マイク・モラスキーのレビュー一覧

  • 日本の居酒屋文化~赤提灯の魅力を探る~

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    著者が居酒屋を〈地〉〈場〉〈人〉で語っているのはとても納得しました。そう、「食べログ」じゃ見えてこない世界。街が再開発され、飲食業がどんどん飲食産業に置き換わっている今だからこそ、自分も時代や東京の端っこにへばりついて残っている居酒屋文化に身を置きたくて、あっちゃこっちゃフラフラしているのですが、まさにその行動を裏打ちしてもらったような本でした。ただ、その魅力が店主やお客さんの個人に起因すればするだけ継承という問題に直面するのだと思います。この本の名店の数々は居酒屋レッドデータブックです、きっと。

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    2019年10月30日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    本書の著者はアメリカの都市社会学者で、タイトルである「サードプレイス」の提唱者でもある。サードプレイスとは文字どおり、家庭(第一の場所)、職場(第二の場所)につづく「第三の場所」のことだ。家庭や職場ではない自分の居場所とでも言えるだろうか。サードプレイスはインフォーマルな公共生活の場の中核であり、人びとをストレスから解放してくれる。サードプレイスのおかげで、人びとはくつろいだ充実の日常生活を送ることができるのである(51頁)。ところが現代の都市環境が悪化し、公共のくつろぎの機会が急激に失われていると著者は懸念している。本書の目的のひとつは、「サードプレイスが国家と個人生活の双方に役立つことをき

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    2016年10月16日
  • 日本の居酒屋文化~赤提灯の魅力を探る~

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    【第三の場】

    なんでもどこでも飲めりゃあいい派の僕だけど、酒は外で飲むものだ、と教えてくれた人がいる。そんなわけで、そこそこ実践しているのだけど、著者は筋金入りで、家では飲まないが、40年近く居酒屋に毎日のように通い続けている。そんな著者が、居酒屋が提供するのは酒とつまみだけではない、と語る。居酒屋とはなんなのか。それはオルデンバーグがいうサードプレイス、「第三の場」である。そして何より、「人」であると。

    「者」より「物」、「店」ではなく「企業」の居酒屋にある演出ではなくて、その店、その人ごとに違う、自然発生的な雰囲気こそが居酒屋の魅力である。友達といって騒いでいたらわからないこともある。

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    2022年06月01日
  • 日本の居酒屋文化~赤提灯の魅力を探る~

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    飲み屋好きのおっさんのエッセイとしてはとても楽しめました。紹介されたお店に行ってみたくなる力のある本です。ただ、社会学としての居酒屋論の本としてみると目新しいものはなかったです

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    2014年05月11日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    色んな人とその集団、そしてそれが抱える問題に出くわす度に「居場所」の役割を考える。論点が多過ぎて消化出来ずカオスやけど、久々に視座があちこち飛ぶ論考。89年に書かれたものがようやく邦訳、これもタイミング。個人としてのサードプレイスの必要性よりも、社会を維持していく上でのそれが気になる。生命体としてのまちづくりとは。

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    2014年03月02日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    ネタバレ

    都市に暮らす人々が「心のよりどころとして集う場所」。家庭、職場、三番目の社会的な場所としての「サード・プレイス」という概念について。著者はアメリカの社会学者。イギリスはパブ、フランスはカフェ、そして現代におけるアメリカは?20世紀の海外文学を読んでいると話が展開するのは、雑貨屋だったりする。
    店に集まる、場所に集まる、それは自発的なものもあり、戦略的なものでもあったりする。あるときは老人を街からしめだすための政策が存在する。
    訳者の解説のなかで現代におけるスターバックスは街のコミュニティ性を目指して雰囲気を作り上げたということだが(注:この本が出版された頃にはまだスターバックスは存在していない

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    2014年11月26日
  • 呑めば、都 ──居酒屋の東京

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    著者のマイク・モラスキーはアメリカ人の日本文学・文化研究者であり、ジャズピアニストとしての顔も持つ才人であるが、もう一つの顔が日本の赤提灯こと居酒屋をこよなく愛する”居酒屋ナショナリスト”としての顔である。

    本書は、溝口、立川、大井町、府中、赤羽、立石、西荻窪などの町にある居酒屋を巡った飲み歩きエッセイという体裁を取っている。しかし研究者たる著者の力量がここからという感じなのだが、単なる飲み歩きだけではなく、その町の成り立ちやそのような居酒屋文化が発祥した背景としての町固有の歴史に関する調査もセットになっている点がこの手のテーマの本と一線を画しているポイントである。

    町によっては公営ギャン

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    2024年05月05日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    ここで書かれるサードプレイスは探してる場所と少し違うけど、それほど親密でない自分の趣味嗜好と違う人の集まる場所だからこそ自分にないものを提示される意外性があるっておもしろいと思いました。

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    2023年11月17日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    サードプレイスの概念について学ぶことができる。
    事例が多く、その中から、該当しないものについても把握できる。

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    2023年07月15日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    郊外に一軒家を建てて休みの日は家族でショッピングモールにドライブへ、といったような生活が当たり前になっていくことへの危機感を強く感じる書。
    アメリカをはじめ産業化が進んだ地域では、家庭や仕事場での役割から解放されて色々な人とたくさんの話ができる場が失われているという。ここで提示される居酒屋やカフェでは、経済的階級を超えて雄弁に人々が語り合える素晴らしい場であるようだ。
    ただ、ここで著者が想定する失われつつある場(サードプレイス)の姿は、解説にもある通り非常にノスタルジックで、ジェンダーやエスニシティ的な観点からはあまり心地の良い場とは言えない。「昔は良かったよな…」から始まる忘年会大好きな上司

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    2022年12月22日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    分厚いので、パラパラと斜め読み
    サードプレイス的な場所を自分から整えたいと思い、手に取りました。

    サードプレイスと呼ばれるものの魅力とはどこにあるのか?個々人にどんな働きがあるのだろう?そんな疑問を持ちながら読むととても楽しく読めました。

    ただこうしたら理想のサードプレイスが作れます!といった記述は(私には)読み取れなかったので、自分で模索する必要があるかと思います。

    ぼんやり感じていた、「どうしてサードプレイスは心地が良いのか」について深く考える、知識を得るにはぴったりの本だと思いました。

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    2020年05月26日
  • 日本の居酒屋文化~赤提灯の魅力を探る~

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    いわゆる外人風筆名なのかと思ったら、ほんとのアメリカの方だった。
    文章、内容からはぜんぜんわからない、
    実体験に基づくディープな飲み屋の紹介と分析。
    なかなか入るには勇気のいる場所ばかりだけど、
    興味深い飲み屋がたくさん。
    自分で感性を磨いていくこと、見る目を鍛えることの面白さ。
    「メディアやネットで居酒屋を語るときに料理の話ばかり」という指摘に、確かに。
    場を楽しむには経験が必要だなー。

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    2017年01月26日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    会社と家の往復だけの生活から何とか脱したいという焦りの中、書評で興味を持った本。職場・家庭以外のコミュニティ、特に近所の飲食店での人間関係や西洋のカフェ・バール等の歴史について書かれている。

    最近は安いだけの均一的なチェーン店より、個人営業の家庭的な店(できれば近所でおいしくて、そんなに高くない)で顔なじみなところを開拓しようとしてるけど、なかなか見つからない。というか一人では入りにくい。チェーンの牛丼屋は無言で入れるのに・・・名無しさん&顔なしさんのコミュニティ、1回ぽっきりの場だから?
    店員もチェーン店は異常に元気がよすぎるか、マニュアルで機械みたいな表情&接客。バーテンダー、ホストが客

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    2015年12月13日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    解説で述べられているように、著者の女性に対する考え方に違和感があるが、これがかの有名な書物の初邦訳。

    第?部のイギリスのパブやフランスのカフェなどについての言及部分が、それぞれの歴史的成り立ちを知ることができ、独立したものとしても読めて面白いな。

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    2013年12月29日
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」

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    『サードプレイス』を読む。今、翻訳されて読まれるべきものなのか? 初版は1989、第二版は1996である。翻訳はペトロスキー『フォークの歯はなぜ四本になったか』(平凡社、1995)でおなじみの忠平美幸氏。もともと原題は「The Great Good Place」でコミュニティの核となるカフェ、コーヒー店、本屋、バー、ヘアサロン、その他だから「サードプレイス」の概念や限界もそう広いとは思えないのだが、解説まで含めて480頁はただ事ではない。社会学者レイ・オルデンバーグの情熱を傾けたテーマは我々にとってどういう意味があるのだろうか。

    解説のマイク・モレスキーが言っているように、『サードプレイス』

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    2013年12月18日