神吉拓郎のレビュー一覧

  • 洋食セーヌ軒

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    17編からなる、料理または料理を出す店にまつわるエッセイ集。

    登場する男女ともに、慎ましやかで、大人である。
    失われた、良き時代というかんじで、このような作品が、読みやすい文庫で復刻されたことはとても嬉しい。


    文章も美しく、本当に一編が短いのだが、読み終えたあと、しみじみとした満足感がある。
    食べ物の描写も、上品で、おおげさな書き方をしていないのだけど、つばがわいてくる。

    連れ合いを失った人物が多いきがする。
    失った時代を懐かしむ話も多い。
    そんな、ちょっとした、ほろほろとくずれるようなもの悲しさがただよっているようなところも魅力だ。

    いろいろと、ほどよい。

    解説が、私の感じたこと

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    2016年09月29日
  • 洋食セーヌ軒

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    表紙買いで
    こんなにも上質の短編集に出会えると
    自分の感性を褒めたくなります。

    それはそれは美味しそうなものばかり。
    アルミの弁当箱にぎゅうぎゅうに
    詰められ 米粒がつぶれた白飯までが
    神吉さんのペンにかかると
    もう一度食べたくなる珠玉のごちそうに。

    今はなき鎌倉書房がかつて出していた
    季刊雑誌「四季の味」に
    掲載されていたものをまとめて
    新潮社から出されたのが1987年。

    光文社さん
    よくぞ文庫にしてくださった。

    上質な言葉が品よく
    落ち着いて並んでいる。
    大人であることの
    優越感を味わわせてくれる。

    こんな心地よい一冊に出会えたことは
    幸せの一語に尽きる。

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    2016年05月22日
  • 洋食セーヌ軒

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    解説通り、年齢高めの男女の会話が洗練されています。
    品の良さそうな女性や未亡人が登場するのでオジサンが好きそうな作品集です。

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    2020年12月18日
  • 洋食セーヌ軒

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    紳士的本

    本的紳士?

    短編で
    大きな展開もなく
    物足りないなさも感じるが
    逆に
    そこに癒される

    この方の他の作品も
    読んでみたい

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    2020年07月17日
  • 洋食セーヌ軒

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    美味しそうな表紙と、短編で読みやすそうだったので手に取りました。
    美味しい料理と、恋愛小説というほど押しつけがましくないささやかな男女の機微が描かれている。登場人物がほとんど中年以降の人ばかりで、なんとも味わい深い小説だった。料理の描写も美味しそうでたまらない。カキフライ食べたくなります。あとがきで「孤独のグルメ」の感じと似ていると書かれていて、なるほど確かに、と思いました。ふらっと入ったお店が大当たりだった気分で嬉しい。
    直木賞作家とのことですが、初めて知った作家さんでした。他の作品も読んでみよう。

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    2019年03月04日
  • 二ノ橋 柳亭

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    それぞれに趣の異なる話が詰まった短編集。
    そのどれを取っても、するすると入ってくるのに味わい深く、品がある文章で満たされているので、読んでいて楽しかったです。
    色川武大氏の解説もまたいい味を出していて得したような気になりました。

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    2017年09月22日
  • P+D BOOKS 曲り角

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    仕事の悩み。家を建てたい。道ならぬ恋。子どもの結婚。親の死。父の遺産。自らの老い。

    人生の「曲り角」にさしかかった、さまざまな登場人物たちの、生き様を綴った17の短編集。

    昭和の作品なので価値観や言葉遣いなど、いろいろアレですが、それもまた味になってます。

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    2022年12月06日
  • 洋食セーヌ軒

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    食事と人生のほんの一時を切り取ったような17の掌編集。

    年配の登場人物が多いことから哀愁だったり郷愁だったり機微が漂っているような。
    食事シーンでもその人のこれまでが会話に表れている。
    食べ物の描写も上手くて美味しそう。
    牡蛎フライとか本当に美味しそうだった、話はまるうとか好きだなぁ。

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    2022年03月26日
  • 洋食セーヌ軒

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    再読でも出てくる料理がどれも美味しそうでした。
    美味しいご飯が食べたい…!魚料理が特に美味しそう。
    この年代の作家さんなら自然なことなんだろうけど、登場人物たちが昔の友人や同級生と再会したら二言目には配偶者や子どものことを訊きがちなんだな…と時代の流れを感じました。そしてだいたい、出てくる女性が未亡人でほんのり恋の香りで。。
    でも料理蘊蓄は無くて、健啖家の人も多くて好きでした。いっぱい食べる人はいいなぁ。

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    2020年11月14日
  • 二ノ橋 柳亭

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    今までずっと戦前の文学を読んでいたので、戦後の文学というのは新鮮だった。いくつか戦争や戦後の描写が出てくる話があるが、さり気なく描写が挿入されている。その描写だけでなく、全体的に一言一言が重かったりトリッキーだったりすることはほとんどなく、すっと馴染むように読める。それでいて、味わいがある。一言でいえばスマートな印象。
    話のオチも、「ブラックバス」はおお、というところもあったが、他は読後に軽やかな余韻を残す程度のもの。仰々しくないところが個人的には好みに合う。

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    2018年08月28日
  • 洋食セーヌ軒

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    一編が短くて隙間時間に読むのに丁度いい。
    食べ物の描写は堪らぬ美味しさを伝えてくれるのに物語の邪魔にならないほど控え目で登場人物たちのささやかな交流を引き立てていて気に入った。

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    2018年04月01日
  • 洋食セーヌ軒

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    浅学にて神吉拓郎は初読だが、なんと豊かな短編世界。なんの事件も起きることなく、ただひとつの季節のひとつのシーンがそっと切り取られて差し出されるのみ。筆力がないとできないですなー。
    昭和のなかごろには、こんなにかっこうのいい男とっくに女がいたのね。
    食べ物の描写は見事のひとこと!

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    2017年04月11日
  • 洋食セーヌ軒

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    it like a gourmet essay. anyway, it was lost El Liloron in Yokohama.

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    2016年12月19日
  • 洋食セーヌ軒

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    食べ物にまつわる短編集。
    美味しい料理を絡めた素敵な大人達のお話。
    どの話も風情豊かで、人生を積み重ねてきた大人の気取りのない格好良さが垣間見える。
    気兼ねなく楽しめる行きつけのお鮨屋さんがあったり、紹介したくなるような天ぷら屋さんがあったり、何年経ってもその味が忘れられない洋食屋さんがあったり。
    年齢を積み重ねるが故に見える景色には、きっと味わい深い世界が広かっているのだろう。

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    2016年07月12日
  • 洋食セーヌ軒

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    主題はのり弁やオムライス、そして上海蟹やフレンチなど多種多様な食材と料理。そこに男女の機微や洒落た人生模様が織り交ざった味わい深い短文集。おまけに「お職」なんていう言葉に出会えるのも嬉しい。

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    2016年03月21日