堀川大樹のレビュー一覧
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クマムシ愛に溢れた、クマムシ研究本。
雑談ネタにもいいです。かわいいイラストですが、表紙の写真をみるとイラストとのギャップもあるが、まあ、その辺りはご愛敬。
クマムシは虫とついているが、緩歩動物門に属するれっきとした動物。ちなみに緩歩動物門にはクマムシしかいない。クマムシの種類は約1200種類。著者はそのうちのヨコヅナクマムシを発見・命名。
最強というのは、乾燥耐性や凍結耐性に極めて優れているということ。しかし、実験ではピペットで吸い出さないといけない、つまりピンセットだと容易につぶれてしまうので物理耐性はないようです。
繁殖させるのに、アガー(ゼリーの素です)の培地に、ボルヴィックがいいとか -
Posted by ブクログ
学者が研究費を寄付に頼らず
有料メルマガとキーホールダーなどのクマムシグッズの
販売で賄うという
買ってくれた人をサポーターとして位置付けている
メルマガは「むしマガ」ブログは「むしブロ」
ツイッターアカウントは@horikawad
堀川さんはクマムシ研究者として北大で博士号取得後
NASAエームズ研究所を経て
現在はパリの大学国立医学研究所で研究中
ちなみにフランスの国立研究所でも使用言語は
現在英語に統一されているという
この本はエッセイ風の巧みな文で
軽くて既知に飛びとても面白い
仕事は暮らしの一部として好奇心に突き動かされる愉しさが
なければならないということをこの本は教えてくれる -
Posted by ブクログ
第一線の科学者による一般向けの書物のひとつだが、高井研みたいな熱さを感じる。著者の有料メルマガやブログをまとめたもので一章ずつ短くまとまっていて読みやすい。前半はクマムシ中心だが、中盤以降は変わった生物とそれを取り巻く研究環境など普通は語られない裏話的なものが興味深い。
クマムシはそこらへんのこけに生息している生き物で(昆虫ではない)あるが、カップヌードルのような完全な乾燥状態で高放射能、絶対零度も耐えうる。宇宙空間でも6日生存できるらしい。他にも乾燥して休眠状態になる生物はいるが、クマムシほどではないらしい。またどうやってそんな乾燥状態で耐えられるのか、そもそも放射能への耐性が高いのかいくつ -
Posted by ブクログ
巷で流布されている情報から、クマムシは無敵のイメージが先行していたが、本書で正確な知識が得られた。クマムシは名前に誤魔化されてしまうが、実は動物の一種で、緩歩動物門に属する。ここはクマムシしかいなくて、1,200種類ほど見つかっているらしい。水生と陸生がいるが、陸生の方に乾眠と呼ばれる、代謝や呼吸も止めて生き延び、水をかけると再生する、ストレス耐性の強い種がいる。身近なコケの中で棲息している、メスのみで増殖する驚き、実験環境の中で飼育する難しさ、介護に近い作業など面白おかしく語られている。著者のクマムシへの愛が随所に感じられ、微笑ましい。
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Posted by ブクログ
クマムシ研究に精通した著者が、クマムシとクマムシを取り巻くディープな世界を掘り下げる。
1冊を通してユニークな語り口で、時にジョークや嘘(!)を交えながら面白おかしく読み進められました。一見ハードルの高そうな生物学研究の世界をぐっと身近に引き寄せ、その最先端を分かり易く紹介しています。クマムシの常識破りな生態はもちろん捕獲や飼育方法まで、これでもかというほどクマムシ愛に溢れた内容に。虫苦手の私ですら可愛いかも…と親しみを覚える魅力があります(※クマムシは「緩歩動物(かんぽどうぶつ)」です)。
他にもクマムシ並に理解不能なエクストリームな生物や、研究職というディープな道を突き進んでいる他の研究 -
Posted by ブクログ
生き物系の本の面白さは、生き物そのものもさる事ながら、その生き物に魅せられた人のおかしさ、突き抜けぶりである。
なので、当然、クマムシの本だと思ったら大間違い。クマムシ好きが、クマムシと、その他さまざまなクリーチャーを次々に紹介してく。納豆菌は宇宙からやってきたエイリアンであるとか(顛末は本書を読んでください)。
そのぐらいまでは、まあなんとか想像も及ぶのだけど、なんとジョジョの奇妙な冒険を用いて英語を学ぶ手法と、その台詞が書かれている。いったいなぜ? (実はこの項の存在を北澤 繁太さんにご紹介いただいたのが本書を読むに至った経緯なのですが)
そしてなんと、「生き物に魅せられた人