【感想・ネタバレ】鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集のレビュー

あらすじ

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かまいたち、火車、姑獲鳥(うぶめ)、ぬらりひょん――。あふれる想像力と類まれなる画力で、さまざまな妖怪の姿を伝えた江戸の絵師・鳥山石燕。その妖怪画集全点を、コンパクトに収録した必見の一冊!

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江戸期の妖怪画家、鳥山石燕の浮世絵集。
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水木しげるに始まって、手塚治虫の「どろろ」や京極堂、畠中恵「しゃばけ」まで、現代に通ずる妖怪の源泉はここなのだな、と思いました。とても面白かったです。
書き込まれている文字というのは現代の一般的な教養では読み解くことができませんが、対訳が同じページに書かれているので、それを見ながら絵中の文章を解読するという遊びができて、1ページ1ページじっくり見てしまいました。これも新鮮な学びがあって楽しかったです。
ところで日本にはニュウナイスズメというスズメに似た鳥が生息していますが、そのニュウナイスズメの語源となるエピソードが入っていたことがまた面白かったです。ニュウナイとはそういう意味だったのかあ。あと、鬼が履いてる虎皮のパンツの秘密とかも。
しかし惜しむらくはこんな楽しい絵図の本を文庫本にしてしまった点でしょうか。もうちょっと大きな絵で楽しみたかったです。

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2025年05月25日

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江戸時代の画家・鳥山石燕による妖怪画集全点を紹介する。
・画面百鬼夜行 陰 陽 風
・今昔画面続百鬼 雨 晦 明
・今昔百鬼拾遺 雲 霧 雨
・百器徒然袋 上 中 下
解説 多田克己  索引有り。

天狗、山姥、猫また、河童などのよく知られた妖怪。
鳴屋(やなり)、姑獲鳥、鈴彦姫などの、現代小説の妖怪。
そんな妖怪たちに姿を与えた、鳥山石燕の妖怪画集。
様々な書籍、謡曲、各地の伝説や民間伝承に、創作も。
夜が暗かった江戸時代の妖怪たちの、怖いよりも、
何か身近感が味わえる姿が描かれている。
その想像力の素晴らしいこと!
そして、水木しげるや京極夏彦、「しゃばけ」シリーズなどの
原点であることをバリバリと感じてしまう。
ちなみに大河ドラマ「べらぼう」では片岡鶴太郎が
鳥山石燕を演じるって。怪しさ抜群!

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2025年01月12日

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この本を読むと江戸の街を練り歩く沢山の妖怪たちに出会った気分になることが出来ます。また、画家石燕による迫力のある妖怪画も楽しめます。我が家の家宝です。

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2022年07月03日

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小さな頃から妖怪が大好きな自分にとって、ただただ眺めているだけで楽しい一冊です。
妖怪好きは是非とも一冊持っていてほしい!
いやほんと、何時間でも飽きる事なく見てられる。。
妄想力って本当に素晴らしいです。

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2019年10月06日

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大妖怪展で購入。京極夏彦先生の百鬼夜行シリーズの口絵などでお馴染みの鳥山石燕の絵の本物を見られて大興奮!

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2016年08月22日

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妖怪関連の大定番とも言える鳥山石燕の妖怪画。
怖い恐ろしいといった感情が出てくるよりも、愛嬌(?)ある妖怪たちに見入ってしまいます。

本屋さんで見つけたら即買いました。手元に置いてじっくり読みたかったのです。

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2013年08月18日

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画図百鬼夜行が文庫の形で出版されるなんで、思いもしなかった。だから本屋で見たとたん、買うのが決めました。

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2013年07月17日

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手頃な価格が嬉しい妖怪を題材とした作品の元ネタ本的存在。絵師・石燕のコメントも付いており、多田克己氏の解説と合わせて楽しめる。いくつかの妖怪は石燕の言葉遊びで生まれた創作だったりするので、どれがそれか探してみるのもまた違った楽しみ方である。

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2012年04月18日

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「画図百鬼夜行」の他、「今昔画図続百鬼」、「今昔百鬼拾遺」、「百器徒然袋」の全てが収録されている

画図百鬼夜行は京極夏彦関連でよく目に耳にするけど、ちゃんと見たことなかったと思って購入

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かまいたち、火車、姑獲鳥、ぬらりひょん、狂骨、牛鬼……現代の小説や漫画でも馴染み深い妖怪たち。その姿形をひたすら描いた江戸の絵師がいた。当時の文化人が一目を置くほどの博識と類まれなる画力を持ち、現代にいたるまで妖怪画家たちに大きな影響を与え続けている鳥山石燕。その妖怪画集全点「画図百鬼夜行」「今昔画図続百鬼」「今昔百鬼拾遺」「百器徒然袋」を、コンパクトな一冊に収録する決定版。解説・多田克己
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妖怪画の始祖とも言われる鳥山石燕
現代日本の妖怪のビジュアルイメージは水木しげるによる影響が多いけれども、その源流がここにある
石燕は狩野派の画家で非常に博識だったとの事
日本や中国の古典、和歌、軍記物、浮世草子、謡曲などの記述を元に描かれた妖怪たち

ただ、元となる記述から鳥山石燕が創作したとされる妖怪も多数あるらしい
Wikipedeiaにもその辺が載っていて、大体1/3くらいは創作のようだ


「しゃばけ」(畠中恵)のアニメを見て、そう言えば最初に出てくるのは鈴彦姫だったなと
で、この妖怪はこんなに昔からいる妖怪なのかと気になって調べたら、百器徒然袋に載ってるくらいに昔からいる
ただ、鳥山石燕の創作というのも知って、改めて画図百鬼夜行をちゃんと見ておこうと思って読んだ

私の妖怪に関するイメージと言えば
子供の頃は「ゲゲゲの鬼太郎」
中高生のあたりは「地獄先生ぬ~べ~」「うしおととら」
大学生の頃に京極夏彦という作家の存在を知り、「百鬼夜行」シリーズを読んだのは社会人になってからで、もうちょっと後に「しゃばけ」シリーズを読み始めて、途中までの既刊まで読んで以降は休止中


飛頭蛮は「うしおととら」で初めて聞いた名前だけど
その実はろくろ首だったりするし
似たようなネタが「地獄先生ぬ~べ~」でもあった
幽体離脱とろくろ首の錯誤とかね

「うしおととら」で言うなら、雲外鏡も石燕の創作だったんだな

宮崎駿のアニメ映画「君たちはどう生きるか」に出てきたアオサギが「青鷺火」をモデルにしてる
これは鳥山石燕の創作ではなく、和漢三才図会にも由来するようだ


現代で有名だったり日常の会話でも出てくるような者の中で鳥山石燕による創作のもの
「雨女」は元となる記述があるけど、それを雨女と名付けたのは鳥山石燕なのだろうか?

「狂骨」はゲゲゲの謎でも重要な役割を果たす妖怪だなぁ
ただ、大型化したら餓者髑髏と区別がつかない気がするんだが……
まぁ、野原で野垂れ死んだか、井戸の死体かの違いで、結局は亡くなった人たちの怨念が骨となって出てくるという共通点ではある

「泥田坊」も創作なのが意外
田んぼを大事にしない子孫に対する警鐘の役割を持つ存在だけに、結構昔からいてもおかしくないと思うのだけど

こんな感じで掘り下げていくと妖怪はキリがないので、とりあえずここまでにしておく

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2025年11月05日

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ネタバレ

京極夏彦の百鬼夜行シリーズと巷説百物語シリーズを再読中なので久々にパラパラと。
可愛らしい絵が載っているのみで、あまり説明がないのが少し残念。
それでも見てるだけで引き込まれる不思議な魅力がある作品です。

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2024年08月28日

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江戸時代、鳥山石燕が日本の多様な妖怪を描いた画集。好評を博したようで、続編をどんどん描いていったようだが、最後の方は「それは妖怪?」みたいなものも多い。ただ、色々なものに神が宿ったり、化して動き出すという日本人の世界観が垣間見えて面白い。

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2023年08月10日

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知り合いに薦められて買いました!満足なボリュームでしたが、私としては一番好きな妖怪・「タタリモッケ」も入れて欲しかったです。でも読み応えは抜群でした!高くなっても良いので、出来れば全妖怪を新装版として出して欲しいくらいでした!

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2023年02月08日

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鳥山石燕による百鬼夜行の全画集。すべてが妖怪なわけではなく石燕の当時の洒落やお遊びで作った妖怪も多く加わる。暗い江戸の街で、この絵の妖怪たちが跋扈していたことを想像するとそれだけでもうワクワクする。

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2021年07月14日

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 巻頭「画図百鬼夜行」の跋文に「桜木にうつしぬ」とある。桜木は版木。言わずもがなのことながら、絵師の描線を凸版に移す彫師の腕も超絶技巧。
 跋文の続きに「童蒙の弄ともならんかし」とある。花柳界や男色に由来するシモネタ妖怪は「画図百鬼〜」に見られない。「今昔画図続百鬼」からチラホラ出没してくる。鳥山石燕の狂歌師の血が騒いだのだろう。
 水木しげるに多大な影響を及ぼした巨匠の妖怪画が文庫サイズで総覧できる。妖怪ファン必携の一冊。

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2021年01月06日

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江戸時代に描かれた作品なのに、現代まで妖怪のイメージとして残り続けているというのがすごい。
それは、石燕が妖怪画というジャンルを一度完成させてしまったということなのではないかと思います。

自然現象や、見知らぬ他人の行い、身辺の調度品まで、至るところに妖怪の姿を見いだしているので、きっと妖怪って今よりずっと身近な存在だったんでしょうね。
描き方も妙に漫画的だったりするところが面白いです

あと、絵とセットになってくずし字で解説が書かれているのですが、これが非常に平易な文な上に教科書通りと言えるくらいきれいにくずしてあるので、そっち方面の入門書としても使えるかも、と思いました

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2014年10月27日

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京極ファンとしては、ぜひ手元に置きたい!とかねてより思っていたところ、カドフェス2014に載っていたので購入(*´∀`)♪妖怪ものをよく読むから、京極作品だけでなく他の作品に登場する妖怪もたくさん登場してて嬉しかった(^o^)♪

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2014年09月07日

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江戸時代の絵師・鳥山石燕の作品を一気に見ることが出来る。
文庫サイズであるため少々見にくい部分もあるが、手軽さは評価したい。
伝承に出てくるようなマイナーな妖怪から玉藻の前まで揃っているが、やや統一感がなく雑多な印象も受ける。(院生アルバイト)

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2013年11月11日

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江戸時代の妖怪絵師として知られる鳥山石燕の妖怪画集全四冊(『画図百鬼夜行』・『今昔画図続百鬼』・『今昔百鬼拾遺』・『百器徒然袋』)を収録した本。これらの画集に載っている全妖怪画を掲載しているほか、序文や詞書の翻刻を載せている。
本書の魅力は、石燕の妖怪画集を文庫本サイズで安価に見られるという点に尽きる。登場する妖怪たちは千差万別で、今日の妖怪像にも強い影響を与えているものばかりであり、見ているだけで楽しめる一冊となっている。
ただ各妖怪画の解説や詞書の現代語訳が載っていなかった点が欠点として挙げられる。せめて古文でも読めるよう難解語句に対する注釈は欲しかった。

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2013年01月19日

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京極夏彦小説の元ネタ妖怪である鳥山石燕の描いた図画集。お手軽文庫化でお安く手に入れた。なので読むというより眺めました。石燕の絵は不思議に現代的でもあり、その妖しさはたまりません。京極ファンには必須。

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2012年04月20日

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狩野派だった鳥山石燕が好んで描き、人気が立ったのが妖怪・物の怪の浮世絵だった。彼の描いた物の怪とそのコメントを集めた百鬼夜行4冊を一冊にまとめた本。
彼のコメントを現代語に書き起こしたのはいいが、さらにそれの解説文があるとより楽しいものになったかも。

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2025年01月18日

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セキエンさん、はじめて知りました。
元祖「妖怪画家」なのね。

妖怪だらけの画集だから
怖い絵ばかりかと思うところ。
もう、全然〜( ^∀^)
一見おどろおどろしくても
よーく表情を見ると
どれも、ちょっととぼけている。

「目目連」や「琵琶牧々」あたり
漫画につながる感じの描き方が好き。
こういう図録は昔の人々にとって
娯楽と学びを兼ねた
大切な本だったことでしょう。

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

妖怪好きなら知らぬ者はいない、かの鳥山石燕の妖怪画集全点を収録した一冊。考えたら一部は挿絵などで見たことあっても全てを見たことはなかったなと思って。江戸の洒落とかの知識があればもっと楽しめるのでしょうが、絵を見るだけでも面白かったです。個人的に”三味長老(しゃみちょうろう)”が可愛くて好きでした。楽器、食器系は味があっていい感じ。

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2023年12月24日

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ひたすら妖怪の絵が書いてある。付喪神や風刺画みたいなのもある。構図がいい。どこか可愛げがある妖怪もいる。水木先生の妖怪辞典と比べても楽しい。

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2023年01月09日

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妖怪画大集合。妖怪なのにどこかコミカルな雰囲気が漂っているのがいい。画を見ているだけで楽しい。
生活のすぐそばに妖怪がいたんですね。

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2023年05月13日

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ネタバレ

しげおか秀満さんのポッドキャスト「おばけラジオ」第1回、第7回で予習してから読んでみた。
ひたすらビジュアル。後年の手による解説はなし。狂歌や皮肉や洒落やパロディで満ちているんだとか。
なんでも絵巻ではなくページ単位の図鑑形式にしているのが画期的だったのだとか。
さらにいえば本草学者にして平賀源内の行った薬品会=物産会から影響を受けている、つまり博物学志向のひとつのあらわれなんだとか。
このあたりは香川雅信「江戸の妖怪革命」にもあった。
そして感じ入ったのは、水木しげるの妖怪図鑑がいかにリミックスというかデータベースというかヒップホップというかあたりかまわずというか、そういう感覚に貫かれているのだな、と。
さらにさらに鳥山石燕そのものもオリジナルではなく、博学を駆使して貪欲にネタを掘っているので、そもそも妖怪を楽しむ姿勢がそういうものだった、と。
今風にいえば「ぼくのかんがえたさいきょうのようかい」か。
こりゃ果てしない沼だなと気づいた。

追記
池澤夏樹が、スクロールとコデックスについて述べていたことを思い出す。
テクノロジーと文化内容は同時に(進化というか)変容する、ということの例として、妖怪文化を考えるのも面白いのかも。



『画図百鬼夜行』

前篇 陰
木魅(こだま)
天狗(てんぐ)
幽谷響(やまびこ)
山姥(やまうば)
山童(やまわろ)
犬神(いぬがみ) 白児(しらちご)
猫また(ねこまた)
河童(かっぱ)
獺(かわうそ)
垢嘗(あかなめ)
狸(たぬき)
窮奇(かまいたち)
網剪(あみきり)
狐火(きつねび)

前篇 陽
絡新婦(じょろうぐも)
鼬(てん)
叢原火(そうげんび)
釣瓶火(つるべび)
ふらり火(ふらりび)
姥が火(うばがび)
火車(かしゃ)
鳴屋(やなり)
姑獲鳥(うぶめ)
海座頭(うみざとう)
野寺坊(のでらぼう)
高女(たかおんな)
手の目(てのめ)
鉄鼠(てっそ)
黒塚(くろづか)
飛頭蛮(ろくろくび)
逆柱(さかばしら)
反枕(まくらがえし)
雪女(ゆきおんな)
生霊(いきりょう)
死霊(しりょう)
幽霊(ゆうれい)

前篇 風
見越(みこし)
しょうけら
ひょうすべ
わいら
おとろし
塗仏(ぬりぼとけ)
濡女(ぬれおんな)
ぬらりひょん
元興寺(がごぜ)
苧うに(おうに)
青坊主(あおぼうず)
赤舌(あかした)
ぬっぺふほふ
牛鬼(うしおに)
うわん



『今昔画図続百鬼』

上之巻/雨
逢魔時(おうまがとき)
鬼(おに)
山精(さんせい)
魃(ひでりがみ)
水虎(すいこ)
覚(さとり)
酒顛童子(しゅてんどうじ)
橋姫(はしひめ)
般若(はんにゃ)
寺つつき(てらつつき)
入内雀(にゅうないすずめ)
玉藻前(たまものまえ)
長壁(おさかべ)
丑時参(うしのときまいり)

中之巻/晦
不知火(しらぬい)
古戦場火(こせんじょうひ)
青鷺火(あおさぎび)
提灯火(ちょうちんのひ)
墓の火(はかのひ)
火消婆(ひけしばば)
油赤子(あぶらあかご)
片輪車(かたわぐるま)
輪入道(わにゅうどう)
陰摩羅鬼(おんもらき)
皿かぞえ(さらかぞえ)
人魂(ひとだま)
船幽霊(ふなゆうれい)
川赤子(かわあかご)
古山茶の霊(ふるつばきのれい)
加牟波理入道(がんばりにゅうどう)
雨降小僧(あめふりこぞう)
日和坊(ひよりぼう)
青女房(あおにょうぼう)
毛倡妓(けじょうろう)
骨女(ほねおんな)

下之巻/明
鵺(ぬえ)
以津真天(いつまで)
邪魅(じゃみ)
魍魎(もうりょう)
狢(むじな)
野衾(のぶすま)
野槌(のづち)
土蜘蛛(つちぐも)
比々(ひひ)
百々目鬼(どどめき)
震々(ぶるぶる)
骸骨(がいこつ)
天井下(てんじょうくだり)
大禿(おおかぶろ)
大首(おおくび)
百々爺(ももんじい)
金霊(かねだま)
天逆毎(あまのざこ)
日の出(ひので)



『今昔百鬼拾遺』

上之巻/雲
蜃気楼(しんきろう)
燭陰(しょくいん)
人面樹(にんめんじゅ)
人魚(にんぎょ)
返魂香(はんごんこう)
彭侯(ほうこう)
天狗礫(てんぐつぶて)
道成寺鐘(どうじょうじのかね)
燈台鬼(とうだいき)
泥田坊(どろたぼう)
古庫裏婆(こくりばば)
白粉婆(おしろいばば)
蛇骨婆(じゃこつばば)
影女(かげおんな)
倩兮女(けらけらおんな)
煙々羅(えんえんら)

中之巻/霧
紅葉狩(もみじがり)
朧車(おぼろぐるま)
火前坊(かぜんぼう)
蓑火(みのび)
青行燈(あおあんどん)
雨女(あめおんな)
小雨坊(こさめぼう)
岸涯小僧(がんぎこぞう)
あやかし
鬼童(きどう)
鬼一口(おにひとくち)
蛇帯(じゃたい)
小袖の手(こそでのて)
機尋(はたひろ)
大座頭(おおざとう)
火間虫入道(ひまむしにゅうどう)
殺生石(せっしょうせき)
風狸(ふうり)
茂林寺釜(もりんじのかま)

下之巻/雨
羅城門鬼(らじょうもんのおに)
夜啼石(よなきのいし)
芭蕉精(ばしょうのせい)
硯の魂(すずりのたましい)
屏風闚(びょうぶのぞき)
毛羽毛現(けうけげん)
目目蓮(もくもくれん)
狂骨(きょうこつ)
目競(めくらべ)
後神(うしろがみ)
否哉(いやや)
方相氏(ほうそうし)
瀧霊王(たきれいおう)
白沢(はくたく)
隠里(かくれざと)



『百器徒然袋』

巻之上
宝船(たからぶね)
塵塚怪王(ちりづかかいおう)
文車妖妃(ふぐるまようひ)
長冠(おさこうぶり)
沓頬(くつつら)
ばけの皮衣(ばけのかわごろも)
絹狸(きぬたぬき)
古籠火(ころうか)
天井嘗(てんじょうなめ)
白容裔(しろうねり)
骨傘(ほねからかさ)
鉦五郎(しょうごろう)
払子守(ほっすもり)
栄螺鬼(さざえおに)

巻之中
槍毛長(やりけちょう) 虎隠良(こいんりょう) 禅釜尚(ぜんふしょう)
鞍野郎(くらやろう)
鐙口(あぶみくち)
松明丸(たいまつまる)
不々落々(ぶらぶら)
貝児(かいちご)
髪鬼(かみおに)
角盥漱(つのはんぞう)
袋狢(ふくろむじな)
琴古主(ことふるぬし)
琵琶牧々(びわぼくぼく)
三味長老(しゃみちょうろう)
襟立衣(えりたてごろも)
経凛々(きょうりんりん)
乳鉢坊(にゅうばちぼう) 瓢箪小僧(ひょうたんこぞう)
木魚達磨(もくぎょだるま)
如意自在(にょいじざい)
暮露々々団(ぼろぼろとん)
箒神(ほうきがみ)
蓑草鞋(みのわらじ)

巻之下
面霊気(めんれいき)
幣六(へいろく)
雲外鏡(うんがいきょう)
鈴彦姫(すずひこひめ)
古空穂(ふるうつぼ)
無垢行騰(むくむかばき)
猪口暮露(ちょくぼろん)
瀬戸大将(せとだいしょう)
五徳猫(ごとくねこ)
鳴釜(なりがま)
山颪(やまおろし)
瓶長(かめおさ)
宝船(たからぶね)
宝船(たからぶね)

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2021年02月16日

Posted by ブクログ

慣れない言い回しに苦戦して、一冊を読み終えるのに2年もかかっていた。数か月手を付けなかった期間があるにせよ、われながらびっくりである。勉強よりは娯楽として眺めていたはずなのに、妙に意地になって「これはこういうことであろうか……?」などと気づけば一生懸命に読んでいた。かわいそうなわたしに解説してくださる方を募集したいほどだ。「あの小説に出てきた!」とか「あの伝承の妖怪!」と楽しかったのだが、解説に石燕が洒落で創作した怪異もあると種明かしされていて、それにもまた驚いた。すべて読んだので今度こそ眺めて楽しもう。

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2016年07月20日

Posted by ブクログ

江戸時代の絵師が、自身で考えたものや、以前描かれたもの、徒然草、民間に伝わるものをアレンジして描いたもの。
 民間伝承を因果物へ落とし込む作業も多々あるものの、氾濫するダジャレ、ありとあらゆるものをとにかく妖怪化しようというモチベーションに、絵師へ憑いたデモーニッシュなものを感じる。

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2014年09月18日

Posted by ブクログ

名だたる妖怪作家たちに影響を与えた妖怪好きにとってのバイブルが一冊の文庫本に……!
解説が少な目だったけども、それはそれでいいのかもしれない。これは、買いでしょう!

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2014年08月22日

Posted by ブクログ

説明文が絵の下に付いているが、漢文古文が苦手な自分には読解不能でした。
現代語訳がついていればなお良かったです。
日本の妖怪以外にも中国のものが含まれます。

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2014年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

画集で基本的に説明がないさっぱりとした構成なので、
ぱっと見なんだかわからない妖怪も多数。
気になったら名前でググる、という使い方をすれば
より妖怪たちに愛着が湧くかもしれない。

全体的に絵のテイストが可愛いらしい。
妖怪の存在にどことなく愛嬌を感じてしまうのは
きっとずっと昔からなんだね。

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2014年02月22日

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