水無田気流のレビュー一覧

  • 黒山もこもこ、抜けたら荒野~デフレ世代の憂鬱と希望~

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    詩人・社会学者が、個人史を織り交ぜながら時代を語るという本。1970年生まれの主観であることを隠さず、自らの世代の不遇を嘆くので、力強さがある。研究者として職を得ることの困難さは、切実。自分語りの部分は、私を平凡・汎用だと語ったと思えば、私は浮いていたと述懐したりと、読んでいてやや混乱したが、「それでこそ個人史」と思って楽しむ方が良いか。

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    2012年04月22日
  • 黒山もこもこ、抜けたら荒野~デフレ世代の憂鬱と希望~

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    不安、絶望、締念―「体感格差」の正体。
    中原中也賞受賞、気鋭の30代女流詩人が問う、「凡庸な人生」から見える、ニッポン社会のゆがみ。

    [ 目次 ]
    第1章 黒山もこもこ、抜けたら荒野(思い出の人混み/人混みの思い出 あらかじめ失われた世代 ほか)
    第2章 「普通」へのノスタルジア(「三種の神器」時代を遠く離れて 母親はお見合い結婚世代 ほか)
    第3章 世代観闘争(世代論はなぜ好まれる? 日本社会は「単一的」なのか? ほか)第4章 一九八〇年代―文化系女のサブカルチュラル・ターン(不思議少女と呼ばれて 文学少女はサブカルにより更新された ほか)
    第5章 自分のことは自分で決められ

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    2011年04月07日
  • 黒山もこもこ、抜けたら荒野~デフレ世代の憂鬱と希望~

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    1970年生まれの女性詩人が自己史に重ねて語る、高度成長期以降の日本社会の変遷史。彼女の原風景は高度成長期、10代は消費社会爛熟期の'80年代、そして20代をバブル崩壊のただ中で過ごしてきたことになる。風変わりなタイトルの「黒山もこもこ」とは、第二次ベビーブーム世代の幼少期の記憶にいつもある人混みであり、「抜けたら荒野」とは、バブルがはじけたタイミングで社会に出てきた世代の実感だとか。社会の価値観の大きな転換というショックを青年前期にまともに浴びて、その後も不条理に耐えてきているということか。偶然だが、その世代の親たちもまた、戦争前後の未曾有の激動を思春期前後に体験し、価値観の混乱と

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    2009年10月04日