遠藤ケイのレビュー一覧

  • 蓼食う人々

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    令和である今でも食の現地報道として相応しい一冊でした。
    単なるゲテモノ食いを紹介した本ではなく、実際に現地の人々との捕獲・調達し、"生き物とは""食とは"という考えに向き合った実録です。
    文明が発達した現代でも「生きるために食う」人々のリアルが描かれています。
    食うために生きるのも悪くはない気はしますが、何かにすがって生きているのではない現地人の生き様が格好良かったです。
    割と流通していたり情報がある食材もあれば、縁もゆかりも無い食材や特殊な調達方法もあり、興味深く読めました。
    食い散らかしの飽食文化に突き刺さる。

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    2024年12月04日
  • 蓼食う人々

    Posted by ブクログ

    「蓼食う虫も好き好き」ということわざにちなんでつけられたタイトル。筆者は野ウサギ、岩茸、サンショウウオ、カラス、熊、トドといった動植物を食す人達について一緒に猟をし、解体し・調理して食べる。獲物を得るためのプロセスはいずれも命懸けで、そこには獲物との命の駆け引きが感じられる。そのため解体の場面の描写は生々しく、どこか厳粛な感じを受ける。

    「食うために生きる」ではなく「生きるために命を頂く」行動が、飼育されたものではなく野生の動植物相手に展開される。取り上げられている食物はどれも一般的にはゲテモノの類に入ってきそうだが、貴重な命を美味しく、余すところなく頂く様に、「生きるために食う」とはどうい

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    2021年10月17日
  • 蓼食う人々

    Posted by ブクログ

    日本人が古来食べてきたものたちについてのエッセイ集
    そのものの説明にはじまり、著者が実際に体験した獲り方のルポルタージュ、仲間の様子。
    喰う姿、味の雰囲気などがいちいち生々しく伝わってくる。
    日本の食に対し敬意を払った名著。
    取り上げられている食材が、タイトル通りの蓼から、熊、ウミヘビに至るまで、およそスーパーで売られていないものたちではあるが。
    面白かった。
    普通に面白い本はいつもなら星3つだけど、星の一つは編集者さんへプレゼント。

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    2020年11月24日