柳原澪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デビュー作なのに、ここまで書ける人もいるんだなぁ、と思わず感心。
非常に面白かったです。
ある日突然、人間以外の存在と同化してしまった四人の若者。
たまたま予備校のエレベーターで乗り合わせただけの彼らが、この世でたった四人だけの同胞になる。
衝撃的な運命に翻弄されるわりには、比較的淡々と物語は進んでいきますが、それが逆に彼らの精神状態を表しているようで、圧迫感があります。
自分はまだギリギリの所で『人間』に留まっているつもりだった。
でも実際には、もう引き返せない場所まで来ているのに、目を背けているだけだった。
変に泣き喚いたり、錯乱したりするより、リアルに感じました。
凄いな -
Posted by ブクログ
電撃小説大賞受賞作、金賞受賞のこの作品。私的には大賞より好きな作風でしたね。いや、シリアス好きってこともあるんですが、ラストが好き嫌いの多少分かれ目だと思うんですよ。そこが上手く気に入って、文章力が高く、すぐにひきつけられました。ベタで途中から展開が読めましたが、それでも面白い。特に人がモノに変わるまでの描写にリアリティがあり、思わずぞっとしました。missingに匹敵する暗くらい良質なホラー(?)だと思います。これはこれですごく素敵な話だし、十分綺麗に終わっていると思うから、無理に引き伸ばしたりはしないで次の作品に向けて頑張って欲しいです。期待しています。
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Posted by ブクログ
エレベーターで偶然乗り合わせた4人に起こった事。
それを悲劇ととるか、日常ととるか、幸福ととるか…。
どこに属するか、よく分からないのは紅一点の彼女だけ、です。
誰の主張が一番納得できるか、と言われれば
十文字だ、と言いきれます。
その立場になって、初めて拾ったり捨てたりするかも知れませんが
大事で生きたくて仕方がないですから。
きれい事で生きていければいいですが
それと自分と、と言われれば、迷わず自分をとります。
全員、自分の思う通りに全員を守り通そうとするのが
色々無茶をするなぁ…と。
完璧ではないにしろ、守り通せたのは
よかったのか悪かったのか…微妙です。 -
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