櫻川昌哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マクロ経済学の本ですが「複雑そうに見える物事の本質は単純である」とあとがきにあるように専門用語はほとんどなく読みやすいと思います
気になる小さな点としてP.50の
「例えば1000万円の預金を複利で1%の金利で5年間回していくと、約1050万円です。
一方、同じ1000万円を3%複利で回せば、約1150万円です。
金利の違いで車1台買えることになります。」
車1台は変わらないけれど複利ならば1%で1051万円。3%で1159万円でしょう?これでは単利です
面白い点としては「資産価値の決まり方」での株価の簡単な計算式
今期の株価=配当/国債利回り
これはかなりザックリとしているが興味深い -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
「カネ余りの不況」世界史上稀な現象がなぜ日本で起きたのか?
「マクロの論客」明日への直言。
[ 目次 ]
第1章 オーバーバンキング―預金は余っている
第2章 長引く不良債権問題―なぜ増え続けるのか
第3章 BIS規制と会計操作―金融危機はなぜ起こったか
第4章 デフレ―いったい誰が得したのか
第5章 ケインズ経済学の破綻―構造改革と景気
第6章 ペイオフ―預金を減らせ
第7章 郵貯民営化―国債はどこへ行く
第8章 金融立国試論―市場を生かせ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ -
Posted by ブクログ
『経済を動かす単純な論理』は、慶応大学の先生による著作ですが、著者はたったふたつのキーワードで世界経済は説明がつくと言います。それは『リスク』と『バブル』だと言います。リスクを理解するには大数の法則を理解することが鍵であり、それがわかれば証券化の意味が理解できてきます。一方、バブルを理解するには『利子率』と『成長率』の関係を捉えればよいと言います。
証券化は理想的には信用リスクを低減させるものとして考えられていましたが、結果的には原証券(例えば住宅ローン)の債権回収といった基本的な機能がモラルハザード・情報の非対象性などの問題により崩壊してしまいました。よく言われているように格付け機関の不適 -
Posted by ブクログ
主流派経済学が無視あるいは一過性のものとしてきたバブル。しかし、利子率<成長率となる主流派が想定しない「低金利の経済学」によってバブルが合理的・効率的であっても発生し、持続する。低金利の原因は金融仲介機能の不完全性=「金融の劣化」である。金融劣化によって、バブルは経済成長と併せて拡大し一定の規模を持続できるため、バブル資産は株や不動産など代わる代わる対象を替えながらも繋がっていく。バブル資産の典型は貨幣ないし国債であり、今の日本は国債バブルにあるとする。
以上のバブルの理論の紹介は第3章までで論旨明快で興味深い一方で、残りの10章は日本や米国、欧州等におけるバブルの事例などが列挙されているだけ -
Posted by ブクログ
前半は証券化に代表されるように大数の法則によってリスク分散を図ること、「情報の非対称性」(取引に際して一方だけが知っていて、もう一方が知らないことがあると、その「リスク」が価格として上乗せされる)が説明されるが、あまり見るべきものはない。後半のバブル論がちょっと特異。この人の定義では、実態以上の価格になっているものは全てバブルだという。通貨自体、本来50円程度の一万円紙幣は九千数百円のバブルであり、土地・通貨・国債それぞれの間でバブルが行き来しているのだという。成長率が金利を上回る(国債発行が許される根拠として一時期議論になっていたような記憶が、、、)経済では、本来的な価値のない財の価格が上昇