あらすじ
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写真のすべてはスナップにあり。「ブレ・ボケ・アレ」と呼ばれる作風で注目を集めた時代から半世紀。路上に立ち続けた森山大道が、フィルムカメラ、デジカメを駆使して撮り下ろしスナップを敢行。いつものモノクローム以外にカラー写真も撮影。自身のスナップに対する考えや視点、カメラマンとしての姿勢やそのノウハウについて語った、カメラ愛好家必携のスナップ入門書。【光文社新書】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
森山大道さんのスッキリサッパリざっくりしっかりしたカメラ哲学を感じとれる1冊。
写真ってテクニック写真と感覚写真に2分されると思うのです。いい写真というものはカテゴライズしやすいと思いますが、心を打つ写真というものには正解は無いように思います。
写ればカメラはなんだっていいという大道さんのいさぎよさと好奇心にドキドキしました。
Posted by ブクログ
コンセプトやテーマは一旦捨て、何でもよく見てすべて写せ……意図してできることのちっぽけな限界とその先の膨大な可能性を知っている写真界のカリスマの言葉は、表現する全ての者の浅薄な企てを見透かし射抜くだろう。一種の諦念にも似た見切りの先に余人には切り取ることのできない生々しく匂い立つような空気が現出する。名を捨てて実を撮る、そんなスナップショット術を垣間見る。
Posted by ブクログ
大道さんの写真と大道さんの写真に対する考え方とかをまとめた本。
写真がメインな感じで文章は少ないけど、
それでも参考になった。
たぶん僕の写真にとってかなり重要な影響を与えてくれる人だと思うので
これからも著作や写真集を見ていきたいと思う。
Posted by ブクログ
「ブレ・ボケ・アレ」と称される前衛的写真の先駆的存在、森山大道氏がフィルムカメラ、デジカメを持ち路上に出てスナップを撮り下ろす。その姿をフリーライター仲本剛氏が撮影に同行し見つめる。撮影を通じて見えてきた森山氏の写真に対する考えや姿勢、路上スナップを撮るときのノウハウを、仲本氏が森山氏の語りを交えながら余すところ無く読者に伝えてくれる撮影同行記です。
当然、文章だけでなく森山氏の撮った写真が多く載せられている。「へぇー、良いなこれ」「すごいなー」という写真もありますが、正直なところ「この写真の何処がよいの?」と疑問符がつく写真もあります。しかしそれが氏のいう「風景が向こうから撮れと言ってきたモメント」なのであって、シャッターを押した瞬間に切り取られた風景のコピー(もしくは記録)なのだろう。
本書を読んで感心したのは森山氏がカメラマンとしてカリスマ的な存在であるにもかかわらず、銀塩カメラにこだわらず、デジタルカメラの領域に踏み出していること。氏はデジタルカメラを使用した感想を「撮る分量が増えた」と言っている。まさに氏の持論である「量のない質はありえない」を地でいく姿勢だ。このことは我々がデジタルというツールを手に入れた以上自然なことである。いやむしろ必然と言い換えても良い。その必然をありのまま素直に受け入れるところが氏が本物であることの証左だと考えるのは私だけではないだろう。
Posted by ブクログ
路上スナップ写真そのものががかなりの割合を締めているけれど、それをどうやって撮るか、という、技術じゃなくて、姿勢というか歩き方というか考え方というか、そういう本。量のない質はありえない、として、とにかく大量に、まずは自分が普段歩いている道を撮りまくってみろ、と。そうすると、漫然としていた人だって、何かが見えてくる、と。デジタル移行後も、見返さないし、消さないし、ただ数は増えた、と。じゃあただ撮ればいいかというと、町の日常ではなく異界に入り込み、そして撮影者は欲望を抱えた欲望体とならなければ面白くもないし意味もない、という。そうやって写真を撮りくなるし、写真以外もそうしてみたい、となる愉快な本。
Posted by ブクログ
本日、森山大道さんの講演があったので、その予備知識として買った。
被写体に対する価値観が変化していても、とにかく写真を撮ることが大事なのだと言うことは一貫していると思った。
Posted by ブクログ
友達にこの人の写真がすばらしいと聞いて、手にとった。
写真のことは、詳しくないけれど、「熱さ」が伝わる
一枚、一枚に心惹かれた。
「もっとも大切なのは欲望」
「自分自身が欲望に忠実な、欲望体となってスナップしないと、
面白くもないし、そもそも意味がないんだよ」
「地震の欲望が発する必然の投網を打って、偶然という獲物を
からめ捕ること」
これまでカメラを撮ることに無頓着だったけれど、
本気で撮ってみたい! そう思わせてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
中途半端なコンセプトは捨ててとにかく撮れ。
被災地支援に向かう僕に響く言葉だった。確かにどうしてもそういうものを入れ込もうと思ってしまうのかもしれない。大道は旅情を入れ込むなともいっている。僕にそういう写真が撮れるだろうか。
Posted by ブクログ
この人は、何で撮らせてもこの人であり、
どんどん進化していくから恐ろしい。
昔の写真から、自己フィードバックを繰り返している。
「デジカメで撮ったら、確認とかしちゃダメ。面白くない」
とか言ってるのが非常に印象的。
Posted by ブクログ
スナップ写真で著名なカメラマンの近年の考え方が窺える良著。とにかく撮れ、という言葉が重く、すぐにでも写真を撮りたくなる。ただページ数が少なく、著者の思いを伝えきれていないのが残念。
Posted by ブクログ
すぐ読める本。1時間も有れば。
「路上スナップのすすめ」というタイトルであるが、森山大道氏を敢えて引っ張り出す必要があるかな〜、というのが率直な意見。というのは、殆どの写真は基本的にスナップショットであり、写真の記録性を排除する事は困難であるからだ。つまり、写真を始める誰でもが、路上であろうが風景であろうが、外界に対するスナップショットから始まるからだ。
興味を惹いたのは、デジタルに対する氏の見解。「現段階で、僕が肌で感じているのは、写真がフィルムや薬品といった物質性から離れて、そのすべてがエレクトロニクスの領域のツールになったということ」。これは文章中で語られているが(銀座~デジタルことはじめ)、この文章や氏の写真に対峙する言葉以外は読まずに、写真だけ見ていた方が楽しめる本です。そう思いました。
Posted by ブクログ
「ブレ・ボケ・アレ」の氏の写真がデジカメによって個性が失われるのではと思ったが、気のせいでしたか…。カメラは変われど被写体に対するスタンスは変わらないようです。
Posted by ブクログ
文章はひどいけど写真はやっぱりうまいねー!って、アラーキーがどっかで彼のことをコメントしてたのを読んだことがあるけれど、ぼくはどっちも好きだなー。
写真はやっぱ欲望だと思う。
Posted by ブクログ
スナップ写真の巨匠、森山大道と街を撮り歩き、写真について語ってもらうドキュメンタリー。
スナップの定義とは?
『自身の欲望が発する必然の投網を打って、偶然という獲物を絡めとること』
スナップの大前提として、大量に写真を撮ることが重要であり、量を撮って初めて質のよい写真が生まれるという。
もちろん考えて撮ることも重要なのだが、スナップには自分の狙い以上のものが写真に映り込むものであるので、偶然が生む傑作をつかむためにも、とにかく撮るべしということなのだろう。
まずは、自分の近所のスナップを撮りためて、一つ作品を作ってみたいと思いました。