浅見克彦のレビュー一覧

  • 愛する人を所有するということ

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    支配とか所有とかはしたくないし、するべきじゃないと、なぜか僕は思っている。でも、愛という言葉は嫉妬や束縛などあまりよろしくない意味もはらんでいる。
     そんな愛によって生まれる欲望の中で、特に所有欲の出所を探り、最終的には他者と自我の間に生まれる「愛」について現実的なことを教えてくれる。

     愛する人は自分の心にズカズカと入り込んでくる。これは自我からすれば一大事。他者に揺り動かされるのだから私という存在を安定的に保つことができにくくなる。だから、僕たちは本能的に自分を保とうとする。「私」をどうしようもなく撹乱させる「あなた」をなんとかコントロールしようとする。
     自我のまとまりを確保する

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    2009年10月04日
  • 知識人の責任

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    知識人の責任
    著:ノーム・チョムスキー
    訳:清水 知子
    訳:浅見 克彦

    合衆国が、既得権益保護のために世界規模の反革命運動の指導者になったことを本書は嘆いている。

    ベトナム戦争のみならず、南米においても、第2のベトナム戦争を展開しようとしていることもだ

    気になったのは以下です。

    ■知識人と学校についての考察

    権力と権力を合理的に行使しようとするために忠義を尽くそうとしている、アメリカの知識人について、率先して、その政策の実行を支援していることについて恐ろしいと語っている。

    アメリアのそれら知識人を批判するとともに、啓蒙と自らを導いていくための指針をもとめてさまようことになるだろうと

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    2024年10月06日
  • 知識人の責任

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    チョムスキー氏と言えば、人間は生得的に文法を身につけるものとした生成文法理論が有名だと思うが、ベトナム戦争への反戦活動で54回も逮捕されたという逸話もある。私はこれを宇沢弘文の書により知ったのだが、そもそもベトナム戦争すら、私にとってはよく知らぬ事。しかし、そうした反戦の含意をもって『知識人の責任』とは、我田引水、商業主義的な識者の戒めにも通ずる、良心に訴えかける啓発書だ。

    ー かつてジャン゠ポール・サルトルは、一つの時代のなかで、ヴェトナム戦争に反対する人間が知識人なのだ、といった。その意味では、チョムスキーは「知識人中の知識人」だといえるだろう。そしていま、私たちは、ブッシュ政権の「大義

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    2024年08月13日
  • 知識人の責任

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    ベトナム戦争への反戦運動のときの記録、筆者の議論。
    正直当時のことは全くと言っていいほど知らなかったので、現在の思想や思想家、市民社会や運動が、その記憶の後にあるということを少し認識した。
    でも知識人って何なんやろ、知識人の責任って何なんやろ。
    考えるきっかけになる。

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    2019年03月25日
  • SFで自己を読む 『攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』『イノセンス』

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    SFはその幻想的な要素や創造的設定によって、現実の生を凝結させる慣性的な自己像を切り崩し、思考の漂流と慣性の振動を誘うことに魅力と威力がある。
    つまり、SFは自己について新しい視点を投げかけるので、難解だと付すのではなく興味を持てと。
    その格好の題材として、表題の3作品や空気人形、ブレインストームなどの作品を例に読み解いている。
    スカイ・クロラの読解において、サルトルを用いながら、「作品の中のキルドレたちは、その関心を未来の再生に集中し、自己の時間的存在を個体的に閉じた連続性としてとらえてしまっている。だから彼/彼女たちには、他者の介入と侵犯がもたらす『いまだない可能性』を生きる道が閉ざされて

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    2013年08月28日
  • 愛する人を所有するということ

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    [ 内容 ]
    そもそも人を愛するとはどういうことだろうか?
    どうして愛は他者を所有しようとしてしまうのか?
    自我は所有の求めをどう実現しようとするのか?
    愛する者は自我と愛と所有のトライアングルのなかで、苦悩と哀しみを身にまとう―。
    愛わめぐる心の動きを桜井亜美や山田詠美などの小説やAYUの歌のなかに、あるいはR・バルト、J=P・サルトル、D・ヒュームなどの哲学思想のなかにさぐり、私たちの存在そのものの核心へと肉薄する。
    愛する者たちのありふれた感覚と思いによりそいながら紡ぐ、深い探求と刺激的な挑発に富んだ思索。

    [ 目次 ]
    第1章 愛にふりまわされる自我―所有の企て
    第2章 ココロとカラ

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    2010年07月31日
  • SFで自己を読む 『攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』『イノセンス』

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    わかったような、わからんような。
    かろうじて理解できたのは人形のもつおぞましさについての考察。
    それにしても、脳科学や情報科学の知見を一切活用しないとはどういうことか。
    ただの思考の遊びと片づけられてしまっても仕方ないような論展開。
    ただし、ちりばめられた引用には面白いものがあったので、再読して、感想も変わるかも。

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    2016年07月15日
  • 知識人の責任

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    インドでの開発はインドが原罪も直面している大いなる苦悩を涼しい顔で利用しながらアメリカがインドの「社会主義からプラグマティズムへの移行」を実行するためにその経済力を用いているという点で戦後最大のスキャンダル。何も知らないということは恐ろしいし、知らせない知識人の罪は重たい。
    チョムスキーはユダヤ人だったというルーツを認めることはないだろう。

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    2009年10月07日