牧薩次のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
完全恋愛というタイトルまで伏線につかった,辻真先,いや牧薩次の渾身の作品。やや冗長ではあるが,古きよき時代の本格ミステリを思わせる幻想的な謎,怪奇的な雰囲気,そして遠隔地における心中や双子を利用したアリバイトリックなど,バカミス的なトリックを惜しげもなく使って,読者を盛り上げる。最後は,「そういうオチだったのか」と思わせる真相。朋江と結ばれたと信じて死んでいった柳楽糺(=本庄究〉は幸せだったのか,満州子は幸せだったのか…やや切ない設定なのだが,辻真先が描く文章の明るさから読後感はいい。抜群のインパクトとサプライズ,そして爽やかな読後感。傑作といっていい作品だろう。★4で。
〇 事件の概要
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Posted by ブクログ
ネタバレ画家 本庄究(柳楽糺)の生涯を描いたミステリー。
彼の生涯に3つの殺人事件が起こる。
2つ目、3つ目の事件は推理小説として成り立っている。
この事件を解決するだけでも1本の小説としてないたつのだけど
本書全体に仕掛けがあり、最期に「あっ!」と言わされる。
「ネタバレ」
本庄究は生涯一人の女性だけを愛するのだが、その愛は報われる事が
なかった。
若い頃にその女性を助けた事で、一夜限りむすばれるのだが、
その思いを生涯わすれることなく貫き、彼女の娘をも守ろうとする。
ある時、その娘は自分の娘ではないかというところからミスリードされて
いき、最後に全てが明らかになる。 -
Posted by 読むコレ
辻真先さんの別名によるガチミステリ作品。
しかも09年の「本格ミステリ大賞」受賞作という
オマケ付の作品。
これもネタバレを伴う感想になるので
非常に書き難いっす。
孤高の画家の一生を描いた作品ですが
その中に3つの事件が起る。その画家
である「本庄究」の幼少期から晩年までを
追う形で様々な人物が彼の最初にして
最後の「恋」の相手「小仏朋音」の
姿を思わせる。彼の数奇で純愛に身を
捧げた人生と事件...。ミステリと恋愛パートが
上手く絡み合っています。
ミステリパートとしては少々...強引というか
うそーん!!..なトンデモ展開ですが全く腹も立たないw。
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Posted by ブクログ
辻真先さんの別名によるガチミステリ作品。
しかも09年の「本格ミステリ大賞」受賞作という
オマケ付の作品。
これもネタバレを伴う感想になるので
非常に書き難いっす。
孤高の画家の一生を描いた作品ですが
その中に3つの事件が起る。その画家
である「本庄究」の幼少期から晩年までを
追う形で様々な人物が彼の最初にして
最後の「恋」の相手「小仏朋音」の
姿を思わせる。彼の数奇で純愛に身を
捧げた人生と事件...。ミステリと恋愛パートが
上手く絡み合っています。
ミステリパートとしては少々...強引というか
うそーん!!..なトンデモ展開ですが全く腹も立たないw。
むしろそんな事にまで展開するのか! -
Posted by 読むコレ
某大御所作家の別名義による2作目。本格のようで
その実はSFとミステリの融合したようなメタのような
不思議な作品。作中で起る事件は全くもって整合性が
取れないのですが、起ってる事件の舞台そのものが
反則のようなものなので、もはや...何でもアリな状態w。
こういったSFが絡んでくるとどうにも...個人的には
苦手で...珍しく足掛け4日もかかってしまった。
とは言え自分でも名前を知ってる大御所の書いた
作品なのに自由で、無理のない若々しさを感じるのは
大きな魅力です。
牧薩次名義での最初の作品の評判は凄く良い
ようなのでそちらを是非読んでみたいですね。 -
Posted by ブクログ
むぅ...
出だしの文章は魅力的なのだが、
読み終わるとそれだけだったような...(^ ^;
後半の謎解き部分はかなり強引な展開(^ ^;
アイディアは面白いし、仕掛けも派手だし、
読み物として面白かったが...
文章が安っぽいんだよなぁ...(^ ^;
格調が感じられないというか、
余韻がないというか...
全体を通して「あらすじ」を読んでるような
味気なさが感じられてしまい...(^ ^;
読み進めてもずっと「傍観者気分」で、
登場人物に感情移入できないのが難点か。
あと、最後の最後の「どんでん返し」のはずが
伏線があからさますぎてかなり早い段階でネタバレ(^ ^;
きっとこうなる -
Posted by ブクログ
ミステリのようなSF。SFのようなミステリ。いい感じで中途半端に融合しながら、不思議な骨格を形成している。
凝った展開ではあるが、そこまでのプロセスが若干強引。ぱらぱらと伏線も撒きつつ、奇怪な世界でしっかり本格してるのは大御所の余裕かな。新人作家ならこの設定だけでテンぱりそうだが、この作者にそんな青臭さは見受けられない。そういうどっしり感があるから、通常ならドン引きしそうな展開でもさくさく読み進められたのだろう。
密室の解釈と着地には納得しかねるが、この変形ストーリーを問題なく操れた手腕には感服する。『完全恋愛』同様、ノスタルジックな雰囲気が事件とマッチしており、懐かしさと新鮮さに包容され -
Posted by ブクログ
某大御所作家の別名義による2作目。本格のようで
その実はSFとミステリの融合したようなメタのような
不思議な作品。作中で起る事件は全くもって整合性が
取れないのですが、起ってる事件の舞台そのものが
反則のようなものなので、もはや...何でもアリな状態w。
こういったSFが絡んでくるとどうにも...個人的には
苦手で...珍しく足掛け4日もかかってしまった。
とは言え自分でも名前を知ってる大御所の書いた
作品なのに自由で、無理のない若々しさを感じるのは
大きな魅力です。
牧薩次名義での最初の作品の評判は凄く良い
ようなのでそちらを是非読んでみたいですね。