【感想・ネタバレ】基礎ゼミ ジェンダースタディーズのレビュー

あらすじ

女性はメイクをすべき?
スポーツは男性向き?
災害の被害は平等?
LGBTは私のまわりにいない?
女性専用車両は「男性差別」?
少子化は「女性の社会進出」が原因?

思い込みから自由になる技法(わざ)を学ぼう!
ジェンダー研究の基本から最前線までを貫く、究極の入門書。

――本書の特長(「はじめに」より)
①インターセクショナリティの視点を重視する
②多様な性のあり方を前提とする
③多彩なトピックについて、第一線で活躍する研究者が執筆
④「問い」をデータで検証していくスタイル
⑤考察や問いを広げる、豊富なワーク
⑥ジェンダー研究を身近に感じられるコラム

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

非常に勉強になりました。
大学で様々なジェンダーに関するレクチャーを受けた気分です。
女性はメイクすべきか、男子同士のふざけ、スポーツは男性の方がむいているのか、女性専用列車は男性差別?、家族とは何、などなど。
それぞれに、自分を問い直すワークがついているのも秀逸です。

中でも、一番しっくりきたのは第5章「男性学、ホモソーシャルな絆」です。
男の子同士の「カンチョー」「ズボン下ろし」などの性的なふざけ。女子がやるとすごく怒られるのに、男子なら男の子だからね、みたいな部分があったりしますよね。
”男子間の性的侵害行為”は性被害という認識が働きにくい。
男子の方が攻撃的な”はやし言葉”(殺してやる、ぶっとばす)とかを使いがち。男子の攻撃性は社会から容認されがち。
男同士の異性愛前提の下ネタ、エロ話ができて一人前の男とみなされるのは「ホモソーシャルな絆」という言葉で表現されている。男性を性的主体、女性を客体ととらえる意識を持ちやすい。
これに気乗りしないのに合わせなければならない男子もいる。そして、異性愛主義、男性の攻撃性は認められる文化からから性被害につながっていく。
戦い遊びや性的ふざけの危険性を授業で伝えることは、子どもだけでなく、保育者・教師にも行う必要性がかかれている。

グサっときたのは、
痴漢被害にあいたくなければ女性専用列車を使えば良いという考えがあるが、「女性専用車両があること自体、恥ずかしいことではないだろうか。」という一言。

第14章女性にも「特権」はあるの?
このワークが素晴らしかったです。(p.154)
(1)「特権」に関する以下の項目についてあてはまるものに丸をつけよう
1、あなたの名前は?と尋ねられたら躊躇せずに答えられる
2、友人の親からどこに住んでいるか尋ねられたら、迷わずに答えられる
3、履歴書などの性別欄に、躊躇うことなく性別を言える
4、生理や妊娠、出産のことを考えずに、自分の予定や仕事の予定を考えられる
5、恋人のことを、躊躇うことなく人前で話すことができる
6、運動会では、いずでかの種目に出ることができる
7、家族の構成を尋ねられたら、躊躇なく答えられる
8、親の勤務先を尋ねられたら、迷わずに答えられる
9、家族の世話などを気にせずに、自分の予定を決められる
10、結婚に関して、自分の姓が変わることなど想像しない

(2)あなた自身、社会における自らの位置についてどのように感じただろうか。また、特権を利用するとどんな気分になるだろうか。なぜ、そのような気分になるだろうか、考えてみよう。

見えない世界を言語化されました。勉強になる一冊です。

0
2025年06月16日

「社会・政治」ランキング