ダンカン・ワッツのレビュー一覧

  • 偶然の科学

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    著者は1971年生まれだから私より2歳下だ。最初物理学を学んだようだが、複雑系の系譜を継ぐ「スモールワールド」だかいう学説を提唱し、ネットワーク理論に基づいた社会学者といった立場にあるようだ。
    この本は一般読者向けに非常に易しく書かれており、何も難しい話ではないが、新たな視角をもたらしてくれる、実に面白い読み物だった。
    「まえがき」で「アメリカ人のおよそ90%は自分が平均より車の運転が上手いとおもっている」という統計を明らかにする。日本人も、おそらく男性では似たような結果になるのではないだろうか。
    この例のような自己に関する「錯覚された優秀性」、そして「常識」全般が、人々の認識・判断を絶えず誤

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    2015年08月16日
  • 偶然の科学

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    偶然の科学
    著:ダンカン・ワッツ
    訳:青木 創
    ハヤカワ文庫 NF400

    ネットワーク科学の世界的権威が放つ、複雑系社会学の決定版とある

    題は「偶然の科学」であるが、意味するところは、違う

    原題 Everything is Obvious. "Once you know the Answer"
    「すべては明白だ、いったん、答えがわかれば」 でいいでしょうか

    偶然とは、いきあたりばったりで、対応をしてしまう人間の行動を科学しようということであって、確率論に支配される偶然を解明するための科学ではない。あくまでも、社会科学的、社会学的な偶然を扱うことが目的である。

    社会

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    2024年06月28日
  • 偶然の科学

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    面白かった。
    もちろん訳者の方の力もあるだろうが、とても読みやすい。

    著者ダンカン・ワッツが説く「スモールワールド」という概念は知っている人も多いと思うが(世界中の人と人の間には平均6人存在する)、この本はそれにも言及しつつ、もっと広く社会学を語っている。
    物事には明確な理由がなく、複雑な要因が絡まって結果がある。
    常識の脆さ、因果の複雑さ、予測の困難さ、それを一つ一つ説いていく。
    自分が認識している世界に対し懐疑的な視点を持ちたいならこの本を読むべきだ。

    しかしながら人が常識に頼ったり予測をしたり因果を単純に理解したがるのは、自己防衛でありリスクヘッジだ。
    それらが不可能になれば、社会は

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    2020年10月04日
  • 偶然の科学

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    世の中は予測可能な事象と不可能な事象がある。

    物理学や数学は誰からみても同じ普遍的な法則があって、予測可能な事象ですが実社会は予測不可能な事象で、常識と思っていることでも偶然の結果が殆ど。

    したがって現実社会を扱う社会科学系の学問は、普遍的法則を追っかけるのではなく、中範囲の法則や測定と迅速な対応による戦略によって法則を導き出すべきと提言した著作。

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    2020年08月29日
  • 偶然の科学

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    "人間の社会的行動を科学の目で分析する。そんな一見出来そうもないことに挑んでいるのが本書。
    社会科学をアカデミックに学びたくなる。"

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    2018年10月28日
  • 偶然の科学

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    「世界の人々から選んだ任意の二人の距離は実はそう遠くはない」というスモール・ワールド理論を提唱した社会学者ダンカン・ワッツが、様々な場面における「常識」の持つ不確かさを説く。

    邦題の「偶然の科学」というタイトルは少しわかりにくいと思うが、原題はこうなっている。「Everything is Obvious-Once You Know the Answer」、直訳すれば、全ては明白である-いったん正解を知ってしまえば。この原題のタイトルの方が遥かにわかりやすい。つまり我々は日常生活において、何かしらの判断を毎日行っていくが、その判断を後から振り返る-正解を知っている状態-と、あたかもその判断が自

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    2015年05月05日
  • 偶然の科学

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    色々引用したくなる場所が多い本。そして「あー、いるいるそんな人」と言いたくなる本。
    未来の予想はできないし、結果に対して後付で理由はいくらでもつけることはできる、と言うことでしょうか。端折り過ぎですが。
    「私は分かっている」「私は理解している」と考えている人や、そのようにツイートしている人にこそ読んでもらいたい本。

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    2014年10月11日
  • 偶然の科学

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    良著でした!
    原題は"Everything Is Obvious (Once You Know the Answer)"
    『全ての未来は明白だ(答えを見た後ならば)』と言うと当たり前だが、知らず知らずのうちにこんなことにも気づかず、物事を理解した気になっていることがある。

    同じ状況を何度も試せるならいいが、現実世界の多くの場合は一度きり。
    予測することは本来不可能であることを認めなければいけないんじゃなかろうか。

    ナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』や、ダン・アリエリーの著作に似たものを感じる社会派な一作。


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    Memo:

    p79
    「Xが起こった

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    2014年03月05日
  • 偶然の科学

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    人々の行動について思ったより多くが偶然によると説明する本
    行動経済学的な感じがある。それよりちょっと説明が多く、実験の話が少ない。なんか読みにくい
    現状の結果はかなり偶然に左右されているので、それを見越した行動が大事

    常識は偏る、意味付けは得意だが理解は苦手、悩むことから開放、もっともらしい物語によるごまかし
    常識の物語が歪められる、デフォルト、プライミング、アンカリング、確認バイアス、
    常識も合理的理論と同じく人々の行動に理由をつける、情報があれば前もってわかったのにとあとづけする
    成功の理由は成功したからという循環論法。

    似たような集団も少しの偶然で大きく違う行動を取る、そして違う理由

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    2021年10月31日
  • 偶然の科学

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    偶然の科学とあったので読んだが社会学の本でございました.なので「偶然とはなんぞ?」ってな事はあまり探求されておらず,社会学が物理学のような法則を得られないのはこれこれこういう理由ですよってのが綴られておりました.まぁでもフレーム問題とマクロとミクロの絡みなんかは勉強したら楽しいだろうなと思わせてくれたので良しとします.

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    2019年04月04日
  • 偶然の科学

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    選択の科学とはまた違った角度だが、社会学が物理学のような華麗な発展を遂げられていない中、近年、インターネット、ソーシャルネットワークの普及により、徐々に実験環境を有効化できそうで有る事がわかる。偶然を科学するには、人的要素における社会学を追求する必要がある。社会学を学ぶのは、面白いかもしれない。

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    2014年03月21日
  • 偶然の科学

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    内容はそれなりに面白いのだけど、文章が読みにくくてなかなか頭に入ってこない。読むのにとても難儀した。私はこの手の本が大好きで、『予想通りに不合理』も『明日の幸せを科学する』もガツガツ喰いつきながらよんだというのに、本書はページをめくる指が重かった。というわけで読み終わるまでに一月近くかかってしまった。
    青木さんが翻訳したのにおかしいな、、、と思っていたら青木さん違いで、こちらは青木創、あちらは青木薫。な〜んだ。改めて青木薫さんを素晴らしいと思った。

    やっと本の中味の話し。
    著者は物理学者から転身した社会学者というユニークな立場。「社会科学が科学的であるとはどういうことか」についてとても丁寧に

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    2014年02月18日
  • 偶然の科学

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    本書「偶然の科学」を、数ある「常識を疑え系」の一冊として読むことは当然可能だ。そう読んだとしても本書の元は確かにとれる。

    オビより
    アップルの復活劇は、ジョブズが偉大だったこととは必ずしも関係がない。
    VHS対ベータ戦争で敗れたのも、MDの失敗も、ソニーの戦略ミスではない。
    給料を上げても、社員の生産性はかならずしも上がらない。
    JFK暗殺も9・11も、可能性が多すぎて、事前の予測は不可能。
    歴史は繰り返さない。したがって歴史から教訓を得ることはできない。
    フェイスブックやツイッターの大流行は、人々のプライバシー観が変わったからではない。
    ヒット商品に不可欠とされる「インフルエンサー」は、偶

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    2014年01月15日