【感想・ネタバレ】なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白のレビュー

あらすじ

2010年、芸名と自身がレズビアンであることをカミングアウトし、2013年には東京ディズニーリゾートで、初の同性カップルによる結婚式を挙げ話題になった、元タカラジェンヌの著者による渾身の書き下ろし作品。実父から性虐待を受けていたという事実を初めて明らかにすることで、この世の中がだれにとっても生きやすいものになるための一助に、本書がなればと願っています。

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Posted by ブクログ

⬛️性虐待を受けた子供の「性的虐待順応症候群」と呼ばれる五つの心理的反応。
①性的虐待の事実を秘密にしようとする。
②自分は無力で状況を変えることはできないと思っている。
③加害者を含めたまわりの大人の期待・要請に合わせよう、順応しようとする。
④暴行を受けたことを認めたがらない。または事実関係が矛盾した証言をする。
⑤暴行されたと認めたあとでその事実を取り消す。

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2018年05月07日

Posted by ブクログ

被害者である自分と、加害者である自分。どちらも、できることなら記憶から消し去って、永遠に忘れてしまいたくなるような記憶だ。けれど、東さんはそれを許さない。決して忘れない、なかったことにはしないという、著者の強い決意のこもった一冊。すさまじい告白だった。

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2018年02月21日

Posted by ブクログ

借りたもの。
実父からの被性虐待児であった事をカミングアウトした自叙伝。
被性虐待児の反応は様々で、一般論で言われるような反応(女児の場合、父を嫌うなど)をする訳ではないこと、『ビリー・ミリガン』でも指摘されていた記憶の欠落(解離)など、その傷の深さに戦慄する。
この本はキャリル・マクブライド『毒になる母親』における、“悲嘆のプロセス”“回復のプロセス”にあたるものだろう。

タカラヅカの「暴力」、LBGT(セクシャルマイノリティ)、ネガティブな母娘関係…
そこに‘他者の暴力に否定される自己’を垣間見る。
こうした事に直面している人は多いと思う。

この本は性虐待のみにフォーカスしたものではない。
こうした「暴力」に直面している人々に立ち直るためのロールモデルとして、また、他者を認め、手を差し伸べる勇気を求められている……そうした悲劇を「なかったこと」にしないために。

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2014年09月18日

Posted by ブクログ

勇気ある一冊。みんな、様々な事情を抱えて生きているけど、それを認めあって、尊重しあって、生きていける社会になればいいと思う。
LGBTについても、詳しく分かってよかった。
いつか、小雪さんと、小雪さんのお母さんが、分かりあえる日が来ますように...。

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2014年09月17日

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いろいろ大変…
頑張って、って思うけど
頑張れる人だとも思う
前にみたディズニーで式挙げてたレズビアンカップルこの人だったんだね‼︎
綺麗で素敵だった✨

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2015年02月08日

Posted by ブクログ

東さんの、虐待、摂食障害などの半生を記した本。
実に壮絶。性同一性障害、ということでしかこの方のことを知らなかったので、この本を書店で見たときはびっくりした。
すごく大変な人生やと思うけど、それでも強く生きていっている東さんを応援しています。

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2014年08月30日

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TVで見る小雪さんはキラキラしていて、さすが元タカラジェンヌだなという印象でしたが、その裏でこんなにも壮絶な過去があったのか(今も戦っている)と衝撃的でした。周りのバックアップもあったとおもいますが、やはり小雪さんにはどんな困難があっても、それをバネにして行動に変える芯の強さがある女性だと感じました

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2014年06月30日

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メディア露出した女性同士のカップルの先駆け的な存在ということで筆者を知り、この本にたどりついた。
実父からの性虐待、タカラヅカの内情など、いろいろな意味で衝撃が大きい内容だった。
正直、セクシュアル・マイノリティの問題など、さほどのことではないと感じられるくらい……。

性虐待をうけた被害者がその記憶に蓋をすることがあるというのは知っていたが、その加害者と「仲の良い親子」であり続けることができる(そして、それは自覚的に演じているのではない)というのは、かなりの驚きだった。
ただでさえ周りには気づかれにくいタイプの虐待が、こうしてさらに隠蔽されてしまうことがあるとは……。
しかしそれでも、自分を完全にだますことはできず、拒食症や自傷行為などのかたちとなって表れてしまうのには、血を吐いてでも健全な道に戻ろうとする人間の本能のようなものを感じた。

壮絶な人生。
著者はそれを受け止め、さらに自分の体験を何らかのかたちで社会に還元しようという覚悟が見える。
それが、少しでも著者の傷を癒すことにつながるよう祈る。

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2023年01月25日

Posted by ブクログ

以前、東小雪さんとひろこさんの同性結婚までを描いたマンガを読んだことがあったので読んでみました。

東さんが宝塚歌劇団時代の厳しい練習や生活を描いた章とひろ子さんと結婚するまで、そして父親と母親との家族との関係を描いています。

つらい経験を乗り切るのは本当に大変なパワーが必要だと思います。
でもこの本で自分自身の体験を訴えることで多くの人が力をもらったのではないでしょうか。

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2017年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

~内容~
私は実の父から性虐待を受けて育った。
そのことをこうして告白するには、
長い時間が必要だった。
記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間……。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間……。
それでも私は、私が受けたすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。
自分の被害体験を思い出し、性虐待について学んでいくにつれ、近親者による性虐待は、私が想像するよりもずっと多いということを知った。けれど世間は、それを「なかったこと」にしたいのか、その実態にふたをしたままにしている。そんな現状を知ればしるほど、「暴力」と「否認」はとても密接な関係にあると実感するようになった。

この本には、幼い日にお風呂場で奪われた「私の生きる力」を取り戻すために書いたものという側面があるだろう。本を書くことが、私の回復のプロセスのたいせつな一部になるのかもしれない。けれども、それだけでなくもし私のこの告白が、生きづらさを抱えるだれかの胸に届いたとしたら、それは著者としてとてもうれしいことだ。そんな祈りを込めて、私が生きてきたこれまでのことを書いてみたい。

~*~*~
この本は、東さんの正直な気持ちが綴ってあり
好感が持てた
どちらかというと辿ってきた道のり、幼少時代、
宝塚時代 薬漬けでODしていた時代
セクシャルマイノリティについてなど 広く書いてある

性虐待に焦点をあてた本なのかと思っていた私には
正直にいえば 物足りなかった

5章からなるうちの4章のみ

もしも 当事者であれば お風呂場というのは
思い当たるふしがあるだろうし
否認したい気持ちや自分に対して思う気持ちなどは
・・・共感が出来るのではないかと思う。

だからこそ、書く方は大変だと思うけど
もう少し踏み込んだ領域
記憶が挙がってきたときのぶれ 気持ちの揺れ幅
辿ってきた恢復への道・・・が読みたかった


カウンセラーの元 母親に事実を告げた場面
「さもありなん」と父の虐待を認めたはずなのに

帰りの電車から、母親のFBの書き込みを見た時の
ショック
「・・・疲れました。いつか笑って、今日のできごとを
話せる日が来ますように」
母は 私の苦しみを
まったく苦しみを理解していなかった
私の性虐待は、笑って話せるようなことではないの。
私の苦しみ、私の地獄そのものなの。

似たような体験がある方には心が揺さぶられるのではないかと思った

私は、あとがきの心情が とてもよかった

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2014年06月07日

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