小川和也のレビュー一覧

  • 大佛次郎の「大東亜戦争」

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    本書は、日本思想史を専門とし

    現在は一橋大学大学院講師である著者が

    『鞍馬天狗』で知られる昭和の作家・大佛次郎について論じる著作です。


    吉野作造やクロポトキンらの洗礼を受けた学生時代

    アメリカニズムにも、プロレタリアにも組しなかった戦前、

    作家としてのあり方について葛藤しつつも、日本の勝利を願い信じ続けた戦時中

    そして、「戦後」に絶望し保守主義へと転じた晩年


    筆者は、大佛の生涯を追いつつ

    鞍馬天狗以外の作品や日記等も参照することで、

    一見相反するような思想・信念が、

    一人の作家の中で、複雑に混在していたことを明らかにします。


    鞍馬天狗と坂本竜馬

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    2010年06月27日
  • 大佛次郎の「大東亜戦争」

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    とても興味深い内容。

    ここまで戦争へ協力をし、日本の勝利を願った「自由主義的知識人」というのもすごい。戦後、色々言い訳する他の知識人より、ここまでくるとかえってすがすがしい。なんか突き抜けてる。

    クロポトキンとかロープシンに影響を受けてるのに「鞍馬天狗」を書いちゃう分裂ぶりは、本人の中では矛盾はない。

    そして西欧自由主義者と戦争協力者との共存。

    それが、大佛次郎の偽らざる姿だろう。

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    2009年10月31日
  • 儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉

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    冒頭にあるように徳川の将軍の認知度は家康、家光、綱吉、吉宗、慶喜位で大老についてもほとんど知らない.堀田正俊についても全く知らなかったが、本書で認識を新たにした.綱吉の評判はあまり良くないが、その参謀であった正俊の存在を明らかにしている好著だ.将軍に物が言える立場であることが、江戸城で殺されることになる要因の一つではあろうが、著者はよく調べている、「朝鮮通信使との交流」は面白かった.

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    2015年08月09日
  • 儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉

    Posted by ブクログ

    電子書籍で初めて読んだ本。
    井伊大老以外に江戸幕府で、それも城内で殺害された大老が居たとは知らなかった。
    あの生類憐みの令で有名な綱吉将軍が背後で暗殺を指示したのではないか、スリリングだが一方で本格的な儒学の本でもある。
    学術的にも厚みのある作品だと思った。

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    2014年07月29日