作品一覧

  • 郷愁という名の密室
    3.7
    1巻1,056円 (税込)
    2009年度〈本格ミステリ大賞〉受賞後、第一作! 矢住鼎(やずみかなえ)は漫画家志望の35歳。今は北関東の小都市でヘルパーをしている。誤って介護先の老女を死なせ、絶望した鼎は雪山で自殺を図る。ところが‥‥。目覚めたのは無量温泉の旅館の一室。そこで彼は〈少女のままの〉高校時代の後輩・雫に再会する。その旅館で事件が起きる。まず、宿泊客の男女が刃物で殺害され、次いで隣の旅館の女将が密室状態の客室で刺殺される。犯人は内部の人間か。鼎と雫(ホームズとワトソン)の前に殺人者の影が迫る。そして深夜0:54、あらゆる知覚が暗転して――。 多くの謎を孕んだまま、物語は〈郷愁〉の名のもとに収斂していく。 09年度『完全恋愛』で〈本格ミステリ大賞〉受賞後、待望の第一作!

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  • 完全恋愛
    3.6
    1巻891円 (税込)
    2009年「本格ミステリ大賞」受賞作 第二次大戦末期の福島県の温泉地、東京からやってきた少年・本庄究は、同じく戦火を逃れてこの村に暮らしていた画家の娘・小仏朋音に強い恋心を抱く。やがて終戦となり、この地で駐留軍のアメリカ兵が殺されるという事件が起きる。しかし現場からは凶器が忽然と消えてしまう。昭和43年、福島の山村にあるはずのナイフが、時空を超え瞬時にして西表島にいる女性の胸に突き刺さる。昭和62年、東京にいるはずの犯人が福島にも現れる。3つの謎の事件を結ぶのは、画壇の巨匠である男の秘められた恋であった。<他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全犯罪と呼ばれるべきか?> 推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」T・Mが、あえて別名義で発表した「究極の恋愛小説+本格ミステリ」の大作。2009年度「本格ミステリ大賞」受賞作、2009年「このミステリーがすごい!」第3位、2009年「本格ミステリ・ベスト10」第3位。

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ユーザーレビュー

  • 完全恋愛

    Posted by ブクログ

    このなんたらがスゴイ!っていう系統は、まぁそうね、スゴイやねーってなって終わりだったりするけど、このお話はスゴイかすごくないか、ってだけで言えば確かにスゴイ。久しぶりに読み終わってスゲーってなった。んだけども、途中の話の流れは割ともやーってしててそこまでではないんだよなぁ。だからこそ最後の結末が映えるのかな。
    しかし読者に嘘は言わないが、隠したいところは隠す、というのが推理小説にとってフェアな立場である、というのは、まさに新聞などが使いまわしている手法だよなぁ、となんだか妙に感銘を受けたのだった。

    1
    2017年09月23日
  • 郷愁という名の密室

    Posted by ブクログ

    昨年の「完全恋愛」に引き続きの『牧薩次』先生の登場。私的には今回も引き込まれてページを繰る手が止まりませんでした。

    0
    2010年12月03日
  • 完全恋愛

    Posted by ブクログ

     完全恋愛というタイトルまで伏線につかった,辻真先,いや牧薩次の渾身の作品。やや冗長ではあるが,古きよき時代の本格ミステリを思わせる幻想的な謎,怪奇的な雰囲気,そして遠隔地における心中や双子を利用したアリバイトリックなど,バカミス的なトリックを惜しげもなく使って,読者を盛り上げる。最後は,「そういうオチだったのか」と思わせる真相。朋江と結ばれたと信じて死んでいった柳楽糺(=本庄究〉は幸せだったのか,満州子は幸せだったのか…やや切ない設定なのだが,辻真先が描く文章の明るさから読後感はいい。抜群のインパクトとサプライズ,そして爽やかな読後感。傑作といっていい作品だろう。★4で。

    〇 事件の概要

    0
    2016年08月08日
  • 完全恋愛

    Posted by ブクログ

    冒頭の文を常に意識しながら読みましたが、見事に騙されました。そこだったとは。。相手に一生知られずにいることが目的だったのなら、完全恋愛と言っていいのでしょうね。

    0
    2014年11月02日
  • 完全恋愛

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    画家 本庄究(柳楽糺)の生涯を描いたミステリー。

    彼の生涯に3つの殺人事件が起こる。
    2つ目、3つ目の事件は推理小説として成り立っている。

    この事件を解決するだけでも1本の小説としてないたつのだけど
    本書全体に仕掛けがあり、最期に「あっ!」と言わされる。





    「ネタバレ」

    本庄究は生涯一人の女性だけを愛するのだが、その愛は報われる事が
    なかった。
    若い頃にその女性を助けた事で、一夜限りむすばれるのだが、
    その思いを生涯わすれることなく貫き、彼女の娘をも守ろうとする。

    ある時、その娘は自分の娘ではないかというところからミスリードされて
    いき、最後に全てが明らかになる。

    0
    2013年05月14日

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