが)。

    自分としては、本書では大いに揺さぶられるものがあった。子供に「己の美学」(この表現は不適当かと思うが、本書中の表現であるから使用する)を持たせるには、より実践的な価値判断を求める授業というものを考えていかなければならないと思った。

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    2009年12月31日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    かなり意見は偏って書かれています。
    道徳のレベル「美学」の考え方はとても納得いきました。
    他にも,道徳を論理的に説明しているので,とても納得できました。

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    2009年10月04日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    タイトルからは想像つかないが、一言で言えば「美学」をもっと大事にしないとと。
    「法律」を犯さないのは当たり前。そのうえに「道徳」的規範があって、社会生活が成り立つ。でもそれだけではなく、人として「美学」をもった行動をとることで、秩序ある社会が成立すると論じている。資本市場主義を土台にして『美しい国』などと表現している政治家や財界人にはぜひ読んでもらいらい。

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    2009年10月04日
  • 正義を疑え!

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     久々の会心の一作。最終章の8「正義を疑え」を読んでから本文を読むと理解が深まります。

     正しさの二義性があり、1つめは「真実・真理などの事実を語る正しさ」と「己が信念としての正しさ。つまり正義」がある。この二つめの正義には立ち位置によって定義が異なり、為政者としての立場なのか、個人としての立場なのかによって変わる。

     多くの平等は為政者の立場からの平等がうたわれているが、それは決して個人の平等ではない。たとえば男性と女性で法律的には平等であるが、これは為政者(=法)から見た平等である。男性と女性はそもそも役割が違うのだから、個人としての立場では平等ではあり得ない。

     正義を疑うとは、為政者の正義を語るのではなく、個人の正義を確立することだ。


     ちなみによく引用されるハムラビ法典の「目には目を。歯には歯を。」のフレーズが新約聖書によって曲解されたものだとわかっただけでも本書を読む価値がありました。ハムラビ法典は身分や動機によって量刑を変える「均等性としての正義」を記述したものだということです。

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    2009年10月04日
  • 正義を疑え!

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    そのタイトルから予想される通りの内容ではある。だけど、実際に自分の正義を疑うのって、考えれば考えるほど難しいし、それを実践して生きるのはさらに困難を極める。という思いを新たにしました。常に自分の行動に対して懐疑的な気持ちを忘れずに、とは思ってるつもりだけど、それを実践できているかというと…でもだからといって投げ出さずに、しっかり向き合っていかないと、って気持ちにはなりました。

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    2013年02月16日
  • 正義を疑え!

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    正義とは何かを考える。あなたの正義は本当に正しいのか?ということを問う内容である。二律背反という言葉が出てくるがまさにこの言葉に意味するところに尽きると思う。第3の案があってもよいと思うが、それは現実社会での問題であり、学問的にはどちらかに決めなければならないということになるのだろう。現職場(大学)での調査結果などが示されて、とてもユニークである。社会人よりは学生のほうがしっかり考えを持っているのかもしれない。
    かぎ括弧がたくさん出てくる。言葉の定義のようだが、引用文か?表示形式には論文のように決まりがあるのか?各章末にまとめとして示してあり、簡潔な言葉で説明されているために、理解の確認をできて、とてもよいと思う。

    ・正義の反対語は不正だが不義がよいときもある。
    不正、正しくない、法が規則
    不義、義にならざるもの、信義に反する
    ・ギリシア神話の正義の女神 ディケー。ローマ神話ではユスティティア⇒justiceの語源。ディケーの母親、不安の女神テミスは、左手に秤、右手に剣を持つ。
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    平等という観念には、「その人に応じたものを与えるという比例的な平等」と「無差別的な一律平等」の2つの意味がある。
    ・平等を論じる際の条件、何の平等か、誰が平等に扱うのか
    ・善悪の見方
    黄金律と他者危害則。
    他者危害則=自己決定権。他者に危害を与えない限り、自分で決めた自由な行動が許される。
    黄金律=それが欲せざるところ、人に施すことなかれ 孔子。汝が人からしてほしいと望むことを他人にもせよ イエス
    動機説と結果説、自律と他律

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    2013年01月15日
  • 正義を疑え!

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    平等主義は正義か、そもそも平等とは何か。
    フェミニズムなどの権利主張を声高に唱える運動への違和感。
    そういったものに納得を与えてくれる。

    生命以上の価値があると主張は、同時に主張する人間の死への覚悟を併せて提示しなければ説得力を持ち得ない。
    たしかに。

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    2012年07月18日
  • 正義を疑え!

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    [ 内容 ]
    「正義」とはいったいなんだろう?
    「秤」と「剣」に象徴される正義概念は、今日、都合の良い解釈によって混乱をきわめている。
    「均等性」の一義的解釈から生じる「悪しき平等主義」や、あるいは「力」で相手をねじ伏せようとする「他者批判の正義」など、巷に溢れる正義概念に対する誤解や曲解を一刀両断し、己の不完全性に目を向ける「まっとうな正義」を説く。
    目からウロコの「正義論」入門。

    [ 目次 ]
    序章 争いと正義
    第1章 正義の源流
    第2章 平等主義の問題点
    第3章 庶民の正義
    第4章 愛と正義
    第5章 生命と正義
    終章 道徳と正義

    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    2014年10月26日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    平等偏愛にメスを入れる一冊。

    学芸会で桃太郎が数十人出てくる喜劇。
    運動会の徒競争でみんな1位の喜劇。
    学期末の通知簿でオール5の喜劇。

    みんな仲良し。命は地球より重い。
    みんな助け合って譲り合って、みんな一緒。

    学校や家庭でそう教えるも、現実との乖離は否めない。
    そこを鋭く追及する。

    格差社会や夫婦別姓、死刑制度や死生観など
    デリケートな問題をテーマにしているだけに
    そのズバリ批判はなかなか爽快な部分が多い。

    リアリスト、というのもまた違う。
    著者自身は法律でも憲法でもない部分に「美学」を求める。
    どんなものが美学なのか、ということではない。
    自分なりの美学を研ぎ澄ましているのか、ということが重要なのだと言う。

    武士の美学、騎士の美学、若者の美学、女の美学、政治家の美学、技術者の美学。
    人間の個性は知識や容姿よりも、この「美学」にこそ現れるのだと。

    おおお、言うねぇ(笑)
    なかなか好きだよ、そういう考え方。

    日本において、かなり多くの行動や思想は「自由」が与えられている。
    思想の自由、言論の自由、就職の自由などなど。
    そんな中で著者が問題視しているのは

    「他人に迷惑をかけなきゃ何したってどうなろうと関係ないし、自分の自由じゃん。」

    という「美しくない」セリフをしゃあしゃあと言う輩なのだそうだ。

    コンビニの前に座り込んで煙草を吹かす人。
    「見せパン」と称しパンツ丸出しで歩く高校生。
    朝のラッシュに電車内で平気でアダルト雑誌を読む奴。

    わざわざ法律で裁くまでもないが何かと迷惑な人々。
    でも実害を被ったかというとそうでもない。
    そういう人々にこそ「己の美学」という概念が必要なのだと説く。


    また「平等」という言葉の「都合のよい捉えかた」にも言及している。
    何がどのように平等なのかを考えず、
    都合のよいときに「平等じゃない!不公平だ!」と唱えることが問題であるとする。
    実はこれに関しては、かの有名な福沢諭吉が答えを出している。

    天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずと言えり。

    非常に有名な言葉であるが、文脈を知らなければただの平等主義である。
    そのあとの文章が非常に大事なのだ。

    なのに貧富の差もあれば身分の差もあり、
    まさにそれらは雲泥の差である。
    なぜかと問えば答えは明白。
    賢人と愚人の差は「智」のあるなしによって決まるからだ。
    そしてその差は「学ぶか学ばないか」によって決定されるのだ。(電電意訳)

    だからこそ福沢諭吉はこの本のタイトルを

    「学問のすすめ」

    としたのである!
    スッキリー!
    平等というのはあらゆる自由が許されたり、
    税金額がいっしょだったりとか、
    生まれが違うとか、
    そういったチャチなことではないと仰っているのだ。

    リアリストながら堅実ですねぇ。さすがは一万円!

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    2010年04月19日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    内容は現行の「道徳教育」への批判というよりも、
    世論で広まっている様々な「キレイゴト」について、
    いろんな人の立場や状況に立って考察し、
    痛烈に「キレイゴト」を批判するもの。

    実際、著者の批判する「キレイゴト」には
    ボランティア、夫婦別姓、教育勅語、死刑制度など、
    かなり社会的な問題についてのものが多く、
    学校現場で扱われる「道徳教育」への批判としては
    少々ずれた論の展開になっていることは否めない。
    (実際の授業は、主に日常の話題が多いので…)

    ただし、彼自身の得意分野は「正義」で、
    著者自身が教職の授業に関わっているために、
    教師を対象とした道徳教育の「論」として
    自身の見解を述べている感じである。


    賛否の分かれる著書だとは思うが、
    巷の「キレイゴト」よりまっとうと思われる意見が多く、
    個人的には考えさせられる部分も多い。
    著者の希望通り、
    現場の教師にも読んでほしい本だと思う。

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    2009年10月04日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    「己の美学」というネーミングがいいかは別にして、単なるキレイゴトの道徳で終わらせずに自分で考えることの重要性を説く筆者の主張は最もだと思う。
    一部の章ではその論理に疑問が残ったが、教育勅語や皇室に関する章では自分が思考停止に陥っていることを改めて痛感させられた。

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    2009年10月04日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    電車の中で化粧する女。
    外見ばかり気にする男。
    批判的な眼差しを向ける大人に対し若者達は言う。
    「別に人に迷惑かけてないじゃん!」。
    この殺し文句に対する反論を、現在の道徳教育は持ち得ない。
    「価値の多様性を認めましょう」といった美辞麗句では何も解決しない。
    子供達には「己の美学」を持つことを教えるべきなのだ。
    ほんとうに身につく道徳教育論を展開し、さらに「立ち会い出産」「強制ボランティア」「男女産み分け」「夫婦別姓」「死刑廃止」といった問題にも一石を投じる意欲作。

    [ 目次 ]
    序章 相手の立場を考えるとはどういうことか
    基礎編(キレイゴト教育からの脱却 立ち会い出産は感動的なのか? 「ボランティア」とはそんなによいことなのか? 生誕の美学 死の美学)
    応用編(「格差なき社会」は可能なのか? 「教育勅語」は唾棄すべきものなのか? 「夫婦別姓」は価値の多様性の表れなのか? 死刑囚の命は地球よりも重いのか?)
    まとめ(これだけは知っておきたい道徳理論 美学としての「自分らしさ」)

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    [ 参考となる書評 ]

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    2011年04月20日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

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    「いじめ」などの問題を解決するための道徳教育に、キレイゴトはいらない!一人一人が美意識を持つことが大切。などの意見が盛り込まれていたと思います。
    なかなか大胆な語り口でございました。

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    2009年10月04日
  • 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする!

    Posted by ブクログ

    今の子どもたちに必要なのはきれい事的な道徳教育ではなく、「己の美学」を持つことを教えることだ、というのが主旨。「男女産み分け」についての著者の考えは、私にとって「目からうろこ」でした。

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    2011年08月03日