平鍋健児のレビュー一覧
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従来の開発手法ではビジネスの変化に対応できなくなったため、アジャイルが広まった。ソフトウェア開発のみならず、組織経営やチーム運営にも多くの示唆が含まれている。
第1部ではアジャイルとスクラムの基本的な説明、第2部ではリクルート・楽天・富士通でのアジャイル事例紹介、第3部ではそれらを踏まえた考察、という3部構成になっている。
スクラムで決められている役割はこの3つ。プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスター。スクラムマスターはプロジェクトファシリテーションに注力するサーバントリーダー。管理者たるマネジメントリーダーではない。コマンドコントロール型の組織から、自律化・自己組織化したチーム -
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著者の一人である野中郁次郎氏は、論文「The New New Product Development」の中で、「専門集団によって設計され、文書化されたナレッジが、次の工程の専門集団にに引き継がれ、これを繰り返して物を作っていく」プロセスに対して、当時、キャノン、ホンダなどが行っていた「色々な専門家が一体となり、自律的組織として物を作っていく」プロセスを、ラグビーに例えて、「スクラム」と呼んだ。このスクラムは、海を越え、アメリカでトップ・プログラマたちをインスパイアーした。そして、スクラムは、その名前のまま、ソフト開発プロセスの新ムーブメントとなり、故郷である日本に帰ってきた。
ソフト開発は、 -
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■従来手法の何が問題なのか?
・人の創造性を奪ってしまう
・文書によるコミュニケーションには限界がある
・悪いタイミング
・未来を読む水晶玉はない
・仕事が楽しくない
・部分最適化
■アジャイルを大規模化するフレームワーク
【共通する点】
1.既にうまくいったチームが2つ以上あること
2.大規模化する必要があること
・Nexus:最も純粋なスクラムの複数チーム拡張。あくまでソフトウェアのプロダクト開発に焦点がある。チーム間の依存関係を調整しながら、同期的に全体スプリントを回し、動くソフトウェアをデリバリーする。
・Scrum@Scale:単にソフトウェア開発手法としてのスクラムを拡張したも -
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本書は、共著者に野中郁次郎が入っていることからもわかるように、システム開発に従事している人でなくても、経営視点でアジャイルとスクラムについて解説している。やや抽象的なところが多いが、この分野で初めて読むにはお薦め。しかし、米国で始まったスクラムが実は竹内・野中が日本の製造業でのイノベーションの手法として名付けた「スクラム」から来ているとは驚きであった。また、実際にスクラムを採用した、リクルート、楽天、富士通の方のインタビューも興味深かった。
・アジャイル開発が浸透してきた背景には、ビジネスの変化の速さがある。
・アジャイル開発では、すばやくユーザーや顧客のフィードバックを得ることで、ムダな機 -
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前半でアジャイルの概要を説明し、後半でこれを実施した企業の事例を紹介し、最後に著者二人の対談を載せた本。
前半の解説部分は可もなく不可もなく。後半の事例紹介では当事者のインタビューが掲載されており、どのような困難に直面しそれをどのように乗り越えたか、に関する生の声を目にでき、それなりに有意義。最後の対談部分は、学者らしい抽象論に終始しており、実践知である「アジャイル的」なるものとは正反対の趣で萎えた。
入門書として悪くはないと思うが、いかんせん「アジャイルサムライ―達人開発者への道」というぶっちぎりの良書が存在してしまっているので、相対的にあまり高い評価は与えられない。
入門を終えた後に