NHK「コズミックフロント」制作班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私が小学生だったころ、NASAが打ち上げたボイジャー2号が木星、土星の観測を実施し、送信されてきた美しい鮮明な映像(静止画)に「凄い!」とときめいた事は今でも印象に残っています。NASAは1990年代以降も木星にはガリレオ、ジュノー、土星にはカッシーニという大型の探査機を送り込みました。カッシーニは最大の衛星タイタンに着陸機も送り込み、タイタンの地表の撮影にも成功しています。
これらの外惑星の領域では当初は生命の存在する可能性はほとんどないと思われていたのですが、実は地熱や潮汐力による摩擦熱などにより、衛星の地表面から深い領域では生命の存在の可能性まで十分考えられる環境であることが判明しています。
本書は上記のような成果について、NHKがBSで放映している「コズミックフロント」の制作班が分かりやすく紹介しています。本書では木星、土星だけではなく、水星、火星、金星や天王星、そして数年前に観測が実現した冥王星にまで言及しています。
ボイジャーが映像を送ってきた時には、ほぼリアルタイムでNHKが特集番組を放映していて、それを食い入るように見ていた記憶があります。ボイジャーよりも精細な画像や、より科学的に深い事実が発見されているのに、それを紹介するマスメディアが少ないのが残念です。「有人」の宇宙活動は、まだまだ月でも精いっぱいというのが現状ですが、無人探査となれば、人類は太陽系のかなり外縁まで探査の目と腕を伸ばしつつあることが実感できる1冊です。欲を言えば、本の値段が高くなってもカラーの画像などももう少し掲載してもらえれば良かったのに、と思いました。 -
Posted by ブクログ
NHKのBSで今も放送されている「コズミックフロント」(今は「コズミックフロントNEXT」という後継番組)。私のような素人に対しても、分かりやすく宇宙のアレコレを紹介してくれる、好きな番組の一つです。
それを、そのまま書籍にしたような感じです。
色々な宇宙に関するトピックを紹介しています。
インフレーション、ダークマター、パルサー、国際宇宙ステーション、スペースシャトル、マゼラン雲、銀河系の形、はやぶさ…
それぞれが、番組そのままに、平易で分かりやすい。宇宙で起こっている現象も、それに挑む人類のドラマも、やっぱり面白いなあと思わせてくれる。一方で、分かりやすさを意識した結果、各トピック「もうちょっと突っ込んでほしいなあ」と物足りなく思うこともしばしば。
この本を入口に、気になったトピックを別の本で深めるといいかも、と思いました。 -
Posted by ブクログ
こんな表題であるが「このような形」がどのような形であるかはあまり触れられていない気がする。
2011年から2013年にかけて放送されたNHK「コズミックフロント」から抜粋して最新の宇宙に関する知見を紹介する。番組自体は2015年まで続いていて、リニューアルして「コズミックフロントNEXT」として現在(2017年5月)も放送中である。
この番組自体は知らなかったのだけれど、ぱらぱらとめくって写真が多かったのが気に入って手に取った。この手の宇宙ものというのはやはり写真や図画があってナンボという感がある。何しろ類似のものを日常生活の中で見られないのだから、言葉や数式で説明されてもイメージできない。
一つ一つの話は別の本で読んだかなあというものも少なくないが、並びに非常に気を使っているようで、まとまっていて読みやすくわかりやすい。もちろん初耳だったものもいくつかあって、中でもマゼラン雲の話が面白かった。
マゼラン雲は太陽系を含む銀河系銀河とは別の銀河で、しかも銀河系銀河の重力圏にあるわけではないので、かつてどこか遠くから近づいてきて、現在たまたま近傍にいるだけで、やがてまたどこか遠くへ飛び去ってしまうのだという。やがて、といっても数十億年スケールらしいが、この広大な宇宙空間でそのようなランデブーの瞬間に我々の文明が存在しているという偶然がこの手の宇宙談話の中には沢山あって非常に楽しい。
そもそも我々生物の誕生自体が偶然がいくつも重なり合った上に成り立っているわけで、月とか土星の衛星とかに「条件は揃ってそうなのになんで生命生まれてないんだよ」などと詰め寄るのも大人気ない話である。
本書の中でも触れられているがとにかく天文学というのは毎年のように大きな発見がなされており、5年も経てば最新の知見も古びてしまう。そういうダイナミックさがまた魅力でもあり、無限に広がるフロンティアに挑む研究者の皆様には頭の下がる次第である。