森下育彦のレビュー一覧
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論文とは、他者に自分を知って貰う手段の一つ。他者を説得しようと根拠を示しながら自分なりの意見を表明する。大学に入る為に求められる基礎レベルの教養だ。論文も、読者とのコミュニケーションの一種である。だから、誰もが納得のいくように論を進める必要がある。その際に、把握すべきなのは個人と社会の関係性、具体的事例と抽象的理論の関係性だ。今どんな社会が到来しているのか、そしてそれらが引き起こしている問題状況はどうなっているか等について、個人の生と深く照らし合わせながら論述する。
そもそも、意見とはどのようにして形成されるのか。著者は、己がまだ認識できぬ隠された段階にある意見は、各人の抱える感覚や感情 -
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ネタバレ「考える力」を身につけたいと思い、その一助となるような本を探していたのだけど、これは良い出会いだった。小論文対策として以上に、一人の人間として物事(人間の生や社会について)を考え、まとめることについて真摯に取り組んでいる本だ。
読んでいて思ったのは、「独自性ある文章」は思っている以上に簡単には出てこないし、かといって諦めるほど手の遠いものでもないんだ、ということ。
普段から、私たちの周りには「もっともらしい正論」がそこら中蔓延していて、すぐに思考がそっちに引きずられてしまいがちだけれど、それは結局は考えた「つもり」でしかない。そうした紋切型の思考の軛から離れるには、素朴な問いに立ち返 -
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小論文入試を控えているため、
1.評価される小論文とはどんなものか
2.それを書くに当たって必要な力は何か
3.その力をどのように養えばいいか
について知りたいと考えて読んだ一冊。
1、2については明確に知ることができた。3についても完璧とは言わないまでも、8割程度の、かなり明確ではあるけれども少しぼんやりしている、といった程度まで知ることができた。残りの部分は他の書籍や、実際に文章を書くことによって明確にできそう。
自分の読書目的と本書の内容の一致度を考えると、非常に効率の良い読書だった。
内容については、小論文の文章テクニックとかではなく、書く際の思考の軌跡をメインに据えて論じられて -
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[ 内容 ]
論文は、なりよりも自分のモヤモヤした考えを明確にするため、またそれを他者に伝えるために書かれる。
「自分とは何者か」から「人間の生」「現代社会の在り方」まで幅広いテーマを取りあげて、論文の「かたち」と「なかみ」をていねいに解説する。
本書は、大学入試小論文を通して、文章技術の基本を身につけるための、最良の実用参考書である。
と同時に、「書く」ことによって自分をつかみ、思考を深めていくための哲学の書でもある。
[ 目次 ]
第1章 論文ってどういうもの?
第2章 じょうずに「考える」ために
第3章 「読み」と「発想・構成」―原理篇
第4章 「読み」と「発想・構成」―実践篇
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Posted by ブクログ
読んだのはダイブ前。
だけど、ボロボロになった本が今、手元にある。
当時、大学受験で小論文のある学校を受けようとして
この本をバイブルとして読んでました。
(結局、その大学を受験はしませんでしたが)
今、ジブンは面接試験の対策を考えているんだけど
この本にある、常に「なぜ?」と考える姿勢が大事だと思ったのです。
また、別の本になるんだけれども、頭がクラクラして
疲れるまで「真剣に」1つのことを考えたことがあるのか?
と書いてあって、なんか「似てる」と思って。
確かに、ジブンは深く考えてなかった。考えが浅かった。
最近、ちょっと自己嫌悪・・までは行かないけど
もうちょっと頑張ろう -
Posted by ブクログ
自分で言うのもあれですが、大学受験の小論は結構得意な方だった。その時は何かの本で読んだ「型」(起承転結みたいな)ばかりに意識を集中させて、内容よりも「型」にこだわって書いていたのを覚えている(それでも高得点は取れていた)。論文の意味は相手にわかりやすく書くのは勿論だが、何より、中身が無ければ全く意味はない。
つまり、「考える」ことが前提にあって、まさしくそれが最も論文を書く意味である・・・当たり前だけど。でもね、変に慣れると、意外とその本質を理解してなかったり、忘れてたりするんだよね。
この本は小論文を書くための技術や知識ではなく、自ら考えて書くということへ意識の重点を置いているように思う。そ