仲本剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「ブレ・ボケ・アレ」と称される前衛的写真の先駆的存在、森山大道氏がフィルムカメラ、デジカメを持ち路上に出てスナップを撮り下ろす。その姿をフリーライター仲本剛氏が撮影に同行し見つめる。撮影を通じて見えてきた森山氏の写真に対する考えや姿勢、路上スナップを撮るときのノウハウを、仲本氏が森山氏の語りを交えながら余すところ無く読者に伝えてくれる撮影同行記です。
当然、文章だけでなく森山氏の撮った写真が多く載せられている。「へぇー、良いなこれ」「すごいなー」という写真もありますが、正直なところ「この写真の何処がよいの?」と疑問符がつく写真もあります。しかしそれが氏のいう「風景が向こうから撮れと言って -
Posted by ブクログ
路上スナップ写真そのものががかなりの割合を締めているけれど、それをどうやって撮るか、という、技術じゃなくて、姿勢というか歩き方というか考え方というか、そういう本。量のない質はありえない、として、とにかく大量に、まずは自分が普段歩いている道を撮りまくってみろ、と。そうすると、漫然としていた人だって、何かが見えてくる、と。デジタル移行後も、見返さないし、消さないし、ただ数は増えた、と。じゃあただ撮ればいいかというと、町の日常ではなく異界に入り込み、そして撮影者は欲望を抱えた欲望体とならなければ面白くもないし意味もない、という。そうやって写真を撮りくなるし、写真以外もそうしてみたい、となる愉快な本。
-
Posted by ブクログ
すぐ読める本。1時間も有れば。
「路上スナップのすすめ」というタイトルであるが、森山大道氏を敢えて引っ張り出す必要があるかな〜、というのが率直な意見。というのは、殆どの写真は基本的にスナップショットであり、写真の記録性を排除する事は困難であるからだ。つまり、写真を始める誰でもが、路上であろうが風景であろうが、外界に対するスナップショットから始まるからだ。
興味を惹いたのは、デジタルに対する氏の見解。「現段階で、僕が肌で感じているのは、写真がフィルムや薬品といった物質性から離れて、そのすべてがエレクトロニクスの領域のツールになったということ」。これは文章中で語られているが(銀座~デジタルことはじ