千葉聡のレビュー一覧
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千葉聡さんと小島なおさんがタッグを組んだ、若い人に向けて短歌のメッセージ。単なる短歌の入門書ではなく、むしろ生き抜くことへの励ましをつづる。特に小島さんが短歌との出会いを書いた第一章が印象的だ。短歌を通して、暗くてもいいんだ、ありのままでいいんだ、と感じたという。やがて「はるかなる遊牧民のはるかなる歴史を思う人は孤独なり」「講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る」「こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空」などの歌が生まれた。そして千葉さんもエールを送る、「フォルテとは遠く離れてゆく友に「またね」と叫ぶくらいの強さ」。
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Posted by ブクログ
昔からブルーバックスのシリーズは大変面白くて読んでいた。
今回、本書を読んで初めてブルーバックスの中で読み終わるのが惜しい本に出会った。
じっくり時間をかけて、充実した通勤読書になった。
書名にも出てくるダーウィンの事は名前と進化論のことを知っている位で実際にどんな研究を行っていたのかを本書で知った。
1835年9月、ダーウィンは英国軍艦ビークル号で
初めてガラパゴス諸島に訪れた。
1か月間滞在して、たくさんの生き物に出会い、そこで進化のアイデアがひらめいた。
特に、鳥類(マネシツグミ、フィンチ類)に出会い、
あの進化論で有名な『種の起源』が生まれる。
本書の面白い所は、著者の自然科学 -
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科学的な「正しさ」は価値観からは切り離せず、科学と正義を混同してはならない。科学的な根拠や説明を聞く場合は疑うことが重要だ。ということが本書の趣旨だろうと思う。
確かに実験や分析の考察と価値観は切り離せないし、主観と客観は完全に分けることはできない。科学的なもっともらしさを盾に論破なんて言うのは危険極まりないし、そもそも科学に絶対的な正しさはなく現段階で最も確からしいことがあるだけだ。
さてでは価値観によるバイアスや価値観の違いによる対立をどう解消するのか?本書ではそれは開かれた対話だとする。理想的にはそうだが実際にはかなり難しそうだ。コアの理論がある純粋科学でもそうなら社会科学なんてはる -
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ネタバレ難しいところもあり、全てを把握したわけでもないが、一旦咀嚼すると……
正しい科学と呼ばれている、その科学結果は果たして、
・背景にイデオロギーや政治的価値はあるか。
・研究結果の水増しや捏造はされていないか。
・追試結果はあるか。
・わかりやすいアイコンを大衆に提示し、ポピュリズムやナショナリズム等に共感される形で、社会を分断するような偏った考えを無駄に煽っていないか、もしくはこれらの系統に属する派閥が、確証性バイアスによって使われていないか。
・注意書きは書いてあるか。(この論文は何のために? 差別を助長するものではない等、今後のリスクに対してのスタンスが書かれている)
・科学者自身の価値 -
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ネタバレTwitterのスペース機能を使った短歌ラジオのような企画があったらしい。お題に合わせて短歌を持ち寄りいろいろ感想を言う会の文字起こしまとめみたいな本でした。
三名の歌人の読みがそれぞれ異なることもあれば同じこともあり、自分には思いもよらない考察が飛び交っていて世界が広がる感じがしました。たまにゲストもいます。
個人的によかった短歌・解説
・違う鳥を見ているのかもしれなくてうれしくなった冬の湖畔で 霧島あきら
恋人なのか、友達なのか、家族かもしれないけれど、誰かと一緒にいて、「鳥がいるね」「本当だ。かわいいね」と話している。でも、話しているうちに、もしかしたら違う鳥を見て話していたかもし -
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ダーウィンの進化論が如何に誤用され、優生学のような危険な思想の論拠として引用され続けてきたかを説明した本。
ポケモン好きな子供たちから「進化」という言葉を聞かない日はなく、サブリミナル効果的に進化論に興味を持ち本書を手に取った。
ポケモンにおける「進化」は完全に誤用だが、もっと深刻な誤用が各所でされてきたことを知ることができた。進化論の正確な意味と共に、優生学とはどういう考えなのか知れて大きな学びとなった。
進化とは、「ランダムな遺伝子の変異が次世代に継承され、その上で、自然選択や遺伝的浮動などによって集団内で特定の遺伝を持つ個体数の割合が変化すること」と理解した。押さえるべきポイントとし -
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【概要】
ダーウィンが出版した『種の起源』をめぐる進化論の解釈の流れを追う科学史かつ社会史。
自身の差別を正当化するために何度『ダーウィンが言った』と言われてきたか……。
優生学にも勿論触れながら、ダーウィンの呪いが未だ社会に続けていることを指摘する。
【感想】
優生学の結果劣った存在だと社会から弾かれる人間が、アメリカだと黒人、イギリスだと下層労働者というように、社会に規定されているというのが面白かった。
ダーウィンジュニアが優生学者だという点もとても今の価値観からすると驚く。
彼ら優生学者の働きかけもあって国会に提出された、心神喪失者を不妊させる法律を審議するにあたって、ジョサイア4世が