加藤隆則のレビュー一覧

  • 中国社会の見えない掟 潜規則とは何か

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    中国人と日本人の気質の違いを例えるものとして私が聞いた小話をあげておく。
    自分が男性として、自分の母親と妻と娘との女性3人がいたと仮定して、そこに絶対に勝ち目のない怪獣が現れたと想像してほしい。怪獣は女性3人のうち2人を食べさせろと求めてきたが、1人だけは助けてやると言ってきた場合、母親、妻、娘の3人のうち、だれを助けてもらう1人として選ぶか?
    日本人のほとんどは、娘を助けてもらおうとする。つまり娘を助けるためなら母親と妻は犠牲となってやむなしと考える。しかし中国人は全然違う選択をするらしい。中国人のほとんどは母親を助けようとすると聞いた。その理由は、妻はまた探せばよいし娘はまた新しい妻と作ればよいが、母親はこの世に1人であり失えば再び得ることはできないということらしい。

    この本では中国人に脈々と受け継がれてきた「潜規則」という目に見えないルールについて著者自身が見聞きした事例を交えて詳細に記述されている。
    しかし、この本であげられたいくつかの“えげつない”潜規則の実例を見て、潜規則の存在を以て中国人や中国社会を“劣ったもの”“遅れたもの”と決めつけるのは、早計であり現状認識を大きく誤ったものと私は考えている。
    なぜなら日本にも、潜規則に相当する、外国人から見て見えない(または理解できない)ルールが厳然として存在しているのは誰も否定できないだろうからだ。昨今の森友加計問題なんか、まさに日本の潜規則が表出したものだろう。
    つまり、潜規則とは中国独自のものではない。しかしながら、何を「潜規則」と見なすかは日本や中国でも全然違ってくるので、中国の潜規則に特化して記載されたこの本を表面的に読んだだけでは、日本に思いを至らせられないかもしれない。冒頭にあげた小話でもわかるように、歴史を経て形成され共有されるに至った見えないルールには正解はなく、優劣は簡単にはつけられないところが解決を難しくしている。

    ではこの本から私たちは何を学べるのかというと、私は『人間が社会を制御するために、私たちは常に「未来」「社会(他人)」を思考の軸にして考えるべき』だと結論づける。
    未来を考えれば、私たちは安易に原発の稼働のスイッチに手をかけられないだろうし、社会(他人)を念頭に置けば、面子(メンツ)という考えは後ろに下がるはずだ。

    昨今では、中国人や日本人のほかアメリカ人やヨーロッパ人など世界中の人々の多くが他人の劣ったところを見てそれと比較して自分の優位性に満足するような発想に陥りがちに思えるが、この本で多く挙げられた中国の潜規則の事例を見て、中国は劣ってるとか、あるいは日本はまだマシとか考えて終わるのは短絡的。
    そこから一歩踏み込んで、中国の潜規則を日本の潜規則の解消のための教材と考えて、中国の長い歴史の負の遺産が潜規則とすれば、正の遺産である古典(詩経)にあるように「他山の石」とすべきである。
    つまり、この本は中国を語っていながら、日本についての批判や教訓を多分に含んでいる。

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    2020年07月26日
  • 上海36人圧死事件はなぜ起きたのか

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    あの時この雑踏事件から数100mのところにいた身として、事件の背景を深く知ることができてよかった。広報不足と雑踏整理の欠如は本当に憎い。

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    2018年12月31日
  • 中国社会の見えない掟 潜規則とは何か

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    この本を読むと、中国を理解するのが、(日本人にとって)どれほど難しいのか
    よくわかります。私も中国で数年働き、業務は中国語で行うが、

    「なぜ、そのように考えるのか?」
    「なぜ、そのように行動するのか?」

    あまりに、日本人のそれと違うので、仕事上でも葛藤の連続である。
    言語の問題というより、(当たり前ですが、、、)文化そのモノが、違うなとつくづく感じていました。

     この著作を読み、「潜規則」に関して、おぼろげながら、理解できるものの、
    その習慣を受け入れることは、到底できません。そして、
    どのように、対処していけばいいのか、、、まるでわかりません。

     ただ、なぜ、中国で文革のような、何千万人も犠牲となった事件、運動が起こった理由がわかった気がします。
    それは、潜規則に代表されるような、不透明で、理解し難い、慣習が脈々と受け継がれているからだと思います。

     日本での中国の事件に対する報道は、どこか、見下したような、失笑が含まれていますが、
    こういう著作を読むと、「笑えない」現実が、中国にあるのだと、つくづく思います。

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    2017年06月06日
  • 中国社会の見えない掟 潜規則とは何か

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    いつか中国の「不文律」について書かれた本が出てこないかな、と思ったらようやく出てきました。後ろに参考文献がきちんと書かれてる、というのも良いところです。

    よく「経済発展したら民主化が進む」法則があるように思うけれど、中国に限っては全くあてはまらないというのがよく分かる。本書に述べられてる諸問題が解決しない限り、現体制がもし仮に崩れてもまた同じことのくり返しなんだと気づかされる。

    中国を知る上で語学学習は大事だと私は思うけれど、触れてはいけない「不文律」についても知るべきじゃないかと思う。

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    2011年09月18日
  • 「反日」中国の真実

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    「中国通」と言われる人がいます。やたら、中国のことに詳しい。
    しかし、その八割は、なんちゃってです。言葉もあまりできないですし、
    行動範囲も、限られています。

    著者は、数少ない「中国通」です。
    「反日」の構造がよくわかります。
    反日を知ることは、中国の今の政権の状態を知ることです。
    それは、権力争い、そのものの構造です。

    私は政治には、疎いですが、中国で働いていると、必ず、「政治」を考えさせられます。
    中国には、人間関係らしい、関係は、あまりないと思います。あっても、日本のそれとは、だいぶ
    違います。

    あるのは、政治的関係のみです。中国人3人が集まれば政治が始まります。
    協力、協調、、、人間関係に関係する全てのタームは政治の上にあります。

    中国で、成功するとは、経済的にではありません。必ず、政治的にです。その上に経済がのっかているだけです。
    日本では、政治で決まったことなんて、あまり興味がありませんが、中国では、それが全てです。

    毎日流れる汚職のニュース、賄賂で捕まった役人のニュース、、、反日活動をする前に、もっとやることがあるだろう
    と思いますが、これも、違います。反日活動は、全て、政治的な意味が込められているからです。
    反日が反政府に、大きく傾いている今、党の舵取りをどうするのか?

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    2017年06月06日
  • 中国社会の見えない掟 潜規則とは何か

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    中国人の面子。
    日本人が思う面子とは違うことを認識しなければならない。

    先日読んだ石平さんの本。
    ほんまかいな?という話がこの本でも出てくる。

    どの国にも裏社会ってのがあるんだろうが、中国のそれははっきりいって、怖い!

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    2011年12月23日
  • 上海36人圧死事件はなぜ起きたのか

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    中国と言われるとあまり良いイメージで見られない。この本を読んでストンと色んな事が腑に落ちた。自国民の民度の低さは国内でも問題になっている、という指摘を読んで思わず目を丸くした。例えば他の国では似たような事故が発生しても誰もが落ち着いて行動するから死者は出ないのだという。あくまで本書に記された事だから例外はあるはずだが。
    様々な事が急に変わりすぎて、国自体は前に進もうとしている、それなのに国を支える人々はその場に置き去りになっている。他の国々にも問題はあるかもしれないが、所変われば人が違う、人が違えばやり方が違う、そんな風に思った。

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    2026年06月26日
  • 中国社会の見えない掟 潜規則とは何か

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    潜規則。
    要は暗黙のルール。
    どこにでもある話で、こういうのが常識とか伝統とか憲法習律とかになって、それをどう明文化するかが国の方向を決める。

    ただま、この文化圏においては、それが綺麗事と本音、国際社会向けの綺麗な作文よりオラが村の掟が圧倒的に優先ですよという、その、裏ルールが優先されることが最優先のルールというそんな話に過ぎない。守る気がないから、いくらでも綺麗事が書ける。それすら最近おかしいような気はしますが。

    ヤクザとか、マフィアの世界ですよ。

    具体的な潜規則として面子とか色々あるがそんなことはどうでもよくて、強くなったからルールを越える権利があろうと、当然に世界に主張できると信じているそこが、決定的に馴染まない。

    面子だって、日本人の考える面子、恥、名誉とは根本的に違う。
    面子のためなら、3秒後にバレるような嘘でも堂々と述べる。言葉だけ綺麗であればそれでいい。

    面子のために人を殺すことはあっても、面子のために自分が死ぬことはないだろう。

    日本にだって潜規則は、当然あります。それは蹴散らしていいと思ってる。それが彼らの面子だから。

    日本とは相入れません。

    作家の方、何言ったってそういうことです。
    それに、たまに日本下げ打ち込んで来るのもやめてください。

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    2025年07月04日
  • 中国社会の見えない掟 潜規則とは何か

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    日本にも確かに類似した思考の慣習があるが、
    それが中国にはもっと先鋭化した状態で残っている。

    だから、これを読むと
    中国を「理解できない」とは言えない、言ってしまえないなぁ、と思う。

    また、同時に中国でも西側的な発想をする人々がいるが
    追い出されるか、黙らされるかという情景も描かれている。
    こうした時、華僑のネットワークというさらに一歩引いたスケールから観る
    中国社会はどのように立ち現われるか、それが
    今後の中国のありようを左右するように思われる。

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    2011年10月03日