東小雪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレコミックエッセイで読みやすくなっているけれど内容はとっても真剣なものです。
子どもを育てるにあたって何を大切にしたいか、どんな方法で産むかなど、様々な葛藤や気持ちの変化が伝わってきました。
精子を提供してくれる方との話し合いについても描かれています。命に関わることなので簡単にはいかないということは何となく想像できますが、実際には精子提供者本人だけでなく、親やパートナーの方等の気持ちも含めて協力関係を結ばないといけなかったり、経験した人でしか分からない話の一端を垣間見ることが出来ます。
漫画の間に妊活に関するコラムもあって、LGBTの人だけでなく、不妊治療をしている人にも参考になりそうな内 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
実父からの被性虐待児であった事をカミングアウトした自叙伝。
被性虐待児の反応は様々で、一般論で言われるような反応(女児の場合、父を嫌うなど)をする訳ではないこと、『ビリー・ミリガン』でも指摘されていた記憶の欠落(解離)など、その傷の深さに戦慄する。
この本はキャリル・マクブライド『毒になる母親』における、“悲嘆のプロセス”“回復のプロセス”にあたるものだろう。
タカラヅカの「暴力」、LBGT(セクシャルマイノリティ)、ネガティブな母娘関係…
そこに‘他者の暴力に否定される自己’を垣間見る。
こうした事に直面している人は多いと思う。
この本は性虐待のみにフォーカスしたものではな -
Posted by ブクログ
メディア露出した女性同士のカップルの先駆け的な存在ということで筆者を知り、この本にたどりついた。
実父からの性虐待、タカラヅカの内情など、いろいろな意味で衝撃が大きい内容だった。
正直、セクシュアル・マイノリティの問題など、さほどのことではないと感じられるくらい……。
性虐待をうけた被害者がその記憶に蓋をすることがあるというのは知っていたが、その加害者と「仲の良い親子」であり続けることができる(そして、それは自覚的に演じているのではない)というのは、かなりの驚きだった。
ただでさえ周りには気づかれにくいタイプの虐待が、こうしてさらに隠蔽されてしまうことがあるとは……。
しかしそれでも、自分を -
Posted by ブクログ
ネタバレ~内容~
私は実の父から性虐待を受けて育った。
そのことをこうして告白するには、
長い時間が必要だった。
記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間……。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間……。
それでも私は、私が受けたすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。
自分の被害体験を思い出し、性虐待について学んでいくにつれ、近親者による性虐待は、私が想像するよりもずっと多いということを知った。けれど世間は、それを「なかったこと」にしたいのか、その実態にふたをしたままにしている。そんな現状を知ればしるほど、「暴力」と「否認」はとても密接な関係にあると実感