鳥山石燕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
江戸期の妖怪画家、鳥山石燕の浮世絵集。
---------
水木しげるに始まって、手塚治虫の「どろろ」や京極堂、畠中恵「しゃばけ」まで、現代に通ずる妖怪の源泉はここなのだな、と思いました。とても面白かったです。
書き込まれている文字というのは現代の一般的な教養では読み解くことができませんが、対訳が同じページに書かれているので、それを見ながら絵中の文章を解読するという遊びができて、1ページ1ページじっくり見てしまいました。これも新鮮な学びがあって楽しかったです。
ところで日本にはニュウナイスズメというスズメに似た鳥が生息していますが、そのニュウナイスズメの語源となるエピソードが入っていたことがま -
Posted by ブクログ
江戸時代の画家・鳥山石燕による妖怪画集全点を紹介する。
・画面百鬼夜行 陰 陽 風
・今昔画面続百鬼 雨 晦 明
・今昔百鬼拾遺 雲 霧 雨
・百器徒然袋 上 中 下
解説 多田克己 索引有り。
天狗、山姥、猫また、河童などのよく知られた妖怪。
鳴屋(やなり)、姑獲鳥、鈴彦姫などの、現代小説の妖怪。
そんな妖怪たちに姿を与えた、鳥山石燕の妖怪画集。
様々な書籍、謡曲、各地の伝説や民間伝承に、創作も。
夜が暗かった江戸時代の妖怪たちの、怖いよりも、
何か身近感が味わえる姿が描かれている。
その想像力の素晴らしいこと!
そして、水木しげるや京極夏彦、「しゃばけ」シリ -
Posted by ブクログ
「画図百鬼夜行」の他、「今昔画図続百鬼」、「今昔百鬼拾遺」、「百器徒然袋」の全てが収録されている
画図百鬼夜行は京極夏彦関連でよく目に耳にするけど、ちゃんと見たことなかったと思って購入
---------------------------
かまいたち、火車、姑獲鳥、ぬらりひょん、狂骨、牛鬼……現代の小説や漫画でも馴染み深い妖怪たち。その姿形をひたすら描いた江戸の絵師がいた。当時の文化人が一目を置くほどの博識と類まれなる画力を持ち、現代にいたるまで妖怪画家たちに大きな影響を与え続けている鳥山石燕。その妖怪画集全点「画図百鬼夜行」「今昔画図続百鬼」「今昔百鬼拾遺」「百器徒然袋」を、コンパ -
Posted by ブクログ
江戸時代に描かれた作品なのに、現代まで妖怪のイメージとして残り続けているというのがすごい。
それは、石燕が妖怪画というジャンルを一度完成させてしまったということなのではないかと思います。
自然現象や、見知らぬ他人の行い、身辺の調度品まで、至るところに妖怪の姿を見いだしているので、きっと妖怪って今よりずっと身近な存在だったんでしょうね。
描き方も妙に漫画的だったりするところが面白いです
あと、絵とセットになってくずし字で解説が書かれているのですが、これが非常に平易な文な上に教科書通りと言えるくらいきれいにくずしてあるので、そっち方面の入門書としても使えるかも、と思いました -
Posted by ブクログ
江戸時代の妖怪絵師として知られる鳥山石燕の妖怪画集全四冊(『画図百鬼夜行』・『今昔画図続百鬼』・『今昔百鬼拾遺』・『百器徒然袋』)を収録した本。これらの画集に載っている全妖怪画を掲載しているほか、序文や詞書の翻刻を載せている。
本書の魅力は、石燕の妖怪画集を文庫本サイズで安価に見られるという点に尽きる。登場する妖怪たちは千差万別で、今日の妖怪像にも強い影響を与えているものばかりであり、見ているだけで楽しめる一冊となっている。
ただ各妖怪画の解説や詞書の現代語訳が載っていなかった点が欠点として挙げられる。せめて古文でも読めるよう難解語句に対する注釈は欲しかった。