守如子のレビュー一覧
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ネタバレ非常に勉強になりました。
大学で様々なジェンダーに関するレクチャーを受けた気分です。
女性はメイクすべきか、男子同士のふざけ、スポーツは男性の方がむいているのか、女性専用列車は男性差別?、家族とは何、などなど。
それぞれに、自分を問い直すワークがついているのも秀逸です。
中でも、一番しっくりきたのは第5章「男性学、ホモソーシャルな絆」です。
男の子同士の「カンチョー」「ズボン下ろし」などの性的なふざけ。女子がやるとすごく怒られるのに、男子なら男の子だからね、みたいな部分があったりしますよね。
”男子間の性的侵害行為”は性被害という認識が働きにくい。
男子の方が攻撃的な”はやし言葉”(殺してや -
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女性用ポルノを扱う研究はなかなか見ないので、大変面白かった。女性用ポルノにおける強制性の扱い方のあたりはほんとにスリリングでおもしろい。返す刀で男性用ポルノにおける女性の主体性にも言及するのも見慣れた男性用ポルノについての新たな視点でおもしろかった。
ポルノグラフィーの量的分析が中心なので、なぜそのようなポルノグラフィーになるのか?そこにはどんなジェンダーバイアスがあるのか?という言及はあまり多くなかった。次はそのような視点の論考を書いて欲しい。
あとは漫画以外の映像媒体についても女性用AVとか出てきているので研究してほしい。
この手の本が読まれず未だにマッキノンやドウォーキンが幅を利かす日本 -
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ポルノを「女性に対する人権侵害」と画一的に決めつける議論が、女性たちの多様な性的欲望を無視していることに疑問を投げかけ、女性向けポルノコミックが何を表現しているか、だけでなく、むしろ女性たちがそれらをどう主体的に読み解いているかに焦点をあてた、実に説得力があり、かつ刺激的な論考だ。
本書が分析の対象としている女性向けポルノコミックは、いわゆる「レディコミ」と「BL」である。ジャンルとしての成立はBL(当初の名称は「ヤオイ」)の方が早く、女性向けポルノ市場の成長可能性に気がついた企業が、BL作家に同じことを男女の絡みで描いてくれと依頼したのだそう。
この点に関連して、注で引用されている鈴木薫の発 -
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女性もポルノを消費する(ポルノは男性特有の文化ではない)ということを、マスタベーション・ファンタジーとしてのポルノグラフィ(主にエロ劇画、美少女コミック、レディコミ、ハードなBL)の分析を通して論考した本。
公共空間に蔓延る「ポルノ文化」と、個室の中で読まれる「ポルノグラフィ」を同一の文脈で語るこれまでのフェミニズムに疑問を投げかけている点と、女性から見た(女性のための)ポルノグラフィに着目しているという点に意義がある。
先行研究のレビューが基礎知識のない人には少し難しいかなと思ったのと、メインの分析が少々薄すぎたのが難点だけど、著者の問題関心の高さがうかがえて若手研究者らしい意欲作な印象。
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心意気は良い。こういうテーマは際物であり,それを選ぶ研究者には2種類いる。話題性を狙うタイプとそれを選ばざるを得ない内的動機を持つ者だ。著者は間違いなく後者だろう(ちなみに,『ナンパを科学する』の坂口さんは前者の匂いが強い。)。端々に見られる私的なエピソードに,研究対象との距離の近さが見て取れる。しかし,残念ながら,分析はイマイチ。サンプル数からして数量的な処理にどれほどの意味があるのかと疑問に思った。カルスタなのかマンガ論なのか方法論のツメが甘いという感じか。やってみたことに意義がある。もっと現象学的に迫れば面白そうなのに,とか思ってみたり。しかしまぁ,こういう本はリアル書店でしか出会えない
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
女性もポルノグラフィを楽しんでいる―。
男性特有のものと特殊視されやすい「ポルノを読む」経験をそのくびきから解き放ち、「女性たちがどのようなポルノを読んでいるのか」「どう楽しんでいるのか」「女性向けポルノはなぜマンガなのか」などを「ハードなBL」「レディコミ」雑誌を大量に読み込み、読者投稿を分析することで明らかにする。
そのうえで、フェミニズムのポルノ批判が女性の性欲=性的能動性を取りこぼしている点を指摘して、快楽的な性に対する女性の能動性を肯定し、ポルノを消費する主体としての可能性を丁寧に論じる。
[ 目次 ]
第1章 フェミニズムとポルノグラフィ批判
第2章 女性向けポルノ