数土直紀のレビュー一覧

  • 自由という服従

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    われわれは「罪を犯す自由」を実は持っている。しかしそうしないのは、そうすることによって「自由」が奪われることを知っているからである。自由は不自由によって保証されるといえば、わたしの考えとかなり近い。

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    2009年10月04日
  • 自由という服従

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    第1章の最初の問いかけ
    「自由=幸せ」って本当?

    自由を「制約からの解放」と捉えるのは甘い!
    自由と服従とは表裏一体なのだ。
    自由だからこそ、人は権力にとらわれていく。

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    2019年12月27日
  • 自由という服従

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    最近ニュースなどで、「自由」という言葉を聞くことが増えています。
    この言葉が用いられると、「良い」というイメージが付きまといます。
    しかし、実際には「自由」とは何かを真剣に考えることはあまりありません。
    本書は、「自由であるって、本当に幸せなんだろうか」という問題意識を提起するものです。
    「自由である」ということは、自分に選択肢が与えられるということであり、
    したがって、他人がその人となりを判断できることになります。
    著者は、身近な題材・ユニークな題材を用いて、自由と服従(従属)の関係を類型化しようと試みます。
    「人は、自由であるがゆえに、知らず知らずのうちに、他人の評価を気にし、それに服従し

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    2009年10月04日
  • 自由という服従

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    自由と服従との交錯した関係について論じている本です。

    ただし本書は、現在でもときおり見られるフーコーの亜流のような、観念の操作によって近代的な主体性の陥穽を考察する本ではありません。社会状況の単純なモデルを想定し、簡単なゲーム理論の手法を用いて、自由であることが服従へとつながっていく理路が存在しうることを指摘しています。

    とりあげられている題材には、サッカー日本代表の選抜をめぐるトルシエ監督と中田英寿、中村俊輔の駆け引きのほか、小笠原祐子の『OLの〈レジスタンス〉』(中公新書)や江原由美子らによる男女の会話についての権力分析、岸政彦による建築労働者の参与観察記録などがあり、読者の関心を引く

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    2017年12月16日
  • 自由という服従

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    他人が自分を評価しないことを受け入れることができない限り、つまり他者はいつだって自分を評価してもらいたいと考えているか限り、かえって自分は他者に縛られ、自由でありながら、自由をうしなうことになる。

    ポストモラトリアム時代の若者たちにも通じる。
    スティグマから逃れることも難しいが、それを幻影と考えてみるのも手である。

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    2013年06月28日
  • 自由という服従

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    なんとなく生きづらい、と思うことがあれば読んでほしい。
    第1章と第6章を読むだけでもかなり救われる。モデル化した上での分析はいまいち腑に落ちなかったけど、結論として言いたいことはよくわかる。
    自分が自由な社会の中で、なぜこんなにももがいているのかがわかった。

    ちなみに、第5章はエスノグラフィーをベースにしてあるのでとてもおもしろかった。読んでいるだけでその世界に足を踏み入れた気分を味わえるのって、いい。

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    2012年09月11日
  • 日本人の階層意識

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    「意識」はどこまで「自由」なのか。この問いかけにひかれて興味深く読めた。「一億総中流」から「格差社会」へ、日本人の階層意識はダイナミックに変化しているが、その内実をあくまで実証的に検証しているところに本書の特徴がある。学術論文ほど厳密な論考ではなく、あくまで一般向けなんだろうが、やはり硬くて繰り返しの多い文章で決して読みやすくはない。それでも日頃なじみのない数理社会学・計量社会学の考え方がとても新鮮で面白かった。

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    2011年09月06日