トマス・モアのレビュー一覧

  • ユートピア

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    正義を断行すれば、それは幸福になるのか。社会の理想形とは、個人の幸福とかけ離れているのだろう。人間は欲にまみれており、不合理な行動を取るが、それが人間の良さなのかもしれない。

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    2025年03月04日
  • ユートピア

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    理想的な国として描かれる「ユートピア」は、「どこにもない国」という意味のギリシャ語を語源としているという皮肉。

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    2022年04月14日
  • ユートピア

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    ネタバレ

    本書内の「ユートピア」は、理想的な共産主義社会のように思えるが、本書の趣旨は、共産主義の礼賛ではなく、16世紀の絶対王政・宗教弾圧に対抗する社会を描くことにある。

    「共産主義社会では真面目に労働しなくなる人が増え生産性が落ちるのではないか」との批判が既に述べられていることが興味深い。

    なお、後にトマス・モアは、正に宗教問題によって処刑されることになる。

    ちなみに、「ユートピア」国には、「アモーロート」市や「アナイダ河」などFF14(漆黒のヴィランズ)が借用したと思われる言葉が使われている。

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    2020年04月18日
  • ユートピア

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    ユートピア(どこにも存在しない、という意味)という名前の国家に滞在した人物からその国家の全貌が語られる物語。全体的に、国家としての特徴・社会について纏められた本となっているので、物語性を求める人には向いていないかも。
    ただし、所謂ディストピア小説を好む方には一度は読んでもらいたい内容となっている。
    理想郷=汚れ(戦争・奴隷)が無い世界?
    財産(金銀財宝)についての価値観はどうなる??
    など、疑問を抱きながらページをめくれる一冊となっている。

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    2016年05月07日
  • ユートピア

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    理想郷の代名詞のように言われるユートピアだが、実際に読んでみると、何だか無味乾燥というか、禁欲的な堅苦しい世界のようだ。おそらく、モアの生きた時代のイギリスにおける多くの人、特に、本書の最初の方に出てくるが、エンクロージャーによって生計の途を失った農民などの悲惨な境遇という現実の前では、ユートピアは理想郷であるのだろうし、現代の日本人が心から共感することは難しいのかもしれない。それでも、あの時代にあって、キリスト教を相対化して、その布教上の問題をやんわりと批判していたりして、時代に先駆けた思想の持ち主の著作として、現代でもなお読みつがれる意義も感じられた。

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    2012年05月22日
  • ユートピア

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    ユートピア トマスモア 岩波新書 

    トマスモアの矛盾は神を一人として信じていながらも
    自然と言う多様性にも心をゆだねている事に気付いていない所にあるようだ
    このユートピアに書き込まれている彼の理想的なこの世の天国の秩序が
    法と言う外力による規制と自律による自己管理による調和の
    どちらにも徹底しきれずに淀んでしまっているのも
    この自己矛盾によって起こっているのだと思う

    彼は道徳をもって活きることに活路をみいだしながらも
    だからこそあらゆる場における法に従えと説く
    富や希少価値に依存することを徹底的に嫌いながら
    納得を度外視して神とその法律に従おうとする

    この二面性に対してその通りだと同意したいのだけれど
    その反面法の持つ軸が未来にずれている事を認めざるをえないし
    その歪みの魅力を信じたいが故に
    人間が苦しむことから抜け出せずにいるのだと言う事実を葬るわけにいかない
    今現在を中心とする自由自在な道徳性を理解して
    心からすべての個性の存在を納得していない限り
    共生社会の妙味に気付くことはできないだろう

    変化を「にぶる事と」とらえるかと思えば
    自然の流れを大切にしたいとも考えている
    本物と偽物を語りながらその本物が本物だと言う由緒を追究していない

    健康こそ快楽そのバロメーターだと信じていることにも同意したいけれど
    その健康は心身両面におけるものなのかどうか計り知れない

    一神教故の一つの答えに統一することを好む者たちにとっての理想の国は
    一律な平等観に落ち着くようだ
    彼らはその与えられた規律の中に自由があると思っているらしい
    更に神としもべに当たる上下関係から逃れられないための矛盾を抱え
    その矛盾をギリシャと同じように奴隷に押し付けることで取り除こうとする

    全員が分業した中で同じ時間割で暮らし同じメニューの食事をとり
    お互いの権利と義務でしなり合い肝心の自己責任を放棄する
    いったい誰が等分の分配を管理できるのか
    誰が何のためにメニューを決め善悪を固定化して裁くのだろうか?
    共和国も共通の価値観に依存した上でのものであり
    自由もその範囲にあってそこから外れることを許さない

    神に当たる無限性を人間自身が取り込んで眼中に置かない限り
    道徳的に生きようとする人ほど人生を楽しめずに迷い苦しむと言う
    この矛盾を解決しえないだろう

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    2012年03月08日
  • ユートピア

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    この本の存在をしったのは今から十年以上前。
    中学生の時にEver After という映画の中で登場した。
    以来十年間。気になり続けた結果やっと読むことができた。



    Utopia

    理想的な国


    そこでは、誰もが平等に、過不足なく、無駄なく、つつましく暮らしている。

    争いもない。


    500年以上前に書かれたユートピア。
    500年たった今でも、どこにも理想郷なんて存在しない。

    500年以上前に書かれたのに、
    私たちは何も変わっていない気がする。

    そんなことを思った。

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    2011年11月15日
  • ユートピア

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    なんか想像してた理想郷とは随分かけ離れた国だった。
    平等だけど、自由は無い。
    全員が全員"性善説"な人たちばっかりだったら、このユートピアはさぞかしユートピアだろうと思う。

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    2011年07月14日
  • ユートピア

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    今更説明の必要もいらないと思いますが、トマス・モアさんの「僕の考えたいい国」ってな内容です。
    実際にユートピア国に行ってきたラファエルさんが、モアさんに語るという体で書かれています。
    今のイメージで「ユートピア」というと、エデンの園か桃源郷かといった、餓えも苦しみもパンツもないような場所ってイメージですが、実際、本書を読んでみると、そんなこともないんですな。
    奴隷もいれば、死刑制度もある社会。
    ただ、(モアが考える)理想的に社会設計・運営がされているために、諍いや貪欲とは無縁な国なわけです。
    時代背景や歴史的な文脈の中での位置づけなど、全然わかってないので、例によって「ふ~ん」と表層をなめただけでおわっちゃたんですが…
    これで、筆者をトマス・マンと間違えることはなくなったと思います、はい。

    本文から作者の理想主義者像が伺えますが、解説を読むと事実清廉潔白な正義感だったようですね。
    真摯なカトリック教徒で、大法官であったときに、ヘンリー八世の離婚に反対して、最終的には死刑になってしまうですね。
    いわれてみれば世界史で勉強したなぁ…

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    2010年10月29日
  • ユートピア

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    ちょっと難しくなったガリバー旅行記という感じだろうか。どこにも無い架空の「ユートピア」国の風土を通して、理想の国家のあり方と現実への風刺を表現している。そこでは合理的な考え方とキリスト教的敬虔さを持った国民による、共産制国家の営みが描かれる。「ユートピア」が共産主義国家を表す言葉として使われてきのは、この書が元であったということか。しかしこの国家にはどこか息苦しさを感じてしまう。国家の規定からはみ出してしまった人間は死刑か奴隷となってしまう。卑しい職務は全てこの奴隷が請け負うことによってこの国家は成立しているのだ。こうした裏の面も、現実の共産主義国家の運命をも見通したものだったのだろうか。トマス=モアが表現したかった真意はなんだったのか、当時のヨーロッパ社会を深く理解しなければ分からないだろう。しかしこの物語は時代を超えた寓意としての価値がある。第一部の官僚批判などは、そのまま現代社会にも通用する人間観察と洞察に基づいている。

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    2011年04月26日